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相武山 妙法寺 ブログ

春のお彼岸

今年の春の彼岸は17日から24日までの1週間でした。お彼岸には檀信徒の皆さん以外にも有縁の方々がお参りにみえますので、いつものことながら日頃より丁寧に片付けや清掃に勤しむことになり興厳房も私も直前まで大忙しです。

お彼岸は20日まで穏やかな天候に恵まれ、ご先祖や故人への思いの深い方々が三々五々自由にお参りになっていました。朝から夕方まで三師塔をはじめ墓所にお線香が捧げられますから、一日中お香の良い香りが境内にたなびきお彼岸らしい風情でした。

19日(日)と20日(月)の両日は午後1時から本堂で春季彼岸法要を執り行いました。当日までに申し込まれた追善供養のお塔婆も書いてお供えしなければなりませんから寺内に時間の余裕はありません。常のようにバタバタしながら法要を迎えました。19日の法会では堂内唱題の裡に仏祖三宝尊と御歴代正師、当山有縁精霊への献膳を行い、引き続いて厳かに読経を勤めながら参詣者全員が精霊台に進んで有縁精霊に追善の焼香をお供えしました。心を込めて南無妙法蓮華経のお題目をお唱えし懇ろにご回向を申し上げた次第です。

法会の後には「上野殿御返事」『塩一駄はじかみ(生姜)送り給び候。 金多くして日本国の沙のごとくならば、誰かたから(宝)としてはこ(筐)のそこにおさむべき。餅多くして一閻浮提の大地のごとくならば、誰か米の恩をおもくせん。 ー 略 ー 今はぜんたいしほなし。何を以てかかうべき。みそ(味噌)もたえぬ。小児のち(乳)をしのぶがごとし。かかるところにこのしほを一駄給はりて候。御志大地よりもあつく、虚空よりもひろし。予が言は力及ぶべからず。ただ法華経と釈迦仏とにゆづりまいらせ候』を拝読。

はじめにお彼岸のいわれを簡略に述べ、次いで日蓮大聖人の教えを信仰する私たちは、遺された御書に親しんでその教えを求めて行くことが大切であることをお伝えしました。日頃、菩提寺に参詣して御書を学ぶ機会が少ない方もいるので、お彼岸のひと時宗祖の教えを共に学びました。御書からは身延での宗祖の厳しいご生活をうかがい、また、上野殿(南条時光殿)の三宝(仏・法・僧)護持の尊い信仰心を学びました。さらに宗祖が説かれる「貴重なもの」の指摘から、『私たちは何を貴重なものと認識して大切にしているか』『私たちは与えられた人生の中で、その価値観をしっかりと磨き上げて行くことが大切である』ことを述べ、仏道と信仰心が貴重なものであることをお伝えしました。法話の後、参詣の皆さんは建立ご回向されたお塔婆をお持ちになり墓参へと向かわれました。

彼岸会に参詣された皆さんに追善供養されたそれぞれのご先祖や有縁精霊は、その温かい気持ちをうれしく受け止め、仏さまのお側からきっと子孫の行く末を見守られていることでしょう。お彼岸は生ける者が死者を思いやり、死者の見守りを感じる機会であり、仏教信仰に誘われて魂の交流がなされる時といえましょう。

相武山 山主

 

2017年03月31日