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相武山 妙法寺 ブログ

おさめの御講を奉修

法華経を讃むと雖も還りて法華の心を死す
12月10日(日)午前11時から「令和5年・おさめの御講」を奉修しました。参詣者唱題の裡に仏祖三宝尊への献膳、続いて法華経要品の読誦、献香、唱題と如法に厳修。日蓮大聖人への御報恩を申し上げました。

法要後の法話では妙密上人御消息
「諸宗の元祖等法華経を読み奉れば、各々其の弟子等は我が師は法華経の心を得給へりと思へり。然れども詮を論ずれば、慈恩大師は深密経・唯識論を師として法華経を読み、嘉祥大師は般若経・中論を師として法華経をよむ。杜順・法蔵等は華厳経・十住毘婆沙論を師として法華経をよみ、善無畏・金剛智・不空等は大日経を師として法華経をよむ。
此等の人々は各法華経をよめりと思へども、未だ一句一偈もよめる人にはあらず。詮を論ずれば、伝教大師ことはりて云く「法華経を讃むと雖も還りて法華の心を死す」云云。
例せば外道は仏経をよめども外道と同じ。蝙蝠が昼を夜と見るが如し。又赤き面の者は白き鏡も赤しと思ひ、太刀に顔をうつせるもの円かなる面をほそながしと思ふに似たり。
今日蓮は然らず。已今当の経文を深くまぼり、一経の肝心たる題目を我も唱へ人にも勧む。
麻の中の蓬、墨うてる木の自体は正直ならざれども、自然に直ぐなるが如し。経のままに唱ふればまがれる心なし。当に知るべし、仏の御心の我等が身に入らせ給はずば唱へがたきか。」を拝読。

11月15日、創価学会第3代会長であった池田大作氏が逝去。富士日興門流(日蓮正宗)にゆかりのある人物であり、社会的にも大きな影響力をもった方でした。その評価は各界各人各様であろうと思いますし、今後もさまざまに検証がなされることでしょう。法華宗日興門流の信仰を護持伝承する妙法院として、また、池田氏は門流で興起した正信覚醒運動の直接的対象者でしたから、逝去の報に接して私見を簡略に述べる必要性を覚えた次第です。

拝読した御書は真偽未決でありますが、池田氏への私の見解のポイントが示されています。すなわち、「伝教大師ことはりて云く『法華経を讃むと雖も還りて法華の心を死す』」に極まります。この法華秀句の御文の前段には、「各宗派の元祖等が法華経を読むが、それは自身がすでに得心している教義の上に法華経を位置づけ理解しているものであって、法華経を一句一偈をも真実に読んだ人とはいえない」とあります。
そのため伝教大師は法華秀句に「法華経を讃めていながら還って法華経の心を殺している」「例えば外道は仏教の経典を読んでもその理解は外道のままであり」と指摘したのです。

その上で、宗祖は「日蓮はそうではありません。『已に説かれた経と今説く経とこれから説くべき経の中で法華経は最第一である』という経文に基づき、法華経の肝心たる題目を自分も唱え、人にも勧めているのです。
麻の中で育つ蓬や墨を打った木等は、それ自体は必ずしも真っ直ぐではなくても、周りに引き寄せられ真っ直ぐになるように、法華経の題目を唱えれば心が曲がることはありません。果たして仏の御心が自分の身に入らなければ題目の五字は唱えられないものかどうか、よくよく知ることが肝心です。」とご教示です。

池田氏が創価学会を日本最大級の宗教組織としたことは事実ですが、彼の確かな言動からは一貫した思想や信条をうかがうことはできません。そこにはあらゆる思想や哲学を寄せ集めて利用し、その中心には彼の野望や創価学会特有の価値観の存在を知ることができます。彼は法華経や日蓮大聖人の教えを表面上語ってはいましたが、実に一貫性のない偏頗なもので、その語る言葉は時流を意識した功利的なもの。言行の一致しないすがたは歴史が証明しているところです。

彼は法華経や日蓮大聖人の教えを自身のため、教団組織のために利用したに過ぎず、それらを利用して己の野心を追求したというのが事実なのです。まさに「法華経を讃むと雖も還りて法華の心を死す」ものであり、伝教大師や日蓮大聖人の弾呵するところです。
私たちは宗祖が示された「已今当の経文を深くまぼり、一経の肝心たる題目を我も唱へ人にも勧む。麻の中の蓬、墨うてる木の自体は正直ならざれども、自然に直ぐなるが如し。経のままに唱ふればまがれる心なし」との正直な心で法華経を修めた人生を歩んでまいりましょう。
おさめ御講の後には4年ぶりに年末懇親会を愉しみました。
(詳細は相武山だよりのウェブ動画を御覧ください)

相武山 山主

2023年12月28日