相武山 妙法院のブログです。
7月19日(日)午後、本堂前のサクラの下からいつも妙法院を見守ってくれていたタローが仏さまの元に静かに旅立ちました。タローは甲斐犬特有の強い面構えでしたが、とても気持ちが優しく愛くるしい存在でした。
食欲旺盛でいつも元気いっぱいのタローでしたが、今年の正月前後から不調を来たし、1月から3月末までなじみの獣医師さんに度々お世話になりました。先生にはさまざまな手だてを講じて頂きましたが、4月には消化器系の腫瘍が原因ではないかという結論に至り、「手術もできますが・・・」とのことなので、タローの生命力に任せることにしました。
1月の末と3月の中頃には「もう危ない・・・」という状況が何度もあり、とても心配したのですが、驚くことに4月末頃から眼に力が入るようになり食欲も出てきました。元気な頃と比べるのは酷ですが、食いしん坊のタローですから「食べることは生きること」の言葉どおり、体調不良時の頼りないすがたに比べれば、2ヶ月ほどは足取りも割としっかりとしていました。
足下はおぼつかないながらもしばらくは安定していたタローですが、2~3日前から食欲が衰えて元気がなくなってきましたから、先生から診察治療時に伝えられた「犬の病気の場合、突然に亡くなる時もありますから・・・」という言葉が蘇ってきました。旅立つ前日は軽い散歩はしたものの夕食はまったくうけつけませんでした。そして当日、朝から小屋の前に横になって動かなくなりました。
今年の横浜の梅雨は晴れ間の記憶がないほど雨続きでしたが、この日は天気予報に反して朝から曇り空に時折日が射す天気。サクラの木の前に朝からむしろを敷き、タローにゆったりと横になってもらいました。この日は日曜日には珍しく外出の法務はなく、ご信徒3家族のお参りがあるだけでしたので、さわやかな風が吹くなか、家族のみんながタローと静かなお別れの時をもつことができました。
タローは7年半ほど前にご信徒の戸田さんからしばらくお預かりし、その後、平成27年深秋から私たちの一員に加わりました。人懐こいタローは参詣される多くの方にかわいがられていました。もちろん番犬としても大活躍、野生化したアライグマも数回撃退してくれました。
不思議なご縁に導かれて妙法院にやって来たタロー。とても愛らしい存在でした。法華経の道場である妙法院をお守りする役目を担ったのですから、きっと仏さまの御照覧にあずかり安らかな冥福であることでしょう。
タローありがとう。
相武山 山主
2020年07月24日