相武山 妙法院のブログ

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相武山 妙法寺 ブログ

トウモロコシの収穫

当山の北側にはかなり広い農地がひろがっています。今はトウモロコシが収穫期を迎えていますが、四季折々にキャベツやブロッコリー、サトイモやカボチャ、ネギやダイコン、にんじんや菜の花など、各種野菜の栽培が行われています。
この地域の農道はリョーマとタローと私の散歩コースですから、いつも畑の土づくりから収穫までのすがたを間近に見ています。何ごとにも興味津々なので畑の状況視察(?)も散歩の楽しみの一つです。

当然のことながら畑は栽培のサイクルを考えて管理されています。野菜の種まき、植え付けの前には、入念な土づくりが行われ肥料が施されます。肥料よりも土づくりといわれますからこの過程が大切なのでしょう。土の用意ができたところで品種によっては畝立てがなされ、植え付け、種まきとなりますが、防菌や防虫、防草などの対策も疎かにはできません。現代のことですから農作業は当然機械化されていますが、それでも手作業が少ないわけではなく、時折作業に出会うと気軽にあいさつを交わしながらも『たいへんなお仕事だな~・・・』と思っています。

苗の一日一日の成長はわずかなものですが、毎日毎日見ているとそのわずかな成長にも気がつくようになります。一昨日より昨日、昨日より今日と天地自然の恵みをうけ、農耕者の気持ちをくむかのように着実に成長しているのです。
やがて時を迎えての収穫となりますが、規模がそれほどでもないためか意外に手作業です。このような野菜の生育の過程や収穫を間近に見ていると、スーパーで求めるキャベツやブロッコリーなどを『やれ高いの・・・、やれ安いの・・・』と値段ばかりで勝手に語るのも少しはばかるようになります。もちろん、品質の良い野菜を安価で提供いただくことは万人の望むところですが。

何ごとも表に顕れたすがただけで判断するのではなく、その裏に隠れている努力や工夫、汗や思いにも想いを馳せたいものです。

相武山 山主

2020年06月29日

アジサイの彩りが深まり

コロナ禍で落ち着かない日々が続いていますが、自然界は私たち人間の営みに影響されることはあっても、そのダイナミックなシステムにしたがって展開しているようです。コロナ禍の報道が始まった頃にはまだ夜明けも遅く日の入りも早かったのですが、やがて春の彼岸を迎える頃にはかなり陽のさす時間が長くなり、梅雨空にアジサイの彩りが深まる夏至に向かって昼間の時間がぐんぐんと伸びました。

今年の夏至は今月21日でした。夏至は、「夏に至る」という文字からもわかるとおり「この日を境に本格的な夏」という意味です。また、「一年で最も昼の時間が長い日」でもあります。そのことから、太陽の力が最も強まる日ともいわれています。
私にとって日の入りの時間は少し気になります。というのもリョーマとタローの夕方の散歩のためです。前期高齢者の一人としてはできるだけ暗くなっての散歩は避けて明るいうちに行きたいということです。何が起きるかわからないのが人生ですから、できるだけ用心するにこしたことはないという一環です。

ちなみに夏至の反対は冬至。今年の冬至は12月21日です。夏至と冬至の日照時間にはかなりの差があります。参考までに東京では夏至の日の出は4:26、日の入は19:00。冬至の日の出は6:47、日の入りは16:32です。夏至の日照時間は14時間30分程度、冬至の日照時間は9時間45分程度で、夏至のほうが約5時間も長いことがわかります。
これからは12月の冬至に向かって少しずつ日が短くなって行きます。

昼と夜、明と暗、光と闇、世の中のすべては二つの対象から一つの実相を教えています。長短、大小、浅深、高低、生死、優劣、美醜、賢愚、清濁、強弱、是非、始終、有無、老少、男女、苦楽、喜怒、哀楽、幸不幸等々数え上げればきりはありませんが、対比することによってはじめて実相(まことのすがた)が理解されるのです。仏教ではこの実相を正しく知見することがより良く生きるためには大切であることを教えています。何ごとも漫然と見ているのではなく意識して観察することが大切です。

アジサイも日々微妙に彩りを変えて行きます。そのアジサイを愛でている間にもう今年も半分の時が流れて行きました。これからは一日一日陽が短くなってまいります。私たちは再びくり返すことのできない一日一日を歩んでいるのですから、その貴重さを忘れずに悔いのない一日をおくりたいものです。

相武山 山主

2020年06月28日

むごい人種差別の惨劇

5月25日、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで白人警察官が黒人男性のジョージ・フロイドさんの首を膝で8分間にわたって押さえつけ、死に至らしめるという非道極まりない事件が発生して1ヶ月が経ちました。スマホ万能の現代はタイミングが会えばリアルな動画を撮ることが可能で、この事件の様子も生々しくニュースで報じられました。こんなひどい犯罪が白昼堂々と公衆の面前で行われたのですから本当に驚きました。

アメリカではすでにアフリカ系アメリカ人のオバマ大統領が誕生しており、スポーツ界はもちろんのこと各界で有能なアフリカ系アメリカ人が活躍しています。奴隷制度の歴史から根深い人種差別はあるものの、「自由と平等、民主主義と人権」を国民共通の価値観としているのがアメリカだと思っていました。

そのアメリカでこのような犯罪が公然と行われるのですから、人種差別問題はアメリカの深刻な病巣ともいえるでしょう。いつまでもなくならない黒人差別や根深い人種問題。警察官による度重なる理不尽な暴力や権力の悪用に対して“Black Lives Matter”(黒人の命は大切)という言葉と共に抗議活動が起こり、フロイドさんを殺害した警察官が当初免職になっただけで逮捕されなかったことなどから全米各地に拡大。その抗議の波はオーストラリア、フランス、オランダ、イギリスなど我が国も含めて世界中に広がり今も続いています。

欧米ほどではなくても人種的差別意識は我が国でも散見されるのではないでしょうか。一人ひとりが自身を省みることが必要かもしれません。また、差別というのは人種だけではなく、自然的カテゴリー(区分)として「性、年齢、身体的特徴ないし人種、心身障害など」があり、社会的・歴史的カテゴリーとして「出自、民族、国籍、身分、宗教、言語、社会的地位、貧富、職業、学歴、思想など」があります。

今回のアメリカでの人種差別の非道ばかりでなく、世界にはさまざまな差別の闇があることを私たちは認識しなければなりません。フロイドさんの悲劇をけっして無にすることのないよう、今回の悲惨な事件から「差別のもつ罪悪と愚かさ」について学ばなければならないのです。

仏教を開かれた釈尊は「人間の価値や尊さは出自や家柄や職業などにあるのでは無く、その人間の行いによる」と教えられました。当時のインドではカーストという厳格な身分制度の社会でしたが、釈尊は人種や階級による差別を否定。平等主義を仏教の一つの旗印とされたのです。その後興起した大乗仏教では一切衆生の平等が説かれ、すべての人々に差別なく仏道が開かれていることが説かれました。

自由と平等と人権は民主主義社会の基盤であり、差別と平等は大乗仏教の大きなテーマですから、フロイドさんのご冥福を祈りながら、私も現代に生きる仏教徒としてさらに見識を高め行動して行きたいと考えています。

相武山 山主

2020年06月25日

市民の森愛護会の皆さまに感謝

以前このブログでもお伝えしましたが、今春、妙法院に隣接する追分市民の森のサワラの樹が伐採整備され、当山の西側がにわかに明るくなり風もわたるようになりました。
先日、市民の森管理者の関水さんとお会いしましたのでサワラ伐採についてうかがいましたところ『ここ数年、台風や強風などで市民の森も倒木が多く、そのうち、お寺の墓地に倒れることがあったら困るので、追分市民の森愛護会で伐採した』とのことでした。

追分市民の森は谷戸や小川、田んぼや畑、杉木立もあって、田園風景が豊かに広がる里山ですから、旭区ばかりでなく多くの横浜市民に親しまれています。もちろん当山檀信徒の方々も折々に里山の風情を楽しんでいます。
サワラの伐採の理由をうかがい先月末には追分市民の森愛護会の皆さまに感謝と御礼の書状をお届けしました。れからも追分市民の森がより多くの方々に里山のすばらしさを伝える存在となり、森の管理に尽力される愛護会の皆さまが健やかに活躍されることをお祈りしています。

相武山 山主

2020年06月24日