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相武山 妙法寺 ブログ

思い込みに気づく(上)

~正しい認識を求めることが大切~

令和5年最後の日曜法話会は11月19日(日)午前11時の開催。
今回のテーマは奥が深いものです。解説の時間もかかのではないかと思い、法話会の趣旨は仏教の基本的姿勢をお伝えして本題に入りました。

テーマである「思い込みに気づく」ということは、「それは思い込みでは?」と考えてみる必要性があることを指摘しています。思い込みの定義は「合理的な根拠がなく、あるいはしばしば誤った根拠に基づいて、それと自覚せずに断定・確信・前提としている心の働き」といえます。したがって、思い込みに気づくということは、言葉を換えれば「正しい認識を求めること」になります。
また、あらゆる事物事象は変化して止まない存在ですから、その変化を認識できないということは、仏教的には八正道の第一「正見」を求めないすがたであり、迷いの世界に陥ることに通じていることを説明。

はじめに10月に始まった「イスラエルとパレスチナの戦争」や「日本経済の停滞と凋落」などから、私たちが無意識に「思い込み」に陥っていることがあることを指摘しました。
《イスラエルとパレスチナの悲惨な戦争》
10月7日、イスラム武装組織ハマスによるイスラエル攻撃から43日。
戦争の現状は悲惨で深刻。
「人命を救済する病院にもイスラエル軍が攻撃。その理由はイスラム組織ハマスの軍事拠点であるということ。病院は機能停止状態に陥っている。また、ガザ地区で安全な場所などどこにもない。イスラエルはハマスの組織完全排除をねらう。イスラエル側の死者は約1,400人。ガザ地区パレスチナ側の死者は12,000人以上。イスラエルとアラブ諸国の緊張が高まっている」ことを説明。

世界各国の姿勢は、「ハマスのイスラエル攻撃(市民殺害、人質拘束)を批判し、イスラエルの自衛と人質解放、軍事拠点の侵攻を支持する欧米などの国々。イスラエルの侵攻を批難し、パレスチナ擁護を支持し、戦闘停止を主張するアラブなどの国々。中立的立場から戦闘停止をうったえる国々。」という3者が存在しています。
イスラエル支持者とパレスチナ支持者には互いに思い込みが存在しており、それぞれの立場と考えから主張が展開されています。それは歴史的・地政的な見解であり、民族・宗教・文化的な見解と多岐にわたるものです。イスラエル支持派は「イスラエルのユダヤ人は明確な国土を持つことなく、長く流浪と厳しい迫害の歴史を余儀なくされてきた。」と主張し、パレスチナ支持派は「パレスチナ人は第2次大戦後、突然、自国にイスラエル国家が建設されて甚大な被害を被り、その後もイスラエルから迫害を受けている。」と主張していることを説明。

《日本経済の停滞と凋落》
日本の経済力と国力の現実を冷静に理解する時、国民の多くが思い込みに陥っていることに気がつくでしょうと以下を説明。
日本は果たして世界の先進国か?
(GDP国民総生産から・・・)
アジアの経済大国か?
(一人あたりGDPから・・・)
アジアの国々からの留学生や技能実習生の希望者?
(魅力的とはみられていない・・・)

★日本経済新聞(2023年10月24日)の報道を紹介。
『日本のGDPはドイツに抜かれ世界4位に(IMF予測)』 。
日本のGDPは長期的に低迷を続けている=ロイター
日本のドル換算での名目GDP(国内総生産)が2023年にドイツを下回って4位に転落する見通しであることが国際通貨基金(IMF)の予測で分かった。足元の円安やドイツの高インフレによる影響も大きいが、長期的な日本経済の低迷も反映している。

23年は日本が前年比0.2%減の4兆2308億ドル(約633兆円相当)、ドイツは8.4%増の4兆4298億ドルとなる見込みだ。1位の米国は5.8%増の26兆9496億ドル、2位の中国は1.0%減の17兆7009億ドルだった。
2000年の時点では日本の経済規模は今より大きい4兆9683億ドルで世界2位だった。00年初の円相場は1ドル=105円程度。当時のGDPはドイツの2.5倍、中国の4.1倍だった。10年に日本を抜いて2位の座についた中国は、23年には日本の4.2倍となる見込みだ。
第一生命経済研究所の熊野英生氏は「足元では金融政策の差により円の対ドル相場が下落していることが影響しているものの、長期的には日本の成長力の低下が背景にある」と指摘する。

『1人当たりの名目GDP』
それぞれの00年からの名目GDPの伸びを自国通貨建てに直すと、中国が12.6倍と突出する一方で日本は1.1倍にとどまる。伸びはドイツの1.9倍や米国の2.6倍を大幅に下回る。物価変動を除いた実質GDPでみても日本の伸びは1.2倍と米独よりやや低い。
1人当たりの名目GDPでは、日本は23年に3万3949ドルとIMFのデータがある190の国・地域のうち34位となる見込みだ。1位はルクセンブルクの13万5605ドル。日本は英国やフランス、イタリアなどより低く、35位の韓国(3万3147ドル)に肉薄されている。

2000年時点で、日本の1人当たり名目GDPは同187カ国・地域のうちでルクセンブルクに次ぐ2位の3万9172ドルだった。23年と00年を比べると日本の1人当たりGDPは13.3%減っており、日本経済の低迷を映す。
内閣府は2001年3月の月例経済報告の中で、日本が緩やかなデフレにあると初めて認定した。家計が貯蓄を優先したり、企業が新たな設備投資を抑制したりして経済全体にマイナスの影響を与えると警鐘を鳴らした。日本は生産年齢人口(15〜64歳)も95年から減り続けている。
熊野氏は「持続的な賃上げと、企業の稼ぐ力を高めるための生産性向上が急務だ」と指摘している。

以上のことから、我が国が経済大国でありアジアの大国という認識は、戦後の荒廃からめざましい高度経済成長を成し遂げ、世界第2位の経済大国となった昭和の時代の思い込みであることを説明。日本経済の停滞と凋落を冷静に理解することの大切さをお伝えしました。(つづく)
(詳細は相武山だよりのウェブ動画を御覧ください)

相武山 山主

2023年12月25日