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相武山 妙法寺 ブログ

一切皆苦の教え

2月の法話会「災禍を生きる」の二部「仏教に親しむ」では『一切皆苦 現実を認識する』について述べました。一部「世相に想う」では『災禍を生きる』とのテーマで2月6日に発生したトルコ・シリアの大地震を中心に、「人生ではさまざまな災禍に遭遇する」ことを解説。人生は現実をしっかりと認識して歩まねばならないことをお伝えしました。

はじめに仏教では「一切皆苦」が説かれていることを紹介。
釈尊の悟られた仏教の基本思想である「四法印」(諸行無常、諸法無我、一切皆苦、涅槃寂静)を概説しました。法印とは仏教の旗印のことであり、仏教と称するためにはこの四つの真理が説かれていなければなりません。また、この四つの真理は個別に在るものではなく、相互に連関し合うものです。

すなわち、「諸行(あらゆる存在)は常に変化して止まないものであり、諸法(あらゆる存在)はさまざまな因縁がより集まって相を顕したものであって、存在そのものに不変の実態があるわけではない。あらゆる存在は無常であり、無我であることによって、思うようにはならない。そのために煩悩に覆われた凡夫は人生に苦悩を覚える。しかし、苦悩の源が煩悩にあることに気がつき、発心し志を立てて仏道を歩むならば、やがて煩悩を克服して静謐な涅槃の安らぎが得られる」という内容であることを解説。

人生において常に夢や希望を持つことは大切なことですが、人生と社会の現実をしっかりと見つめる時、真理に基づく「一切皆苦」という認識をもつことも大切であることを理解しなければなりません。仏教では生・老・病・死の四苦に、愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五陰盛苦の四苦を加えて「四苦八苦」が説かれていることを説明しました。

大乗仏教の精華である法華経には「譬喩品第三」に
『三界に安きことなし。なお火宅のごとし。衆苦は充満して、はなはだ 怖畏すべし。常に生・老と病・死の憂患あり。かくのごとき等の火は、 熾然として息まず。如来はすでに三界の火宅を離れて、寂然として閑居し、林野に安処せり』
「随喜功徳品第十八」に
『世は皆、牢固ならざること、水沫泡焔のごとし。汝等、ことごとくまさに疾く厭離の心を生ずべし』と説かれていることを紹介。

日蓮聖人の言葉として
重須殿女房御返事」に
『抑、地獄と仏とはいづれの所に候ぞとたづね候へば、或は地の下と申す経もあり、或は西方等と申す経も候。しかれども委細にたづね候へば、我等が五尺の身の内に候とみへて候』とあり、
「四条金吾殿御消息」に
『日蓮が難にあう所ごとに仏土なるべきか。娑婆世界の中には日本国、日本国の中には相模の国、相模の国の中には片瀬、片瀬の中には竜口に、日蓮が命をとどめをく事は、法華経の御故なれば寂光土ともいうべきか。神力品に云く「若於林中 若於園中 若山谷曠野 是中乃至而般涅槃」とは是れか』と述べられていることをお伝えしました。

むすびに「学ぶべきこと」として
『現実を認識することは人生をあゆむ智慧。現実を理解できないことが不安と恐れを生む。地球(宇宙)も一つの生命体、そのはたらきは人智を超えている。人生は災禍に遭遇することが多いと認識する。人生は一切皆苦、思うようにはならないということを識る。災禍と倶に生きなければならないのが人生と覚悟する。健康をはじめ、当たり前に存在するものなどは一つもない。すべての存在は有り難いと知り感謝の心で穏やかに人生をあゆむ。災禍を学びにする覚悟と智慧が大切。予想される災禍に備えはできているか?他者と倶に生きる菩薩道の実践(思いから具体的行動へ)を心がけよう』と所感をお伝えして2月度の法話会を終了しました。
《詳細は相武山だよりのウエブ動画をご覧ください。》

相武山 山主

2023年03月26日