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相武山 妙法寺 ブログ

日曜法話会と伊豆の御難会

5月14日は今年になって5回目の法話会。さわやかな風が吹き抜ける中いつもの方々がお集まりになりました。新来者の方は不在のようでしたから、はじめの語りは簡略にさせて頂きすぐに「世相」について。
世相のテーマは「憲法改正論議について」でした。今年は日本国憲法市施行70周年憲法記念日を迎えて憲法についての意見がさまざまに述べられていますが、憲法は私たちの生活の基盤となる根本規範ですから誰もが無関心でいるわけにはいきません。

はじめに現憲法の成立経過についてふれながら「憲法の定義」を簡略に解説。憲法は「国家権力の権限と義務を定めて、国民の権利や自由の保障を図るための根本規範」であり、日本国憲法の三大原則は「基本的人権の尊重、平和主義、国民主権」であること。その特徴は「平和主義」であり、戦争の放棄を打ち出して「交戦権の否認」と「戦力不保持」を規定していることを説明しました。
また、知っているようでよく理解されてない「法治国家、立憲主義、法の支配など」について、私も専門家ではありませんから十分に理解できているかどうか怪しいものですが、わかる範囲で解説してみました。

今回施行70年をきっかけに、多くの方が法律の基本となる憲法を考えることになったのは大変良いことだと思います。最後に「学ぶべきこと」として、「法治国家に生きていることの認識。その権利と義務と責任を自覚する。憲法は不磨の大典(明治憲法発布勅語)ではない。憲法を考えることは自らの人生と社会を考えることに通じる。自らの意見をまとめてみる良い機会」とすることをお伝えしました。

少し難しい憲法の話に時間をとられてしまいましたが、続いて法話会テーマの「日本の仏教」。先月に続いて釈尊によって創始された仏教は、非常に多様性に富んだ宗教であることを現在の仏教国の現状から説明。それぞれの時代や地域によって様相の違いはあるものの、基本思想として三法印、縁起論、四聖諦など普遍の法理が必ず説かれており、多様性を認めながらもそれそれの国や地域で、釈尊の真理を求めようとしていることを述べました。

日本の現在の仏教もインドの原始仏教などと比較するならば大きな隔たりがあり、同一に語れない面もあるが、基本思想につては共通の面もあり、比較するならば日本の仏教は日本的仏教ということができることをお伝えしました。日本の仏教を知るためにはその歴史を学ばなければならないので、日本仏教史の概観を共に学んで行こうと述べたところで今月もタイムオーバー。「仏教へのいざない」をテキストにする概観史は来月の課題となりました。

ランチタイムを挟んで13時からは宗祖の「伊豆御流罪法難会」を執り行いました。午前中の法話会から引き続いての方々も多く、皆さんとご一緒に宗祖への御報恩のため懇ろに読経・唱題を申し上げることができうれしく思いました。その後の法話では伊豆御流罪の概要を説明して、「上求菩提・外化衆生」の仏道に生涯をかけられた宗祖のお振る舞いをお伝えしました。続いて前日の宗祖御報恩御講同様「顕仏未来記」を拝読し講義をさせて頂きました。

宗祖の御一生はまさに波瀾万丈でドラマのようですが、一つひとつの法難や出来事をよく見てみると、宗祖の見識の広さと思索の深さ、そして徹底した覚悟と実行力がうかがえます。私たちはとても同じようにはできませんが、宗祖の門弟として仏縁を結んだのですから、少しでもその御心に近づきたいと願うばかりです。

相武山 山主

2017年06月04日