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〒241-0806 横浜市旭区下川井町1590-1

相武山 妙法寺 ブログ

雑草20袋の収穫

8月下旬は曇り空と雨空が続き、あれほど暑かった関東地方の夏が嘘のようでした。わたる風も秋そのものです。8月31日(日)は檀信徒の皆さんとこの夏最後の草取りでした。行事案内では午前10時からとお知らせしていましたが、予定よりも30分も前から作業に入られる方もおられました。川脇さん、森さん、小出さん、阿部さん、久保さん、奥田さん、芦川さん(4)ご一家、新倉さん(3)ご兄弟、安西さん、落合さん、熊木さん、辻本さん、秋山さん、阿部さん(2)ご夫妻、中澤さん(2)、それぞれお忙しいなかご協力頂き本当にありがとうございました。お陰様で境内と参道そして駐車場の雑草を70リットルのゴミ袋20袋分を収穫することができました。

梅雨明けから秋まで草取りはいつも迫られるお寺の課題です。境内が狭ければ狭い故の思いが生じ、広ければ広い故の思いが生じるものです。私はいつも「何ごとにもプラスがあればマイナスがあり、マイナスがあればプラスがあります」とお話させて頂いていますが、人生では何ごともプラスとマイナスの一方に流れがち、思いがちですが、それは理解が浅いということ。うれしいことや楽しいことがあれば、その裏には辛いことや悲しいことが秘められていたり、辛いことや悲しいことがあればその裏には喜びやおもしろさへの道が拓かれているものです。ただ、気づくか気づかないかの違いであり、各人の心の持ち方の相違によるものです。

草取りの後は11時過ぎから「仏事の心得」の解説でした。はじめに先週お盆明けに入った1本の電話からのお話をご紹介(前回ブログにアップ)。

仏教や信仰、そして仏事に関心や興味があってもふれることも学ぶことも機会がなければ知ることができません。少し前の時代なら両親や親族や地域の方が「このようにやるんだよ、このような意味があるんだよ」と教えてくれたことも、価値観の多様化や核家族化が進んだ今の時代では、教えて下さる方もあまりおりません。さらに、私たちの人間性に大きな影響を与えている「歴史や伝統、文化や習俗」についても尊重することが希薄で、気分や感情で軽く判断することが多いことも残念なことです。また、お寺や僧侶に相談したくてもその敷居が高く感じられているようです。当事者となる私たちも大いに反省しなければならないと思います。

「仏事の心得」の解説では始めに『家庭の仏事』。家庭に安置される仏壇の在り方やその意味とお給仕の作法。次に『一般的な仏事諸相』として、死者とご先祖に関わる仏事(葬儀・法事・墓所・埋葬・お盆・追善供養など)と、生者に関わる仏事(初参り・七五三祝詣り・地鎮祭・結婚式・当病平癒・厄年祈念・学業成就・交通安全・開業祈念・現当二世など)について解説をいたしました。続いて『なぜ仏事を行うのか』と題して解説。「仏事は尊崇する仏教の教えと信仰を明らかにし、人生の節目を意義あるものとする」ことを中心に種々説明をしました。その後、『仏事についての疑問と不安』『仏事を営むにあたって』『仏事の経費について』『葬儀式について』など、レジュメに沿って丁寧に説明させて頂きました。わかっているようでよく理解できていない「仏事」。これからも機会を設けて説明し、仏事の大切さと営む喜びを伝えて行きたいと思います。

仏事の心得の後は「暑気払い」です。暑さもおさまっていて暑気という感じではありませんでしたが、草取りと仏事解説聴聞の疲れを癒やしました。参加者皆んなでバーベキュー、食材を焼きながらあちらこちらで談笑の輪ができていました。

皆さん本当にご苦労様でした。

相武山 山主

2014年09月08日

わたしのお寺&ゆかりのお寺

初夏を迎え、当山墓苑のレッドロビンの葉がわりに見られるように、常緑樹も葉代わりの時季となりました。枯れ葉の色ではありませんが、絶え間なく緑の葉が舞い落ちます。秋の落葉と同様今の時季は落ち葉との闘いとなります。
何ごとにも表と裏、正と負、プラスとマイナスがありますから、緑の豊かさと自然の営みを愛でる悦びの裏には、緑との調和を考えたり剪定や清掃という作業がまっています。狭い境内よりは広い境内の方がゆったりとして有り難いのですが、広ければそれだけ掃除と管理に時間がかかるということになります。
当たり前のことですが、いいとこ取りで行きたいと思ってもそうは問屋が卸さないということです。楽しむためには苦労があり、権利のためには義務があるということでしょうか。この道理はあらゆる場面に及びますから、ここを理解できるだけでもより良く生きるための知恵を頂いたということができるでしょう。

さて、ゴールデンウイークの最中5/5(月)の午前中に境内の草取り清掃を行いました。例年、年末はもちろん初夏から秋にかけて何回か声をかけあい、講中みんなで取り組んでいる清掃作業です。いつも、当山を「わたしのお寺」と思って頂ける方々に、自主的に参加できる時間だけの作業をお願いしています。今回レッドロビンの剪定だけは2週間ほど前に私と興厳房で行いましたが、温かさに境内地一面雑草は遠慮なく生えてきていますので、草取りが主たる作業となりました。
当日は私も草取り&剪定に参加するつもりでしたが、5月1日の朝、徳島県広徳寺の住職を務めておられた磯崎文城師が逝去され、その葬儀に参列するために不在でした。声かけ人の新倉講頭さんも都合で参加できず、ご協力頂いた方々には失礼をいたしましたが、興厳房がよく準備をしてくれたようで、皆さんのご協力のもと、境内はもちろん荒れていた駐車場の方まですっきりと清掃頂きました。混乱なく無事に作業が行われたことに御礼を申し上げます。

当山は社会に開かれた寺院をめざしていますから、現在は仏事の相談や人生の相談、終活やお墓や永代供養墓など、いろいろな方が散歩がてらにお出でになります。荒れていたり汚れていたりしては興ざめですから、これからも境内の管理と清掃には留意して行きたいと思っています。「妙法院はわたしのお寺」との意識をお持ちの檀信徒の方々には、これからもご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
なお、ご協力頂いた方々は、新倉さん兄弟、熊木さん、川脇さん、阿部さん、落合さん夫妻、中澤さん親子、久保さん、阿部さん、和田さん、芦川さん家族、白濱さん、奥田さん、 辻本さん、高橋さん、金澤さん親子、小田さん22名でした。
ありがとうございました。

相武山 山主

2014年05月10日

お経日とお花見

当山の南西側に広がる追分市民の森では3月23日に菜の花まつりが行われました。お彼岸中ですから足を運ぶ時間はありませんでしたが、市民の森を管理する地元の人々の主催で、春を迎えたこともあり、お花畑に植えられた菜の花を楽しもうという催しです。大都市の中の菜の花畑としてはチョットした規模で、花が満開になるとむせるような香りでいっぱいになります。今年は二度の大雪に見舞われたこともあり、例年より開花は遅かったようですが、当日はお天気も良かったので大勢の方が菜の花と春を楽しまれたようでした。
この時季たくさんの市民の方が3つの市民の森(追分、矢指、瀬谷)が続く当山周辺の散策を楽しんでいます。手ぶらで気軽に歩かれる方、リュックを背に歩かれる方、一人で鼻歌をうたいながら気楽に歩いている方、友だちと笑いながら歩いている方とそれぞれですが、春がやってきたんだな~というのどかな風情は平和でうれしいものです。

やはり春はサクラ
サクラは寒さのなかでつぼみをふくらませ、暖かさに誘われてピンクや薄ピンクの花が華麗に開き、やがて風に吹かれてはかなく舞い散ります。華やかさとはかなさを見せる姿は人生とも重なるようで、私たちの感性になじんでいるのではないでしょうか。
今年は墓苑周囲の河津サクラの開花が少し遅れましたが、本堂南側と雑木林のソメイヨシノはほぼ例年通りお彼岸が終る頃から咲き始めました。27日の小雨の中で咲き始めたサクラは、3日ほど前から風に舞い散るようになり、リョウマの鼻の頭にも花が乗っていましたが、桜花はいつもより長めに咲いて参詣者や私たちを楽しませています。

4月1日は月例の「お経日(おきょうび)」でした。相鉄線の三ツ境駅から当山に参詣された方々は、駅からのバス通りでサクラのトンネルをくぐって見えられたことでしょう。お経日は月の初めに菩提寺(ぼだいじ)に参詣して仏祖三宝尊をはじめ先師先達にご報恩申し上げ、この一月の信行精進を誓願(せいがん)申し上げる法会(ほうえ)のことです。また、この折りにご先祖や有縁精霊へのお塔婆供養をなさる方もおられます。古来日興門流(にっこうもんりゅう)では仏弟子としての信行を磨くために、この1日のお経日と13日の宗祖ご報恩講への参詣は、仏道修行の要と位置づけられてきました。仕事や用事があって参詣できない方や、病気や体調の都合で参詣できない方も当然おられますが、仏弟子としての自覚をお持ちの方々は、仏法護持のための浄財をささげられ報恩行を勤めておられます。中には三十数年欠かすことなく参詣されている方もおり、その尊いご信心には深く敬意を表する次第です。
勤行・唱題後の法話では、妙風新聞の4面「御心を拝して」のコーナーから、宗祖の御書を拝読してお話を申し上げ、参詣の皆さんと倶に仏道を学びましたが、これからも志のある方々が一人でも二人でも増えて、一緒に「お経日」を勤めて行けたら良いなと願っています。そのためにも内容を充実して行かなければならないと自戒しています。

本堂前のサクラも開花しましたのでお経日の後には皆さんと急遽お花見をしました。サクラの樹の下にカーペットを敷いて仰いだり、回廊から咲き誇る花を見上げたり、ベンチにすわってゆったりと愛でたり、それぞれのスタイルで温かいお茶と桜餅を頂きながらしばし歓談の一時をもちました。春を満喫したような気持ちになりとてもリラックスできましたから、明年もこのような機会を持てたら良いな~。あらかじめ花見のご案内をして、より多くの方々に楽しんで頂こうと思いました。

相武山 山主

2014年04月10日

河津ざくらが咲きました

ようやく厳しい寒さも峠を越えたようで、墓苑の南側に植えた「河津さくら」が咲き始めました。保土ケ谷区の老川さんがお持ちになった苗木を植樹してもう6年くらいになるものです。河津さくら特有の少し強いピンク色の花が特徴です。桜もいろいろな種類が在り、私はどちらかというとソメイヨシノのような淡いピンク色の花の方が好きなので、失礼ながら老川さんにも「あまりわたし好みの色ではないんですが・・・」とお伝えしましたが、気持ちは移ろいやすいので、気が変わるかなと思っていましたら、そうです。やはり桜もそれぞれの持ち味があって、観る側の先入観をとりのぞけば、すべてがすばらしい色彩に映ります。己れの浅はかさにも気づかされた次第でした。

例年お彼岸やお盆などの前にはいろいろな事情で当山にお参りができない方々から、ご本尊様への御供養やご先祖・有縁精霊への追善供養のため塔婆願いをお受けします。菩提寺を一つの縁として仏の道を護ろうとされるご信心、ご先祖やゆかり深い方々への思いがこめられた供養は倶に尊いものと存じ、その都度御宝前にお供えしてその志を懇ろに申し上げております。
今年の春のお彼岸を迎えて、先日戸塚区の小林さんから塔婆願いと彼岸会と建設への御供養が届きました。小林さんは今年94才を迎えることになると思いますが、当山開創からのご信徒で信仰心の篤い方です。以前より足腰が弱くなられて外出が難しくなっていましたが、最近は横になることも多くなったとうかがっていました。手紙を書くことも辛いのではないかと案じておりますが、頂いたお手紙は短いものですが、老境における小林さんの心中がよく伝わってまいります。少しでもこころ安らかにあって頂きたいとご本尊様に祈念申し上げ、ご返事も差し上げましたが、一緒に信仰に励まれた同志の方々にも近況を伝えられたらと思いここにご紹介させて頂きます。

『いつもお便りすみません。私はとうとう歩行が出来なくなりベットの一日生活です。現在は息子に全部任せていますので、何にも自由にならなくなり情けないと思います。歳を取り、動けぬ自分が悔しく「なんで、なんで」と思います。それでも、大聖人様の教えを信じて、老後をなんとか楽しく終わりたいと思うばかりです。
今はお寺よりの便り、又中澤さん菊地さん坂上さんとのお便りが何よりの楽しみです。信心してきて本当に良かったと存じます。元気な時にもっともっとお寺に行って、ご住職の法話を聞いていたらと今になって悔やまれます。今はただただ御本尊様に一日一日平素に過ごせる様、お題目を唱えて居ります。お寺も立派になられて長生きして良かったと存じます。
今後ともよろしくお願い致します。   小林
御尊師様』

短い手紙ですが、行間からは小林さんのさまざまな思いがにじみ出ているように感じました。私は朝の勤行と夕べの勤行には、常に檀信徒をはじめご縁を結ばれた友の会の皆さんの当病平癒とご健勝をお祈りしています。外護を頂き心を寄せて頂きながら、僧侶のできることといえば、己れの信・行・学を深め、誠意をもってご縁のある方々の無事と活躍を祈る事しかありません。これからも心を込めて有縁・無縁の皆さんの泰平を祈ってまいりたいと存じます。

相武山 山主

2014年03月17日

記録的な大雪のなかで

日曜法話会と宗祖誕生会
先週8日の大雪の衝撃もさめやらない14日早朝からの降雪。予報を上回る降雪は前回をしのぐ記録的な大雪となりました。関東甲信地方では前回同様多数の死傷者が出たばかりか、孤立地域が出て自衛隊に出動要請が行われたり、農業をはじめ各産業に大きな被害がでました。被害を蒙った方々にはお見舞いを申し上げます。
今回当山周囲では、雪は吹きだまりでは約70センチくらい、吹きさらしで20センチくらいの積雪でした。いつもながら横浜でも多い積雪だったのではないでしょうか。また、雨が降ったからでしょうか、前回より2割から3割雪が重いような気がしました。

雪の後には雨という予報でしたから、雨で少しは雪が溶けるのかと淡い期待をもちましたが、15日朝、望みはあっさり退けられ、湿り気を増した雪を午前2時間、休憩を入れて午後2時間半、興厳房と家内と一緒にかくこととなりました。
翌16日には「日曜法話会」と「宗祖誕生会」を予定して居りましたから、参加者がお出でになろうとなるまいとせっせと雪かきです。
まず境内の道を確保し、次第に周囲に道を広げて行きました。当山の周りだけ歩ければ良いというわけにはいきませんから、北側や東側の一般道につながるまでの雪かきとなりました。駐車場もかいておきたかったのですが、4台から5台分の広さを確保したところで翌日にすることにしました。

16日は宗祖ご誕生の日、風は強いものの青空が広がりました。午前11時からは日曜法話会、午後1時からは宗祖誕生会を執り行いました。法話会の前に開催を確認する一般の方からの電話がありましたが、今回は先月始めてお見えになったご婦人がお二人、檀信徒が15人の参加を頂いての法話会となりました。風の強いなか雪を踏みしめての参加聴聞には仏教を学ぼうという熱意を感じました。
今月のテーマは宗祖のご誕生にちなんで「日蓮という人」。末法の法華経の行者を仏と拝する富士門流で宗祖を「人」などとお呼びすると、「けしからん、謗法だ」とまでいわれそうですが、一般の方々が聴衆の法話会であり、世間的には毀誉褒貶・好き嫌いの大きく分かれる宗祖ですから、まずそのご生涯と人柄、その願いと精神を理解して頂くために、通常の表現を用いた次第。

今回の「世相」は『冬期オリンピック ソチ大会』と『記録的大雪』についての意見です。初めにオリンピックと開催地ソチにふれた後、「各競技選手は恵まれた才能の上にさらに懸命な努力をしている。結果は技術と精神力、そして時の運にも左右される。結果は大切だがすべてではない。選手と観賞者双方に楽しみと学びがある」など私の観じた意見をお話しました。

もう一つの「世相」の話題は『記録的大雪』。2/8と2/14の二度の大雪の模様をお伝えし、「天気予報がより正確になってきた。大雪は低気圧と寒気の関係から。想像を超える事態(交通機関のマヒ、積雪による事故、ライフラインの障害等々)、事象に学ぶ(自然の営みの大きさを学ぶ)」など私の観じた意見をお話しました。

その後、テーマ 「日蓮という人」サブタイトル ー日蓮の誕生にちなんでー として法話を申し上げました。
その内容は、「① 知っているようでもよく知らない日蓮という人。② 日蓮を尊敬し信仰する人々。③ 誕生から求道へ。・ご誕生・出家・諸国遊学・日蓮の疑問と求道。④ 日蓮の願いと実践。・立教開宗へ・法華経の身読・衆生救済への思い。・忍難弘教・法難を法悦に享受した日蓮。⑤ 妙法流布への礎。・身延入山(国諫三度・順縁広布から逆縁広布へ)・弟子の育成・檀越信徒への教化・出世の本懐(熱原の法難)。⑥ 入滅と六老僧の選定。
時間の都合上、宗祖の大きな聖跡を駆け足で概観するだけでしたが、日蓮大聖人の教えを信仰する当山ですから、機会を新たにしてじっくりと解説したいと思います。

法話会が終わり小憩の後、午後1時からは宗祖のご誕生会(たんじょうえ)を執り行いました。20名ほどの参詣信徒の唱題の中、赤飯を盛った献膳を御宝前にお供えいたし、皆さんと倶に懇ろに読経・焼香・唱題を申し上げ、如法(にょほう)に宗祖の誕生に報恩謝徳申し上げました。この法会の意義は宗祖が我が国に誕生され、さまざまな法難を乗り越えて、仏教の根本である法華経の教えを私たちのために説かれたことへの感謝を捧げるものです。
その後の法話では、日興門流に伝わる「産湯相承事」を拝読し、宗祖ご誕生にちなむお話を申し上げ、大雪の残る中参詣された皆さまと宗祖をお偲びしました。

相武山 山主

2014年02月26日

横浜も墨絵の世界

穏やかな晴天のもとでせり御講を執り行った翌日の8日、気象庁からの天気予報どおり全国的に雪模様となりました。当山周辺も未明からの降雪で朝にはうっすらと雪化粧。午前中から止むことなく降り続いた雪は午後から強い風をともなって吹雪の様相でした。まるで北国に来たかのような光景です。本堂北側の扉の隙間から雪が入ってきたので、畳を上げ隙間には養生テープをはって一時しのぎをしました。強い風のためにシャッターもしめなければならないほどでした。

関東地方のニュースでは朝から深夜まで、降雪模様と交通機関の運行状況が絶え間なく流れていました。関東では東京を中心に20年から40年に一度という積雪になりましたから、交通機関の大きな混乱をはじめ各地で事故や怪我が報じられました。数名の死者まで出たということで死傷者は一千人を越えたようですから、慣れない雪対策には十分な注意が必要ということがわかります。
夕方、ニュースを見た北海道と新潟のご住職から「横浜もふってるね~、大丈夫かい・・・」というお見舞いの電話を頂きました。北海道や新潟の寒さと豪雪には比べるべくもありませんが、折からの大雪に雪国のご苦労をしのぶこととなりました。

翌日は朝から雪かきです。私は北国の出身ですし札幌のお寺に在勤したこともありますから、雪かきは苦手ではありませんが、境内周囲の道路から駐車場、境内と墓所となると、かなりの時間がかかります。青空の広がる中、興厳房と二人でしっかりと汗をかかせてもらいました。お陰様で己れの体力についてもよくわかりました。

リョウマは甲斐犬ですから雪がスキかなと思ったら、亡くなったボブほどに喜んではいませんでした。どちらかといえば寒がりかなという感じです。それでも興厳房に追われて雪の中をジャンプしていました。ボブは甲斐犬の雑種だったせいか寒さに強く、雪も大好きで降雪の時には羽沢で走り回っていたことを思い出します。

9日・10日の晴天でかなり雪は溶けましたが、一部昨日の宗祖御報恩講まで残っていました。そこに今日は早朝から再度の降雪です。最近の天気予報は良くあたります。2・3日前から降雪予報を出していましたがその通りになりました。今も横浜の北西部に在る当山周囲は吹雪模様です。これから深夜まで強く降るということですから、どうなることやらと案じています。明日は雨という予報ですが、強い風もあるそうなので、被害も事故もできるだけ少ないことをお祈りし、これから16日(日)の日曜法話会のレジュメを作ります。
明日も雪かきでしょうか。それとも雨で少しは溶けてくれるのでしょうか。

相武山 山主

2014年02月14日

お初を供える

秋の季語でもある金木犀の花が咲き独特の香りが当山境内に漂っています。近年は芳香剤のイメージが強いキンモクセイですが、常緑の葉の間からかわいいオレンジ色の花が顔を見せ、あまい香りが深まる秋を知らせています。私にとってこの樹木と香りは、子供の頃の大石寺・御宝蔵のイメージとダブります。今はわかりませんが約50年ほど前、小僧として修行させて頂いていたお山の御宝蔵周囲にはこの木が植えてあって、この時季になると辺り一面に良い香りを流していました。

小僧の頃の秋のイメージは上野村の田んぼに実った稲穂と熟した柿、学寮(がくりょう)の見事な銀杏(いちょう)とそのギンナン拾い、そして掃いても掃いても取り切れない枯れ葉といったところでしょうか。そして秋も深まる11月の20日頃になると、一年で最も重要なお会式(おえしき)を迎えてお花作りや大掃除という作務(さむ)に励むことになります。お会式を迎えるとお山も冬支度で小僧も足袋をはくことが許されますが、枚数も少なくこまめに手入れもしませんから、冬でも皆例外なく素足での修行を余儀なくされていました。あの当時と変わりのない香りにふと小僧の頃を思い出した次第です。

去る一日(火)のお経日(おきょうび)の後に、参詣者の方々とお会式の桜の花をつくりました。今回は4尺の竹ひごにつぼみと花と葉をテープで巻き付ける作務です。お陰様で100本ほどの花が出来上がりましたから残りは半分ほどとなりました。13日(日)の午前11時からの御講の後に引き続いてお花つくりをする予定ですので、次回にはすべて出来上がることと思います。20日(日)の日曜法話会の後にもお花つくりを予定していましたが、不要となりそうで有り難い限りです。ご協力ありがとうございました。

さて、今年の新しいお米「新米」を御宝前にお供え頂きました。もう20年ほどにもなりますか、市川市の松浦さんは年に数回定期的に実家の茨城県稲敷市の弟さんの手になる白米を御本尊様にお供えされています。丹精されたお米でいつも有り難いことと思い感謝しておりますが、この時季届けられるお米は今年収穫されたばかりの新米です。いつものお米も松浦さんが自慢されるようにとても美味しいお米ですが、新米はまた格別といったところでしょうか。食生活も各家庭で異なり、食の好みもまちまちですから一概には言えませんが、稲作を文化とする我が国の歴史から、私たち日本人にとって秋のお米の収穫は一入(ひとしお)の思いがいたします。
ふっくらと炊きあがった新米を仏器に盛り、ふくいくとした香りと共に御本尊様にお供え申し上げ、ご報恩の心を込めて鈴を打つと、自然の恵み・農業の営み・信仰のこころ・それらのすべてが有り難いことと、感謝の思いがじんわりと湧いてまいりました。

季節の作物を初めて仏様にお供えすることを「お初(はつ)を供える」といいます。これはお寺でも各家庭でも同様ですが、仏様を恭(うやま)う心がかたちに表れたものです。信仰のその心を皆んなで大切にしたいものです。

相武山 山主

2013年10月08日

うぐいすが鳴きホタルが飛んでいます

当山南西の田んぼでは、米作を専らにする地域からすると少々遅めに、先月中頃田起こしがあり、しばらくして水が引かれ、一週間ほど前に田植えがありました。苗が水田に並べられているすがたは、ささやかな日本の原風景といったところでしょうか。
その田んぼの用水路の周辺に今年もホタルが飛び始めました。養殖され飼育されたホタルではなく自然のホタルですから、数も少なくか細い飛び方ですが、この時季の下川井町の楽しみの一つです。

当山の在る川井地区は名前の通り、横浜の北西部から市内を潤す帷子川(かたびらがわ)の源流域になります。水の良い地域として知られ、大都市には珍しく名水といわれる井戸もすぐ近くにあります。水のきれいな地域であるからこそ、ホタルの生息も可能なのでしょう。そういえば、当山の開発の折にも地元の方からホタルに影響がでない土木作業を求められました。地域の方が「大事にしよう」という思いがあって、環境が守られていることがよくわかります。ここにも守ろうとする意志の有る人によって守られている事実があります。

仏の道も同様であろうと思います。何ごとにおいても護ったり伝えたりということは容易なことではありません。仏の道や信仰が本当に大切だと思う方の真剣な努力によって、ときには命をかけるような熱い思いによって、今日まで仏道や信仰は護り伝えられてきたのです。
広くいえば「歴史や文化、伝統や習俗なども」その価値に気がついた方によって護られているといっても過言ではないでしょう。しかし、自らの生活にその利害が直結するわけではありませんから、価値に気づく人は多くても、その価値を護るために努力し、伝えるために汗を流す人は少ないものです。大事だとか大切だということはわかっても、そのために心も時間も経費も費やす人は少ないということです。自然の豊かなこの地域に存在する当山は、これからもできる限り環境の維持に努めてゆきたいと考えています。ホタルの乱舞とともに山道にはホタルブクロがそこかしこに咲き始め可愛いすがたをみせています。

今月に入ってからはうぐいすも鳴き始めました。去年に比べれば少し時季が遅くなっていますが、ホーホケキョ、ホーホケキョとの鳴き声が時折森をわたっています。これからしばらくは参詣者を楽しませてくれることでしょう。
また、ツバメも雛がかえりました。ドライエリアのツバメの巣は残念ながら落下したものの、中庭の垂木をうまく利用したつがいは、無事に卵を産み、温めてふ化することに成功しました。4羽か5羽がふ化したようです。今はせっせと親ツバメがエサ運んでいます。次回には可愛い画像を提供いたします。

相武山 山主

 

2013年06月14日

ツバメが巣をつくっています

自然の豊かな当山周辺では四季の移ろいに合わせて野鳥が元気いっぱいに飛び交っています。野鳥の動きは春の訪れから活発になるのはご承知のとおり。朝からかまびすしい鳴き声が聞こえてきたと思えば、雀の群れが木々を渡って行きます。もちろん地中から這い出てきた虫や、新芽を楽しむ虫たちも野鳥の格好のターゲットとなっています。ゆったりと呼吸を調えて周囲を見回していると、自然の奥深いサイクルを感じることができます。都市化が進む現代、止むを得ず無機質な環境に身を置かれている方々にも、できるだけ自然に触れることの大切さを知って頂けたらありがたいと思います。私たち人間も動物であり自然界の一員なのですから。

昨年も一昨年も4月中頃になると、市民の森からうぐいすの声が聞こえてきました。夏ぐらいまでホーホケキョ、ホーホケキョと澄んだきれいな音色を楽しめ、自然を護り大切にしようと願う方々へのご褒美かなと思っていましたが、今年は少し声を聞くのが遅いようです。それでも間もなく聞こえてくるのではないでしょうか。今から楽しみです。
ツバメの姿は例年よく見かけますが、今年は先週から当山に巣作りをはじめました。「こんなところに土と枯葉が落ちているはおかしいな」と思って見上げてみると、2羽の燕尾服(えんびふく)を着たツバメがせっせと巣作りに励んでいました。ツバメの生態をよく知らない私からすると、「それで大丈夫なの」と心配してしまうような、たよりない巣にみえますが、どうやら大きなお世話のようです。間もなく新しいメンバーが加わったツバメの家族の姿が見られることでしょう。
甲斐犬のリョウマを連れて朝夕散歩をしていると、野草というか野の花というのか、四季折々にさまざまな草花に出合います。しかし、そちらの知識に乏しい蛮僧には、はっきり名前が良くわかりません。インターネットなどで調べようとも思っているのですが、写真に撮ってその一覧をアップし、知識の有る方に教えて頂こうとも考えています。その節にはよろしくお願いいたします。

さて、12日の日曜日は午前11時から今年5回目の「日曜法話会」でした。テーマは「仏の道に向き合う」ー 最澄の願文 ーでした。仏道が発心(ほっしん)から発願(ほつがん)を大切にしていることを共に考えようという趣旨でしたが、3月にこのテーマを設けてもう3ヶ月目に入ります。今月はようやく伝教大師(でんぎょうだいじ)最澄(さいちょう)の願文(がんもん)にふれることになりました。法話会の趣旨が「仏教に親しんで頂きたい」「わかりやすく仏教を学んで頂きたい」ということですので、ついつい話しが冗長になってしまいがちで失礼していますが、今回は伝教大師最澄二十歳の願文をご一緒に学びました。
法華経を仏教の根本思想とされた平安仏教を代表する名僧であり、日蓮聖人も帰依(きえ)された伝教大師最澄。その「人となり&志」を端的に顕す願文は、実に明快に仏道修行者としての心の有り様を示しています。ゆっくりと拝読するうちに、仏道の基本的在り方と伝教大師の仏道に向き合う真摯(しんし)な姿勢が伝わってまいります。願文の半分ほどのところで時間切れとなり、残り半分は来月学ぶことにいたしましたが、仏教にご縁の深い方々と伝教大師の御心にふれることができたことは有りがたい限りです。

今月の日曜法話会も初めての聴聞者をふくめて約40人ほどのご参加を頂きました。法話会は積極的なピーアールをしているわけではありませんから、これからも急激に盛んになることはないでしょう。また、即効性をうたう現世利益のまやかしとも一線を画し、地道に仏道の教えを学びあう法話会ですので、開催の趣旨をしっかりと意識しながら「仏道の豊かさ」をお伝えしてまいりたいと思っています。

法話会に引き続いて午後1時からは、宗祖の伊豆御流罪法難会(いずごるざいほうなんえ)を執り行い、参詣の檀信徒の皆さんとご一緒に宗祖への報恩(ほうおん)感謝を申し上げました。午前中からのご参加の方々は各自持参の昼食をとられての法会(ほうえ)参詣。まさに仏道修行の一日でした。
学んでも、遊んでも、仕事をしても、家事をしても、横になって休んでいても一日は一日ということになります。私たちはそれぞれの状況に合わせてバランスをとり、自らの大切だと思うことに時間を使っています。同じ一日ですが参詣された皆さんが積まれた功徳はきっと仏祖三宝尊(ぶっそさんぽうそん)の御照覧(ごしょうらん)にあずかることと存じます。
来月の日曜法話会は6月23日(日)午前11時からの開催。皆さまのご参加をお待ち申し上げております。

相武山 山主

2013年05月15日

作務(さむ)に汗をながしました

ゴールデンウイーク後半の5月3日と4日の両日、檀信徒の皆さんと一緒に境内緑樹の剪定(せんてい)と草取りを行いました。3日には専門職の川脇さんを先頭に、久保さん、金澤さん母子、そして西村さんにご協力を頂き、私と興厳房もふくめて総勢7名での作業でした。剪定もけっこう時間と手間がかかりますが、切り落とした枝葉も勝手には燃やすことができなくなりましたから、ある程度調えてゴミとして出さなければなりません。剪定よりも枝葉の処理の方に手間がかかりました。

1日目は墓苑周囲のレッドロビンの剪定と整理で2時間の作業でした。すっかり大きくなったレッドロビンの高さをカットし、横に自由に伸びていた枝をはらい、すっきりとした植栽となりましたが、ちょっと切過ぎかなとも感じました。それでも梅雨を迎え夏の日射しをうける頃にはまた枝を伸ばしていることでしょう。

作業を終えて本堂の向拝(ごはい)と回廊(かいろう)に座れば、清々(すがすが)しい初夏の風が皆さんの汗をひかせてゆきます。お寺からは軽い食事を用意させて頂きました。信仰の基盤である自分の菩提寺(ぼだいじ)境内(けいだい)を浄めて、皆さん気持ちの良い風情で、甲斐犬の「リョウマ」をまじえてしばしの軽食と歓談を楽しみました。
「今日は人数が少なかったけど明日は大丈夫かな・・・」と明日の作業の心配をされる方もおられましたが、「ゴールデンウイークのお休みだから、みなさんそれぞれに予定があるのでしょう。いつものように、気持ちの有る人が無理のないかたちで参加するのが良いのではないでしょうか。明日は都合のつく方がきっとお出でになりますよ」とお答えしました。
みなさん「そうですよね~」といって午後1時には帰路につかれました。

前日におとらぬ心地好い五月晴れとなった4日は、駐車場境のレッドロビンの剪定と整理、そして墓苑周囲の草取り作業でした。連日作業の中心となった川脇さん、そして南雲さん、落合さん夫妻、吉次さん夫妻、芦川さん夫妻と卓君、中澤さんと俊彦さん、佐々木さん、連日となる金澤さんと西村さん、私と興厳房をいれて16名の陣容で作業開始です。墓苑周囲のレッドロビンよりも太くて堅い幹に多少苦労しながら、皆んなで気持ちの良い汗をかきました。駐車場の採石を割って伸び始めていた雑草もほとんど抜きましたから、しばらくは大丈夫でしょうか。


駐車場の作業を終えると墓苑北側の側道の草取りに移り、下って雑木林の清掃となりました。皆さんカマを手にせっせと雑草をとっていましたが、ときに春の花やツル花と出会い躊躇していました。川脇さんは伸びてサクラとバッティングしているクヌギの枝をおろして、風の通り道をつくってくれました。

あっという間にお昼を迎え、皆さんには額からの汗を流し手を洗って、昨日同様、本堂の向拝(ごはい)と回廊(かいろう)に上がって頂きました。お寺で用意した心ばかりの軽食を召し上がって頂きましたが、久しぶりに顔を合わせた方も居られるようで、楽しい話しに声が弾んでいました。
皆さん両日共にありがとうございました。天候にも恵まれ気持ちの良い作務(さむ)を行うことができました。(作務とはお寺の中のさまざまな作業を行うことです)お陰様で境内もさっぱりして参詣の方々や訪ねられる方々にも喜んでいただけそうです。次の日曜日は12日。午前11時からの日曜法話会のテーマは「伝教大師最澄の願文」です。その後、午後1時から宗祖日蓮大聖人の「伊豆御流罪法難会」を執り行います。心を耕し信仰を深める好機として皆さまの聴聞と参詣をお待ちしています。

相武山 山主

2013年05月07日