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相武山 妙法寺 ブログ

有志竟成とその語録

10月度の日曜法話会は14日の開催。

「世相」では『本庶教授、ノーベル賞を受賞』をテーマに取り上げました。
2018年のノーベル医学生理学賞は京都大高等研究院の本庶 佑特別教授(76)と米テキサス大のジェームズ・アリソン教授の2氏に授与されました。
従来のガン治療は「手術・放射線療法・化学療法」で、外部からガン細胞を除去する治療方法でしたが、両氏の研究によって新たに免疫療法による治療の道が切り拓かれたことが受賞の理由です。免疫研究によって創られた新ガン治療薬が「オプジーボ」。免疫のブレーキとなる「PD-1」と呼ばれるタンパク質の働きを妨げることで、がん細胞を免疫に攻撃させて治療する薬です。この研究と薬剤のお陰で多くのガン患者が救われました。

本庶教授の座右の銘は「有志竟成」(堅固な志を持つ者は必ず目的を成し遂げられる)であり、モットーは『知りたいという好奇心』と『簡単に信じないこと』と報じられていました。何ごとにおいても明確な志がなければ目的を立てることすらできませんし、目的を立てたとしてもその志が軟弱であれば成し遂げることなどできません。すなわち、人生においては志を立てるということが第一であり、次にその志を強く堅いものとなるように磨いて行くことが大切なのです。その実践に努めたならば、自らの願うようなかたちになろうとなるまいと、目的は成し遂げられたことに気づくことでしょう。人生において「好奇心の大切さ」と「むやみやたらに信じることの危険性」にも同感しました。

教授から語られた語録には価値のあるものが多く、そのいくつかを法話会の参加者にご紹介しました(以下)。
☆ 「優れた研究者には6つのCが必要」
「challenge(挑戦)」 「confidence(自信)」 「courage(勇気)」 「concentration(集中力)」 「curiosity(好奇心)」 「continuation(持続性)」 。
☆ 知りたいと思う、不思議だなと思う心を大切にする。
『土星の輪がなぜああいうふうにできるのか知りたかった(小学生の頃)』
☆ 教科書に書いてあることを信じない。
(基本と言われていることに疑問を投げかけ、新しいことを発見したり、応用してオリジナリティなものを作ることが大切)
☆ 『本当はどうなっているんだ?』という心を大切にする。
(自分の目でモノを見る、納得する、そこまで諦めない)
☆ 『科学は多数決ではない。既存の概念を壊す少数派の中の中からこそ新しい成果が生まれる』
☆ 『何が大切かについて生命科学は100人いたら100通りの解がある。どこに課題があるかすら分からない。たくさんのことをやってみないといけない』
☆ 物事に不可能はない。必ず道があるとの思いでやってきた。
☆ 実験というのは失敗が当たり前で、一回一回のことでめげていたらダメ。
☆ 『多くの人が石ころと見向きもしなかったものを、10年、20年かけて磨き上げ、ダイヤモンドであることを実証すること』
☆ 『子どもの頃に、野口英世の伝記を読んで、医師として研究者として、非常にたくさんの人の役に立ちたいと思いました』

・・・・・
優れた研究者はすぐれた人生の先達といえるでしょう。

相武山 山主

2018年10月29日