相武山 妙法院のブログ

相武山 妙法院のブログです。

相武山 妙法院

  • HOME
  • 相武山 妙法院
  • お知らせ&行事案内
  • 道の心得
  • 法話会
  • 墓苑・永代供養墓
  • 自然に親しむ
  • 交通のご案内
  • ブログ
  • サイトマップ

045-442-7688

  • ご相談について

〒241-0806 横浜市旭区下川井町1590-1

相武山 妙法寺 ブログ

衣替えの季節

子どもの頃、衣替えは6月の夏衣、10月の冬衣の2回だったような気がしていたが、近年は冬から春へ、春から夏へ、夏から秋、秋から冬という四季に適した衣替えになっているようです。そういえば自分の行動もそうでした。四季の移ろいが鮮明に感じるようになったことと、ものが豊かになり、ライフスタイルの変化がそうさせているのかも知れません。

当山では例年4月の中旬から立宗会にかけて本堂のカーペットを外して畳表にし、合わせて私も法衣を夏衣に替えています。冬の法衣から合いや夏の法衣に着替えるととても身軽になって、ふわっとした着心地に何となく初夏をまとったような気がして、こころも軽くなります。朝夕の勤行も冬の重々しくどっしりと感じる声や響きではなく、多少リズミカルで軽やかな声音に変化した気がしますから、環境の変化は声や響きまで変えることがわかります。

夏の法衣は見た目には薄く涼しげに見えますので、参詣のご信徒より『涼しそうですね・・・』とよく言われますが、法衣のほとんどが化繊ですからさほどに涼しいものでもありません。それでも見た目に涼しげに映るのはひと時の眼福といえるでしょう。

青空に恵まれた昨日29日(水)は境内の植栽の伐採整備や草取り作務を行いました。午前11時前から公共交通機関以外の手段でお出でになった7名のご信徒と一緒に駐車場のレッドロビンや参道の草取りを行い、初夏の涼風がわたる中1時間半ほど汗を流しました。
作務の後は汗を拭って手を浄め、開け放たれた本堂で宗祖立教開宗の御報恩のために読経・唱題を申し上げました。
私より一言立宗会の意義についてお話を申し上げ散会。作務への参加ご協力まことにありがとうございました。

相武山 山主

2020年04月30日

無為に流されることなく

新型コロナウイルス感染防止のために、中国はもちろんのこと欧米でも3月にはほとんどの国が非常事態宣言を発令し、地域や都市を封鎖、人の往来を遮断しました。我が国では1月の下旬から新型コロナウイルスの感染が報じられ、2月初旬には横浜港に入港したクルーズ船での感染模様が連日報道されながら、なぜか4月に入っても緊急事態宣言が発令されることはありませんでした。

特措法の問題があったのかも知れませんが、それにしても今回の政府による感染症対策は、まったくの素人である私から見ても後手後手のように見えます。もちろん、関係者はそれぞれ人智を絞って努力はされているのでしょうが。すべてが遅いという印象です。
4月には中国の習近平主席の訪日が予定され、7月には東京オリンピックの開催が予定されていましたから、それらの延期が決定するまでの時間が必要だったのでしょう。また、経済活動や社会生活停滞への懸念が強かったのかもしれませんし、休業補償など財政への負担をできるだけ回避したかったのかもしれません。
対策が遅いと感じるのは緊急事態宣言の発令ばかりではなく、1月下旬、中国が春節の団体旅行渡航禁止を出したその時から、感染予防対策が開始されてもおかしくないと思うからです。ことは人命に関わることです。感染防止各種グッズの速やかな生産、検査システムや医療体制の準備などは素人でも想像できる対応ではないでしょうか。

政府は4月7日、ようやく緊急事態宣言を発令しました。対象区域は、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県。期間は約1カ月。宣言によって政府は、対象区域の都道府県知事を通じて、住民に必要な場合以外の外出自粛、市民生活維持に不可欠なもの以外の事業の休業、人が大勢集まる施設の使用停止などを要請できるようになりました。この宣言は16日には対象を全国に拡大。期間は前の7都府県と同じくゴールデンウィーク明けの5月6日です。最近の報道によれば期間が延長されるようです。およそ1ヶ月程度でしょうか。

人生でめったに遭遇しないと思われる緊急事態宣言。眼にはみえないウイルスとの戦いは難しく険しいものです。終息も私たちには見通すことなどできません。国家や民族、人種や宗教、文化や習俗を越えて、人類皆で叡智を結集し団結して克服しなければならない課題ですから、一人ひとりが自らに課せられた責任を着実に果たしてまいりましょう。
我慢と辛抱、不安と苛立ちの時間かもしれませんが、無為に流されることなく、「自らの学びのとき、自己の内省のとき、人生を考えるとき・・・・・」としたいものです。

相武山 山主

2020年04月29日

同志の旅立ち

【江戸大道師 霊山へ】
4月17日の早朝、静岡県下田市法円寺住職江戸大道師(73歳)逝去の報せをうけました。前夜、師は突然の心筋梗塞に襲われ、救急対応が間に合わず亡くなられたとのことですが、折からの新型コロナウイルスの影響もあったとうかがいました。時局柄、静岡教区だけで葬儀を執り行うということでしたが、法円寺様とは青年期の頃からのご縁があり、また静岡県と神奈川県の同信僧俗は東海正信連合会として連携。さらに正信会の記録を担当しておられた江戸師とは何かと連絡をとることがありましたので、感染防止対策の外出自粛要請下でしたが、19日の御通夜、20日の葬儀に参列させて頂きました。
荻原昭謙師(応身寺住職)の御導師のもと、有縁僧俗の読経唱題に送られて江戸師は静かに霊山へと旅立って行かれました。

江戸師は日達上人の年分得度1期生として昭和35年春、大石寺で出家得度されました。私は年分得度4期生ですので3年先輩にあたります。師は多芸多才な方で影像や音楽にも造詣が深く、パソコンや映像機器にも詳しい方でした。全国大会の放映ビデオや記録ビデオの制作、正信会諸行事記録のほとんどは法円寺様の労作です。師の遺された各種影像は今後のためにも貴重な資料となることでしょう。

師は下田市法円寺に赴任されて約40年、地元はもちろんのこと下田の地から覚醒運動のために各地を奔走された後半生でした。信仰については堅固な一家言をお持ちの方でしたが、他方、人懐こく優しい方でもありました。2月の初旬頃、今年3月当山で開催予定の東正連の大会についてお話したのが最後の会話となってしまいましたが、穏やかでやさしい言葉遣いが耳朶に残っています。心よりご冥福をお祈りします。

【山﨑潤道師 霊山へ】
今年は江戸大道師の前に二人の同志の方が霊山に旅立たれました。お一人は奈良県五條市妙観院住職の山﨑潤道師(68歳)。昨年の12月30日に逝去されました。師は日達上人の年分得度第5期生として昭和39年春、出家得度されましたので、師は私の一年後輩となります。彼が得度してから昨年末まで長いご縁でした。学生時代や在勤教師時代はそれぞれの在勤寺院が異なりますからさほどの交誼はありませんでしたが、昭和52年に覚醒運動が起こると師も速やかに参画され、その後、一緒に運動に励んできました。

師は大阪府の源立寺執事から広宣寺五條出張所の執事・住職となり、平成7年には本堂を建立し信徒の育成するなど妙法流布に精進されました。師は二十数年もの間、人工透析の治療をうけており、近年、体調不良が続いてましたが、私は逝去される3日目にお送りした相武山だよりの件で病床の師と言葉を交わすことができました。「大山さんありがとうございました。今度は厳しそうです・・・」と語る言葉が耳に残ります。

年が明けた3日の御通夜、4日の葬儀は簗瀬明道師(聖道寺住職)の御導師のもとしめやかに営まれました。私は御通夜は参列できませんでしたが葬儀には参列させて頂き霊山への旅立ちを祈りました。お別れの時に拝見したお顔は、朗らかな性格の山﨑師らしく清々しいものでした。厳しい体調や環境にもめげることなく明るくご奉公された山﨑師。心よりご冥福をお祈りいたします。

【近藤譲行師 霊山へ】
宮城県登米市本源寺の近藤譲行師(74歳)が3月9日逝去されました。近藤師は昭和53年2月、興起したばかりの覚醒運動の最中、富士大石寺門流の古刹である本源寺住職に赴任。本源寺は第三祖日目上人の開基で大石寺よりも歴史がある寺院です。師はこの地で約43年間、覚醒運動に精励されました。

宮城県の北部にあたる登米市は一部因習の残るような土地柄でもありましたが、師は自らの信じた覚醒運動の険しい道を切り拓いて行かれました。まずは自らに与えられた環境のなかで精進するという法華の教えに準じて、登米市宝江新井田の地域に溶け込むことに努められていたようです。したがって地元では信仰の有無にかかわらず師を慕う方々が多いようでした。

私は宮城県北部に在る富士大石寺門流の奥四箇寺(本源寺、上行寺、妙教寺、妙円寺)には何回かうかがったことがありますが、本源寺様にはご信徒と倶に3回ほど参詣したことがあります。その折りには寺族やご信徒の方々に本当にお世話になりました。
師は持病をお持ちでしたが病に負けることなく、お弟子の法行師をよく訓育され、平成29年末には未来の覚醒運動のために本道寺を建立落成されました。

私は翌年6月、東日本大震災慰霊の旅の最後に新築成った本道寺に参詣させて頂きました。その折りに師から本源寺での約40年におよぶご奉公と本道寺建設までの貴重なご苦労をうかがうことができました。ありがたい一時でしたが、今、振り返ればその時が師との最後の面談となってしまいました。
葬儀は3月16日・17日の両日、荻原昭謙師(応身寺住職)の御導師のもと、有縁僧俗によって営まれました。私は法務のため葬儀には参列できませんでしたので、今月6日、緊急事態宣言が発令される前に本道寺に参詣。お弟子の法行師の導師を頂いて供養をささげました。心よりご冥福をお祈りいたします。

【古稀を前にして】         今年になって3ケ月半という間に3名の覚醒運動の同志が霊山に旅立って行かれました。「諸行は無常、会者定離は世の習い」仏門に身を置く者として自ら認め他者に説きながら、人情としてはやはり一分の悲哀を覚えます。しかし、皆さん宗開両祖の門弟らしい僧道を歩まれたのですから満足なさっておられることでしょう。
私とて古稀の手前ですから旅立たれた諸師と年齢の差はありません。寿命は誰にもわかりませんから、今日一日の命の営みを大切にするとともに、できるだけ迷惑をかけぬよう準備をして、霊山に迎えていただけるよう信仰を深めて行きたいと思っています。

相武山 山主

2020年04月28日

正信会HPオープン

4月28日の立宗会を期して宗教法人正信会のホームページがオープンしました。宗教法人正信会は富士日興門流の再興を願う正信覚醒運動を推進するグループです。覚醒運動は日蓮大聖人の教えや日興上人の御精神が迷乱してしまった近現代の大石寺門流を、宗開両祖本来の教えと信仰に立ち返ることを願う運動です。当山もその趣旨に賛同して参画しています。

正信会の理念や立ち位置を伝える窓としてのホームページ企画は数年前から検討されていましたが、昨秋より具体化してようやく春4月、陽の目を見ました。関わった者としてはホット一息というところです。このHPから私たちの理念や思いを述べると倶に宗開両祖の教えと信仰を少しでも伝えて行ければと願っています。
きれいなホームページが誕生しましたが、これからさらに内容の充実に努めて行きたいと考えていますので、檀信徒の皆さまにはご意見をお寄せください。

URLはhttps://www.syo-shin-kai.com です。

相武山 山主

2020年04月28日

三密を離れた静かな法華の寺で

檀信徒の皆さまには相武山だよりや行事予定表でお伝えしていますが、新型コロナウイルス感染防止のために4月と5月の当山(妙法院)の法要行事は寺内で執り行うこととして、参詣の自粛をお願いしています。ことに公共交通機関を利用しての参詣はご遠慮ください。

当山において毎月執り行われる月例行事は1日のお経日(朔日、その月の第一日)と、13日の御講(宗祖日蓮大聖人のご命日忌報恩講)です。当山開創以来この二日を月例行事の中心として続けてまいりました。また、現本堂落成後は1月から11月まで毎月日曜法話会を開催しています。此の月例行事に御会式やお正月、春秋の彼岸会やお盆など年中の主要行事が組み込まれます。当山ではこれらの法要や行事の執行をとおして仏法の護持と伝承に努めていますから、御信心の篤い檀信徒の方々はそれぞれの意志に基づいて参詣を心がけ信行錬磨の機会としています。

とはいえ、高齢となったり体調が優れなければ参詣したくても思うようには参りません。誰もが老化や不調はまぬがれませんから、置かれている環境のなかで信行を磨かれることが貴いと思うのです。法華経と日蓮大聖人の教えを人生のともしびとされる当山のご信徒には、それぞれの法要行事に合わせて自宅の御本尊様に供物を供えられたり、近況を知らせる手紙やご供養を当山にお届けになる方も居られますし、『手紙が書けないので電話で失礼・・・』といわれる方も居られます。法華の信仰は環境も才能も選びませんので、できることをできる範囲で修行(おさめ)れば良いのですから、かたちを調えることも大切ですが、かたちばかりにとらわれることなく、伸び伸びと信行を愉しんで頂きたいと思います。

新型コロナウイルス感染防止には「三密に注意」といわれています。三密とは密閉、密集、密接のことで、換気の悪い空間、多人数が集まる場所、間近で会話や発声をすることをさします。すぐに、同信の僧俗が菩提寺に寄り合い、皆で法華経を読誦し、お題目を唱えて御書を拝読する私たち法華のお寺は三密の対象であることがわかります。

しかし、環境も才能も選ばない法華の信仰ですから、どのような環境でも工夫を凝らして法華を学び行じ信仰を深めることは可能です。新型コロナウイルスの感染対策で混乱する世相にあるからこそ、平常時と異常時の違いを理解して、今の時に適った信行と生活を送りたいと思います。

新緑がまばゆい横浜市北西の山里、三密を離れた静かな法華の寺で、朝夕、疫病の退散を御仏大聖人に祈念し、古今東西の歴史から今回のパンデミックを越えた後には、さまざまな分野において大きな変化があるだろうことを思惟しています。

相武山 山主

2020年04月27日