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相武山 妙法寺 ブログ

10年目を迎え心新たに

朝から関東の冬らしい青空が広がる19日の日曜日、今年初めての日曜法話会を開催。法話会は未曾有の大災害となった東日本大震災発生直後の平成23年3月が初回でしたから、今年で10年目を迎えます。当山の法話会は『仏教に親しんで頂きたい。仏教とその信仰について正しく理解頂きたい。法華経と日蓮大聖人の教えにふれて頂きたい』と願って開催してきました。参加聴聞頂きたいのは、すでに信仰をお持ちの檀信徒の方々はもちろんですが、どちらかといえば、今まで関心はあっても仏教や信仰にご縁の薄かった一般の方々です。

法話会の開催趣旨は前述のとおりですが、その意味するところは反語の方がわかりやすいかもしれません。『仏教が親しまれていない。仏教や信仰が誤解されている。法華経や日蓮大聖人の教えの真意が伝わっていない』という事実をふまえて、仏教僧の末弟として少しでも現実を変革したい、改善したい、と願って開催しています。

我が国に仏教が伝来して約1500年の時が流れました。現代人にはたしかな認識がないかも知れませんが、仏教は我が国の思想や文化、生活や習俗にも大きな影響を与えています。現代に生きる多くの日本人の思考の底流には仏教思想がながれているといっても過言ではありません。とはいえ、1500年の歴史の中で日本仏教にはさまざまな展開がありました。

近現代の仏教やその寺院・僧侶に対する概念は、江戸時代、徳川幕府の宗教対策と庶民統治政策のもと、檀家制度によって構築されたすがたがそのベースとなっているようです。しかし、時代は大きく変化し人々の意識やライフスタイルも様変わりしています。天皇主権となった明治時代には国家神道思想の徹底のもとに、廃仏毀釈が実行され仏教は衰退の憂き目をみましたし、その後、ことに敗戦後は思想信条の自由や檀家制度の崩壊などが進み、仏教やその寺院を取り巻く環境も大きく変わっています。

日本の仏教は伝来以来、長く為政者の影響下にあり、また、仏教界もその権威や権力を利用したために、その優れた思想性や豊かな人間性を導く仏教本来の教えよりも、権威主義的な仏教となってしまったり、葬式仏教と揶揄される形骸化されものになっています。その弊害に気づきながら改革できない私たち僧侶の努力不足もあり、多くの方々に『仏教はむずかしいもの、お寺や僧侶の存在はよくわからない。お寺や僧侶は近づきにくい・・・・・』というイメージをもたれているのも事実です。

以上のような認識から少しでも仏教に親しんで頂きたいと願って始めた当山の法話会。しかし、単純に仏教に関するお話をすれば良いというものではありませんから、私なりに工夫して一部は世の中の事件や事相をテーマとした「世相」、二部は仏教の歴史や思想や文化などをテーマとした「仏教」、と二部構成でお話しています。どちらかといえば時間的には世相に押されぎみですが、これからもバランスをとって続けてゆきたいと考えています。

法話会ではあれこれと内容を検討して下準備をし、毎回レジュメをつくって臨むので、非力な私にとっては少しプレッシャーです。さらに、間の取り方などの話術も学んだ覚えがないので聞きづらいのではと心配もしていますが、継続は力と信じて心新たに今年も勤めてまいる所存です。

前日と当日の朝、法話会を確認する2本の電話がありました。毎年1月には一年間の開催予定日を地域広報誌のタウンニュース(保土ケ谷区・旭区・瀬谷区)に掲載しますので、その記事をご覧になった方のようです。お問い合わせに気をよくして19日を迎えましたところ、初めて参加された方が6名もおられました。また、正月明けということもあり、ご信徒は15名ほどでしたが、一般の方が20名以上おられて『仏教に親しんでいただきたい』という願いが広がっているようでとてもうれしく思いました。

相武山 山主

2020年01月29日