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相武山 妙法寺 ブログ

寒中に故人を偲ぶ

当山境内西側の雑木林では早咲きの河津サクラがピンクの華を開いて春の訪れを告げています。バスでお見えの方は急な階段を上りながら楽しまれているのではないでしょうか。

昨日はその桜の小枝を頂いて受付に飾り飯田さん兄妹をお迎えしました。お二人は先月逝去されたお母様の七七日忌法要を営み、当山に在る飯田家の墓所にご遺骨を埋葬するためのご参詣。お母様は1月14日90歳を一期としてご逝去。遺された兄妹が故人の意志を尊重して18日と19日の両日、当山の客殿で親族だけの真心あふれる葬儀を執り行いました。昨日は少し寒さの残るなか、御宝前に供物をそなえ、精霊壇には七七日忌の塔婆を建立して、厳かに法華経要品を読誦、南無妙法蓮華経のお題目をお唱えして追善供養のまことをささげました。信心深かった故人は生前、家族や有縁の方々の無事息災を御本尊に祈られていましたが、今は子どもさんが心を込めて故人の冥福を祈られるのですから、仏縁によって人間性が深められることを実感したいへん有り難く思いました。

所属檀信徒の少ない当山では毎月の法事などは多くありませんが、この冬は少し続きました。1月19日に山村政子さまの13回忌、1月14日には佐々木守さまの7回忌、2月2日には関根サダさまの13回忌、2月9日には川利子さまの七七日忌、2月10日には奥田昌徳さまの17回忌、それぞれ故人との縁(えにし)に思いを寄せる遺族によって営まれました。

仏縁のもとに生者と死者が互いを思いやる心をかたちに顕すのが法事です。「信仰など不要」「仏事など不要」という方々も少なくない世相であるからこそ、仏道の功徳を回向された故人はきっと喜ばれていることでしょう。

相武山 山主

2019年02月28日

明後年は宗祖ご生誕800年の佳節

17日午前11時の日曜法話会に引き続いて午後1時からは日蓮大聖人の誕生会(たんじょうえ)を奉修しました。宗祖は貞応元年(1222年)2月16日、房州の片海にご誕生と伝えられています。法華経の行者として歩まれたその御一生は、末法を意識する者にとっては劣悪の下根下機を救済する末法の仏のお振る舞いであります。
私たち日蓮門下宗祖のご出世とご化導によって、たしかな末法の成仏への道に教導頂いたのですから、毎年2月16日にはそのご誕生をお祝いいたします。
法会の御宝前には供物をお供えし、参詣の檀信徒の皆さんと心を一つにして、法華経要品の読誦、南無妙法蓮華経のお題目を唱えて、真心からの御報恩を申し上げました。

法要後、門祖日興上人への口伝とつたえる「産湯相承事」の冒頭部を拝読。末法の法華経の行者のご誕生についての伝承について述べました。なかでも宗祖讃歎のための口伝や伝承と、確かな御遺文や御事跡などとの立分については注意が必要であることをお伝えしました。「贔屓の引き倒し」や「我田引水」となって、かえって宗祖の威徳を損なうことをおそれるためです。

明後年は宗祖のご誕生800年の佳節を迎えます。(宗)正信会では「ご生誕800年、恋慕渇仰の信心で」と掲げて精進することを誓願しています。妙風新聞では『大聖人さまへの想い』を企画。僧俗それぞれが仏縁を自覚して宗祖への想いを、手紙やメッセージ、詩や短歌俳句、絵や画像で表白しようというものです。心で想っているだけでも尊いことですが、何らかのかたちに顕して宗祖のご生誕800年を慶祝することにも意味があります。
妙風新聞編集部からの企画趣旨を説明し、参詣の方々に積極的なご協力をお願いしました。

相武山 山主

2019年02月28日

悲惨な児童虐待

寒さを感じる中にもリョーマとタローのハウスの南東側では白梅が咲き誇り、馥郁とした梅の香が境内にながれてきました。寒さも少し緩んだ気がする17日は2月度の日曜法話会。本堂には一般の方と檀信徒の方がほぼ同数。しばらくぶりの方もいらっしゃいましたのでうれしく思いました。それぞれ体調や都合がありますからこれからも気軽に足を運んで頂きたいと思っています。

今月の世相のテーマは「悲惨な児童虐待」でした。
1月24日、千葉県野田市で小学校4年生の栗原心愛(みあ)さん(10歳)が父親による虐待で死亡した事件を中心に、近年しばしば報道される児童虐待について所見を述べ皆さんと一緒に考えました。
はじめに栗原心愛(みあ)さんの虐待事件の概要をメディアの報道を中心に説明。虐待した父親と黙認した母親の実態、心愛さんの生活アンケートへの回答、児童相談所や教育委員会、学校関係者などの言動について解説し、あまりに悲惨な虐待と関係者の不適切な対応を指摘しました。
続いて昨年春、東京都目黒区のアパートで、船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5歳)が虐待により死亡した事例を説明。結愛ちゃんが書いた「もうゆるして」という文章を読み上げながら、悲惨な虐待について近年頻繁に繰り返される児童虐待の悲惨さをお伝えしました。

児童虐待については児童相談所が対応した統計で、平成28年度でおよそ12万件。最も多いのが心理的虐待のおよそ6万3千件。身体的虐待およそ3万2千件。育児放棄などのネグレクトおよそ2万5千件。性的虐待およそ1600件。年々増加傾向にあり、警察の発表では児童虐待で逮捕となるのは年1000件ほど、被害児童はおよそ1100人で60~70人が死亡と報告されています。

法話では、「児童虐待を許さない」として、『赤子であっても基本的人権として尊重されなければならない。子どもは親の所有物ではない。児童虐待は社会全体で対応すべき問題。悲惨な事件・事故を防ぐためにもみんなで子どもたちを見守る意識と行動が必要。』であることを述べました。

また、この事件から学ぶべきこととして『仏教では十界具有を説くようにすべての人間には善悪の心が内在している。事件やテロ、戦争などから人間のもつ残虐性を知る。さまざまな縁によって自身の内面が引き出されるから善悪の縁が大切。虐待した親も救われるべき存在であることを知る。親も救いを求めている場合がある。人生はすべてが学び、犠牲となった子どもたちのためにも、より良い子どもたちの環境を整えるために努力しよう』と所見をお伝えしました。

続いては法話会のメインテーマ「続・日本の仏教 ー鎌倉時代の仏教ー」。参考テキストの「仏教へのいざない ー青少年のための仏教入門ー 」より鎌倉仏教を概観。『鎌倉時代に入ると中心が京都から鎌倉に移り地方が発展。武家階級が誕生し新しい勢力が交流。社会の変動に応じて仏教界でも新しい動きが生じた。そこには二つの方向性。一つは原点に回帰し戒律の復興と禅の実践を求める方向。もう一つは旧来の仏教と袂を分かち新しい仏教を模索する方法。一つめの方向は宋の影響を受け南都での戒律復興運動や臨済宗と曹洞宗の禅宗の興隆となり、二つめの方向は、法然の浄土宗、親鸞の浄土真宗、日蓮の日蓮法華宗の開宗へとつながった』ことを解説しました。

仏教はその普遍性と多様性によって、各時代各地域にさまざまな様相を示してきました。現代日本の仏教も「日本的な仏教」と考える必要があります。これからも丁寧に日本の仏教を学んでゆきたいと思っています。
3月の法話会は17日(日)午前11時からの開催です。皆さまの参加聴聞をお待ちしています。

相武山 山主

2019年02月27日

興師会と節分会

2月7日は門祖日興上人の祥月のご命日。毎年、年中行事の一つとして興師会(こうしえ)を執り行い御報恩を申し上げています。今年は4日早めて3日の日曜日に奉修。休日の方が参詣者には都合が良く、また、3日は節分でもあるので厄年や現当二世のご祈念を希望される方にも興師会に参詣頂きました。

興師会は「セリ御講」とも通称されていますが、それは上人が好まれたと伝わる芹をお供えして御高徳をお偲びすることに由来します。当日は御宝前の中央に芹をお供えし、その両側には節分の福豆をお供えしました。参詣者の皆さんと倶に法華経要品を読誦、南無妙法蓮華経の題目をお唱えして懇ろに御報恩申し上げた次第です。

法要後には日興上人についての法話。昨年、東海正信連合会の研修会で講義させて頂いた「続・六老僧について」のレジュメを参考に解説。レジュメはかなりの分量なので、その中から「白蓮阿闍梨 日興」のコーナーを取り上げて、その御事跡をたどりながら上人の御生涯を学びました。私たちは日蓮の門下ですから当然日蓮大聖人の御事跡や教えは常に学んでいますが、門祖日興上人については以外に理解していないことが多いようです。しかし、私たちは日興門流と自称するのですから、日興上人についての正しい知識を持つことは大切なことです。これからもさまざまな機会に上人の御事跡と教えを学んで行きたいと考えています。

節分会は仏教行事というよりも我が国の習俗として執り行われてきたものですが、当門流でも古来寒が明ける前日の夕刻に行われてきました。当日の法会の中では私が御宝前に「福はうち」と福豆をまき、続いて興厳房が本堂の四隅と客殿などに福豆をまきました。除災招福を祈念された参詣者の皆さまにも福豆をお渡しして喜んで頂いた次第です。

相武山 山主

2019年02月24日