相武山 妙法院のブログ

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相武山 妙法寺 ブログ

サクラに時ならぬ雪

科学の発展と共に天気予報の正確さが増している現代、その予報どおり29日(日)の横浜は朝から小雪が舞い始め、横浜のチベットのような当山では次第に激しくなり、みるみるうちにすっかり雪化粧してしまいました。この冬はまれに見る暖冬で、冬を感じる前に春が来てしまったと思っていましたから季節の急変に驚いています。

このようなところにも地球温暖化の影響が出ているのでしょうか。そういえば子どもの頃からの感覚では、花が咲くのには順番があったように思っていましたが、近年、春の花樹や野花の開花の順序が微妙にずれているような気がします。また、花が咲くのと新緑が萌え出すのがダブるようになり、季節の移ろいが変化しているのではと心配にもなります。

例年より早く17日の春の彼岸の入りに開花した本堂前のソメイヨシノは、この週末の28日、29日に満開を迎えるばかりでした。当山の対面にある追分市民の森、南側斜面のサクラは当山のサクラよりも早くほころび始め、今が盛りといったところです。当山の墓苑からは波打つようなソメイヨシノの姿を楽しむことができます。市民の森を散策されている方々からも『きれいだね~ はるだね~』という声があがっています。ウエイヴするように植樹されたサクラは、約14年ほど前の平成18年頃に植えられたものです。これからも長く森を散策する方に愛でられることでしょう。当山の墓苑からもみごとな眺望で有り難いかぎりです。

頭上のサクラは盛りをむかえ、足下を見れば可憐なタンポポやスミレ、レンギョウやヤマブキまで咲き誇っていますから、春を楽しみながらご参詣くださいとお勧めしたいところですが、世上は新型コロナウイルス感染防止対策一色で、外出自粛要請も出されていますから、無責任にお勧めはできません。全世界的な感染防止をめざさなければならない事態ですから、一人ひとりが自らのできる防止策を講じて、できるだけ速やかな感染の終息を祈りましょう。

相武山 山主

2020年03月29日

クラスター三条件に配慮

新型コロナウイルス感染防止のために三つの注意事項が出されています。クラスター(感染集団)への防止対策ですが、「換気の悪い密閉した空間、多人数の密集した集会、密接な距離での会話や発声」です。
寺院で執り行われる法要はこの三つの条件をすべて揃えているといえるでしょう。したがって厳密に対応しようと考えれば、寺院での法要や行事はすべて中止しなければならないと思います。そこで当山では3月の行事案内にて『法要は寺院で粛々と執り行いますが、参詣は無理をされないように』とのご案内をしました。

従前から高齢や体調不良で参詣できない方からは追善供養の希望が郵便で寄せられていましたが、今年は新型コロナウイルス感染防止のため、参詣を迷われていた方々からも郵便に切り替えての供養がなされました。どのようなかたちであれ、ご先祖有縁精霊への追善の想いは尊いものであり、霊山にやすまれている諸精霊もきっと喜ばれていることでしょう。

例年ですと春のお彼岸は花樹や野花の開花に誘われてにぎやかになるのですが、今年はとても静かな風情でした。当山墓苑への参詣は朝から夕方まで常に自由ですので、17日の入りから23日の明けまで三々五々ご家族や有縁の方々がお参りされました。それぞれ自由な時間に本堂の御本尊様に参詣。事前に申し込まれていた御塔婆が建立されている精霊壇にてお焼香。その後、御塔婆を墓所に持参されてのお参りです。また、一般の方々も各自墓所を浄めてから香華を手向けられて合掌。永代供養墓久遠廟にも有縁の方々が次々に真心こめてお彼岸の供養をささげておられました。

20日と22日の両日に執り行った春季彼岸法要では、参詣の檀信徒の皆さまとともに、献膳、読経、焼香、唱題と如法に奉修申し上げました。もちろん、換気に配慮し、参詣者の方は距離を開けて着席、読経・唱題の声も抑え気味の法要です。
法要後には妙心尼御前御返事を拝読。
この御書は身延の日蓮大聖人に御供養をお届けになった妙心尼に対し、夫高橋六郎入道の病気について激励された御返事。
宗祖が高橋六郎入道の病について、『御仏は並ぶ者なき名医で有り、また、妙法蓮華経は不死の良薬である旨を述べ、「人の死ぬることは病によらず」「病あれば死ぬべしという事不定なり」と励まされていること。さらに諸行無常を身近に覚える鎌倉の時代、病と死について率直に述べられると共に、仏法という永遠の救済を深く信じて病と向き合うことの大切さを教えている』ことをお伝えしました。

次下の「病は仏の御はからいか」「病ある人 仏になるべきよし説かれて候」「病によりて道心はをこり候か」との御文はとても重要なご教示です。
『病を御仏のはからいと思えるのは、人間の能力や人生への限界を知ることによって、まことの人生の有り様を考える機縁となること。病や悩みや苦しみを覚える人こそ、自身におごることなく仏への道を歩むことができること。病など諸行が無常であることを自覚して、仏道に対して謙虚な心を持つことができるようになり、やがては永遠なる幸いの道(仏道)を求めることができる』ことをお伝えして彼岸会の法話としました。

相武山 山主

2020年03月27日

未知との遭遇

3月の日曜法話会は15日の予定でした。新型コロナウイルス感染防止のため、イベント・集会自粛要請中でしたが、『参加者はそう多くはない、換気に留意し、席を離して対応』と判断して開催。参加者は18名でした。

法話会、世相のテーマは「未知との遭遇」。このテーマの未知とは未だ正体の明らかではない「新型コロナウイルスとその感染拡大について」ですが、仏教的な視点からは「人生は常に未知との遭遇である」ことを意識してほしいと願ってのネーミングです。というのも、仏教の基本として説かれる「諸行は無常、あらゆるものは変化して止まない」に照らしてみれば、私たちの肉体も精神も日々変化していますし、周囲の環境や諸事象も常に変化しているのです。厳密に見つめてみればまったく同じ状態にある事物は一つもないことがわかるでしょう。

子どもがある日突然大人になるわけでもなく、高齢者が突然に老いたわけでもありません。一日一日の成長、一日一日の老化、その変化が現状をもたらしているのです。眼前の事物事象のすべては流動性の中に存在するものであり、私たちが判断している現状はその一端を切った断面であると表現することができます。そう考えれば実は毎日が未知との遭遇といえるでしょう。ただ私たちが意識していないだけ、意識できていないだけのことです。
難しいことはひとまず置いて、そのような仏教的視点をベースに今回の法話会では所見を述べました。

新型のコロナウイルスの発生とその感染というテーマは2月も取り上げましたが、発生源といわれる中国から近隣のアジア諸国への感染が拡大。さらにイランやヨーロッパやアメリカでも爆発的に感染が広がり、WHOもパンデミック宣言を出すに至り、我が国でもさらに深刻な状況が予想されていること、また、何ごとも比較検討しなければその是非・優劣はわからないことから、隣国台湾の対策を紹介して比較してみることにした次第です。

はじめにパンデミックが感染症の全国的・世界的な大流行を意味すること。次にペストやチフス、コレラやスペイン風邪、近年のサーズやマーズなど世界的パンデミックの歴史について概要を説明しました。WHOは3月11日にようやくパンデミックを宣言しましたが、私はもちろんまったくの門外漢ですが、その危険性を熟知しているはずのWHOの対応は、1月に遡る感染流行時からすでに後手後手と感じていました。中国に配慮しているのか、危険性をあおることを危惧しているのか、よくわかりませんが対策への疑問をお伝えしました。

続いて、新型コロナウイルスは感染力が強く、国や地域によっては致死率も高く、有効薬がなければ長期化の恐れがあること、感染の爆発的拡大によっては医療崩壊の危険もあることを紹介。また、すでに経済的・社会的に影響が出ていますが、今後より深刻な事態が予想されるので、政府行政は適切な対策を迅速に講じなければならないことを求めました。

次に2月頃から一部メディアやネットの報道で気になっていたのは台湾の感染症対策でしたので、ジャーナリストの西岡省二氏がアメリカのNBCテレビ(電子版)の記事をもとに3月12日に発信した内容を紹介しました。
『まず、昨年末から1月末にかけての迅速で適切な対策が講じられたこと。次に対策の厳格さによって水際対策が功を奏したこと。マスクなどの供給適正化を実行し社会的混乱を回避したこと。政府はメディアを活用して感染状況を適切に広報し、併せて手洗いやマスク着用など感染防止の具体的な周知に努めたこと。

台湾の対策が的を射ており、人心と社会の大きな混乱を回避できているのは、2003年のサーズ感染拡大によって犠牲者を出したことの教訓から、アメリカの疾病対策センター(CDC)を参考にした防疫の司令塔機関「国家衛生センター(NHCC)」を設置したこと。また、常時、中国との緊張関係にあり、非常事態について政府と国民双方に高い意識が共有されていたのではないか。』と記事を要約してお伝えしました。
さらに参加者の皆さんにはより実態を知って頂きたく、参考資料として「プレジデントオンライン」を提供しました。

最後に学ぶべきこととして、『眼前に起きていることは事実という認識が大切。人生は常に未知との遭遇(諸行は無常であるがゆえに)。諸行無常の日々は毎日が「プチ未知との遭遇」。眼前の未知との遭遇から何を学ぶのかが問われている。グローバリゼーションの現実。国や地域、人種や宗教を越えて地球は一つであるという現実を教えるパンデミック。各国や各地域の対策を比較検討して未来への糧とする。悲観と楽観に偏らず、慎重さと柔軟さのバランスを崩さないように注意する。今回のパンデミックから、より多くの人が学びを得ることが大切。学んだことを人生に活かそう。』との所見を述べて3月度の法話会を結びました。

相武山 山主

2020年03月25日

明るくなった参道

相鉄線三ツ境駅から当山への参詣には北口から若葉台行きのバスに乗って来られる方が多いと思います。矢指町のバス停から妙法院に上る階段までは3分~4分ほどですが、見上げる階段が結構急で一段ごとの高さがたかいことから難儀に思う方も居られることでしょう。

この参道の北西側は「追分市民の森」で杉やサワラが植樹されています。杉やサワラが密集していることもあって、薄暗い上に雑草が階段や参道まで生い茂り、かねてあまり環境の良い道ではないと案じていました。この道は当山の墓苑新設時に妙法院が整備して横浜市に寄付したものですが、横浜市も積極的に管理するわけではありませんし、隣接する市民の森も整備が十分に行き届いているわけではありませんから、境内の整備清掃の折りに適宜きれいにする程度しか打つ手がありませんでした。

2月下旬から突然この市民の森の樹木伐採が始まり、参道となる階段と道がぱっと明るくなり青空がのぞくようになりました。近年の台風や強風で倒木が多かったことや森の整備の必要性があったのでしょうか。理由はよくわかりませんがバスで当山にお出でになる方々にとっては気持ちの良いことでしょう。

境内南西の雑木林では長く河津ザクラが咲いていましたが、今は大きく枝を伸ばしたソメイヨシノが三分咲き、コデマリが春の陽射しを浴びています。間もなくシャクナゲが大きな赤い花を咲かせることでしょう。眼の前の自然の営みをみつめていると、一切の事物事象が妙法のはたらきによって生かされていることが実感できます。少しでも良い環境の維持に努めて行きましょう。

相武山 山主

2020年03月23日