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相武山 妙法寺 ブログ

御誕生会と三つの大事

16日(日)日曜法話会に引き続き宗祖誕生会を執り行いました。お祝いの赤飯で献膳を調え、参詣の皆さまと倶に献膳、読経、唱題と如法に奉修。その後、報恩抄を拝読。末法の法華経の行者である宗祖のご誕生には深い意義があることを述べ、以下、日蓮大聖人の教えの根本となる三つの大事についてお伝えしました。

報恩抄には
『問うて云く、天台伝教の弘通し給はざる正法ありや。答ふ、有り。求めて云く、何物ぞや。答へて云く、三つあり、末法のために仏留め置き給ふ。迦葉・阿難等、馬鳴・竜樹等、天台・伝教等の弘通せさせ給はざる正法なり。求めて云く、其の形貌 如何。答へて云く、一つには日本乃至一閻浮提一同に本門の教主釈尊を本尊とすべし。所謂 宝塔の内の釈迦・多宝・外の諸仏並びに上行等の四菩薩脇士となるべし。二つには本門の戒壇。三つには日本乃至漢土月氏一閻浮提に人ごとに有智無智をきらはず一同に他事をすてて南無妙法蓮華経と唱ふべし。
此の事いまだひろまらず。一閻浮提の内に仏滅後二千二百二十五年が間一人も唱えず。日蓮一人南無妙法蓮華経・南無妙法蓮華経等と声もをしまず唱ふるなり。例せば風に随ひて波の大小あり、薪によて火の高下あり、池に随ひて蓮の大小あり、雨の大小は竜による、根ふかければ枝しげし、源遠ければ流れながしというこれなり。周の代の七百年は文王の礼孝による。秦の世ほどもなし、始皇の左道なり。
日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし。日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり。無間地獄の道をふさぎぬ。此の功徳は伝教・天台にも超え、竜樹・迦葉にもすぐれたり。極楽百年の修行は穢土一日の功に及ばず。正像二千年の弘通は末法の一時に劣るか。是れはひとへに日蓮が智のかしこきにはあらず、時のしからしむるのみ。春は花さき秋は菓なる、夏はあたたかに冬はつめたし。時のしからしむるに有らずや。』
とあります。

すなわち、法華本門の南無妙法蓮華経こそ久遠の妙法であると覚知された宗祖は、仏道を成ずる戒定慧の三学にならって、一切衆生の成仏を顕す法華本門の妙法曼荼羅を本尊(定)とし、この曼荼羅本尊に仏法のすべてがそなわると深く信じ(戒)、法華本門のお題目を心口意の三業にわたって唱える(慧)ことこそ、末法の成道への信行であると教えられたのです。この法華本門の本尊、法華本門の戒壇、法華本門の題目が日蓮大聖人の遺された三つの大事であります。

以上をお伝えして誕生会(たんじょうえ)の法話としました。
明年は宗祖ご誕生800年を迎えます。

相武山 山主

 

 

 

2020年02月29日

一花開いて春を知る

2月の日曜法話会は16日(日)、雨の中での開催でした。午後からは日蓮大聖人のご誕生会(たんじょうえ)のため、一般の方よりも信徒の方が多く参加聴聞されました。世相のテーマは「諸行は無常」ー新型コロナウイルスの感染流行ーでした。

中国湖北省から発生したといわれる新型コロナウイルスの感染流行がテーマ。始めに医療検索サイト「メディカルノート」から2月初旬の「概要、原因、症状、検査診断、治療」などのデータを紹介。専門的知識はまったくありませんが、まだまだその正体もつかめず、検査や治療にも苦慮している状態であることを解説。

その上で、「あらゆる事物事象は移り変わるもの、変化を受容しながら普遍の真理を知ることが大切」「人生、いつ、どこで、何が起こるかわからないという認識の重要」「課題には目を逸らすことなく前向きに取り組むことが大切」をお伝えしました。

ポイントとしては「一葉落ちて天下の秋を知る」「一花開いて春を知る」との言葉から、わずかな前兆を見てその後に起こる大事を察知することの大切さを述べ、中国武漢市でいち早く新型ウイルスの発生に気づき警鐘を鳴らしながら、警察による不当な扱いを受けた上に、2月7日、新型コロナウイルスの肺炎によって逝去した李文亮医師の病死について解説しました。

我が国の政府の対応や情報発信は乱暴で丁寧ではないとみえることから、法話会では新型コロナウイルス感染流行の動向全般についてつたない所見を述べ、本当に国民の安全と安心が護られる態勢をとってほしいと望みました。

世相が長くなってしまいましたが、その後、昨秋から積み残しの「鎌倉仏教、日蓮と法華宗(3)」についても、そのポイントをお伝えしました。しかし、駆け足でしたので来月15日の法話会で再度丁寧に学び直したいと思います。

相武山 山主

 

2020年02月29日

日本人の「仏壇離れ」

今月初旬、「日本人の仏壇離れ」という記事をネットで目にしました。そこでは、「最近は仏壇を置く家が少なくなったといわれています」とことわり、手土産を仏壇に供える行為についての意見が展開されていました。

『祖父母や父母から「いただきものは、先に神棚や仏壇にお供えしてからいただく」と教えられた人もいれば、「持参する側としては、中身も確認せずいきなり仏壇にお供えというのはちょっと抵抗あり」という意見もあります』ということでした。その上、『確かに、仏壇にお供物をしたからといって、実際にご本尊やご先祖が食べるわけでもないし、水がないからといって喉が渇いたと訴えるわけでもありません。文化の違い、考え方の違いと言ってしまえばそれまでですが、いただいたものをそのまま仏壇へお供えするという行為、現代人はどのように捉えているのでしょうか』と疑問を呈しています。

頂戴した手土産を仏壇に供えることへの意見ですが、ここでは弔問に訪れた時のことではなく、一般的な訪問での一コマという設定のようです。昭和の時代に教育をうけてきた私たちの世代では当たり前のことで、信仰はなくても仏壇があれば、「まずご先祖様に・・・」という姿が一般的でした。まして、仏教を信仰する私たちは「まず、御本尊様にお供えしご報告・・・」というかたちになります。今現在も私などはその姿勢に変わりはありません。

時代の変遷によって意見や価値観、ライフスタイルが大きく変化するのは世の常ですが、「変えた方が良いこと、変えて良いこと、変えなければいけないこと、変えてはいけないこと」があると思います。思想信条の自由が保障されている現代では、当然、その判断は個々の見識によるものです。
したがって、頂きものを仏壇に供えることは頂いた方の意思であり、その姿を見て持参した方が肯定的に捉えることも否定的に捉えることも自由です。これは誰もが理解していることですが、ネットで取り上げられたのは時代によって価値観が変わることの一つのテーマとみられたのかもしれません。

現代は価値観の多様性がうたわれ強調される時代ですから、まずは自分自身が「なぜそのように考え、なぜそのように行動するのか」という問いに答をもつべきだという意見かもしれません。しかし、言葉や理屈で説明できなくても「親や友達など信頼する人から教えられたから。そのようにすると良いと思えるから。心地よいから。」でも良いのではないでしょうか。

一般的に「仏壇は位牌をまつるもの」と誤解されている向きもありますが、そもそも仏壇は仏教信徒が信仰する菩提寺の御宝前をシンプルにまとめて自宅に再現したものです。信仰の証としての御本尊を安置し、仏具を調えて朝夕信行をささげる尊い信仰の空間なのです。もちろん、そこはご先祖を敬い供養する世界ともなっていますが、基本は仏法の御本尊をお祀りする世界です。

仏さまとその教えによって人生を支えられ護られていると信じる仏教者は、自らは仏さまと倶にあると信じていますから、自らに頂戴した頂き物をまず仏さまにご披露して報告申し上げ、家族を見守っておられるご先祖にも報告しているのです。そこには自分自身が仏法によって支えられ、ご先祖の命を受け継いで存在していることが無意識に表現されているのです。

相武山 山主

 

 

2020年02月28日

慢性渋滞が緩和するかも・・・

当山(妙法院)は横浜市を南北に貫く保土ヶ谷バイパスと、横浜市北部を東西に走る中原街道の交差する下川井インターに隣接しています。東名高速の横浜町田インターまでも車で5分とかかりませんから、交通利便性が高いといえます。利便性が高いのは有り難いのですが、何ごともコインの表と裏、プラスはマイナス、マイナスはプラスで、道路の渋滞に悩まされています。

交通量日本一といわれる保土ヶ谷バイパスは一日中渋滞のおそれがあり、事故などが発生すれば通過時間が読めません。ことに当山近接の下川井インターでは、朝の6時半頃から8時過ぎまでは身動きがとれないほどで、朝の行動には注意を要します。この混雑は首都高速「横浜北西線」が完成しないと緩和しないだろうと考えていましたが、その新線がようやく来月に開通することになりました。

ネットでは『保土ヶ谷バイパスは、横浜新道や横浜横須賀道路、首都高K3狩場線と、東名高速の横浜町田ICを連絡する道路です。横浜市街地と東名だけでなく、東京都心部と東名を結ぶルートの迂回路としても機能しており、2015年度の国土交通省「道路交通センサス(全国道路交通情勢調査)」では、横浜市旭区内で平日昼間12時間あたりの通過台数が10万8571台と、全国1位の交通量を記録しています。渋滞区間としても全国屈指の道路ではありますが、2020年3月には大きく変化するかもしれません。東名の横浜青葉ICと横浜市街地を結ぶ首都高「横浜北西線」が開通することで、保土ヶ谷バイパスの交通がそちらに分散され、渋滞の緩和が見込まれています。』という情報がながれています。

当山参詣の皆さまには保土ケ谷バイパスなど近隣道路の渋滞でご苦労をおかけしていますが、来月の首都高速「横浜北西線」の開通で少しは渋滞が緩和されるのではないかと期待しています。

相武山 山主

2020年02月27日

興師会(せり御講)に思う

2月7日は日興門流の開祖日興上人の祥月のご命日忌。当山では一週間前の1日(土)のお経日に併せて興師会(せり御講)を執り行いました。例月1日のお経日は御信心の篤い信徒が10名から15名ほど参詣されますが、この日は土曜日で興師会を併せての御経日となったためか、いつもより多くのご信徒が参詣されました。日興上人が好まれたと伝えられる清々しい芹を御宝前にお供えし、参詣の皆さまと倶に法華経要品を読誦、南無妙法蓮華経の唱題と如法に御報恩申し上げました。法要後には私より興師会の意義についてお話を申し上げ、続いて興厳房が妙風新聞の「御心を拝して」を拝読して法話をさせて頂きました。

弘安五年(1282)日蓮大聖人はご入滅にあたり六人の高弟を定められ滅後の弘通を遺命されました。弁阿闍梨日昭、大国阿闍梨日朗、白蓮阿闍梨日興、佐渡公日向、伊予公日頂、蓮華阿闍梨日持の六老僧です。現代に日蓮大聖人の教えと信仰を護持伝承する教団は、伝統のある教団から新興宗教的教団までさまざまに存在しますが、源流をたどればすべてこの六老僧に帰着するといって過言ではありません。

同じく日蓮大聖人より教えを受けたにもかかわらず、その滅後に教義の理解と展開の在りように差異が生じてしまったことは残念ですが、他面、個々の資質や環境によって教えの受用が異なったことはやむを得ないことかもしれません。宗教の世界では「帰依した信仰こそが正しい」と信じて人生の燈明としますから安易な妥協などできませんが、もとより人は一人ひとり資質や能力、気性や感性、自然環境や人的環境まで同じという人はいませんから、差異が生じることは一面自然であるといえるでしょう。
視点をちがう分野に広げて、学問や芸術、文化や伝統の世界を観ても理解できることです。大切なことは自らが主張するように他者にも主張があるということであり、どのような合理性をもって自らの意志を確立しているかということではないでしょうか。

私たちはそれぞれの機縁によって日興上人の教えと信仰を受持していますから、日興門流の末弟であり、その教宣の地となった富士にちなんで古来自他共に富士門流と称してきました。法華経と日蓮大聖人への信仰を持つ僧俗は現在一般的には日蓮宗と呼ばれることが多いのですが、この名称が広く認知されるようになったのは、本末制度や檀家制度などによって徳川幕府の宗教政策の一環にとりこまれた江戸時代からいえるでしょう。
日蓮大聖人は自ら「日蓮宗」などと名乗ることはなく、「法華宗」と名乗っておられましたから、門下上代は各門流は法華宗と名乗り、法華宗○○門流と称していたようです。ただし、法華宗といいますと天台法華宗も存在していますから、天台宗との違いを示すため日蓮法華宗と称したり、日蓮党と呼ばれることもあったようです。

さて、日蓮門下諸門流には当然各々の教えと信仰があります。しかし他宗同様、宗教や信仰への意識がうすい檀信徒の方々は『昔からの菩提寺だから・・・』ということで、その信仰の内容を問うことはあまりないようです。これは実にもったいないことです。宗教や信仰、ことに仏教は冠婚葬祭やひとときの気休めのためだけにあるのではありません。迷い悩む人生の燈明となり、日々の精神を磨き調え、真実の自己の確立に大きく寄与するものなのです。したがって、何らかの機縁によって法華経や日蓮大聖人の教えにふれたならば、やはりその内容を少しでも学び功徳を積んでほしいと思うのです。

せり御講(興師会)は当山開創の佳日。法会では他門流のことはともかく、私たちは日興門流の末弟であることを自覚して、これからも真摯にその教えと信仰を探求して行きたいと誓願しました。

相武山 山主

2020年02月26日