相武山 妙法院のブログ

相武山 妙法院のブログです。

相武山 妙法院

  • HOME
  • 相武山 妙法院
  • お知らせ&行事案内
  • 道の心得
  • 法話会
  • 墓苑・永代供養墓
  • 自然に親しむ
  • 交通のご案内
  • ブログ
  • サイトマップ

045-442-7688

  • ご相談について

〒241-0806 横浜市旭区下川井町1590-1

相武山 妙法寺 ブログ

3月の法話会から

春のお彼岸で有縁の方々が本堂や墓所にお参りされるなか19日(日)は「日曜法話会」でした。数日前から彼岸会の諸準備がありレジュメの作成はぎりぎりでしたが何とか間に合いました。文章を書くときはいつもテーマをまとめることに迷ったり筆も遅いので苦労しています。

法話会のテーマは「お彼岸のいわれ」としました。先日、お彼岸を前に『お彼岸にはどのような意味があるのですか?』という質問をうけたことによります。以前にもこの法話会で取り上げたテーマだったのですが再度お話をさせて頂きました。テーマに入る前の「世相」は『原発事故を真摯に考えたい』でした。

この3月11日は東日本大震災からまる6年、仏教徒は第7回忌法要を営みました。そこで「復旧復興の実体を検証しなければならない。今後必ず発生する大地震への対応。物故者を慰霊する教訓を活かしているか」という問いかけをしました。その上で3月17日に前橋地方裁判所で出された「原発事故の賠償責任事件」について私見を述べました。前橋地方裁判所は「津波の到達は予見できた」「原発事故は回避できた」として、国と東京電力の賠償責任を認める判決を出したのです。「原発事故は人災」ということになります。

これまで原発事故にはさまざまな意見がありました。東電や国の責任を問う意見もありましたが、『大津波は想定外、やむを得ない・・・』という意見があったのも事実です。しかし、今回の判決は明確に国や東電の責任を認めました。私は「今後の適切な対応のために責任の所在を明らかにすること。加害者を裁くことではなく真実を明らかにすることが大切。原発事故は収束していない。膨大な廃炉と賠償経費から原発はリスクに見合わない。原子力事業への真剣な議論がなされるべき。安全安心は利便性や経済効果よりもはるかに優先されるべき」と述べ、一人ひとりが自らの認識と判断を持つことが大切である事をお伝えしました。

続いて今月のテーマ「お彼岸のいわれ」、サブタイトル『生と死、ともに安らぎを』について、「お彼岸のいわれを学ぶ。仏教は彼岸の安らぎを求める宗教。お彼岸の時季には仏道修行の功徳を積もう」というながれで解説。お彼岸は我が国の風習となっている年中行事(由来は平安時代か)であり、そのいわれが悩みと苦しみの此岸(凡夫の住む世界)から、安らぎの世界(仏さまの世界)である彼岸に渡ること。渡るという行為が仏道の修行であることをお伝えしました。

彼岸は宗派を問わず仏教一般の概念といえますが、特に強調されるのは西方極楽世界に往生を願う阿弥陀仏信仰の浄土系の宗派です。しかし、よく考えるならば、私たちは死した後の安らぎも大切ですが、人生の営みそのものに安らぎを得ることがさらに大切だと思います。仏教は「生と死、ともに安らぎを求める」教えであることを理解して、潤いのあるより良い人生を歩むことをお勧めしました。日本の年中行事との一つとして広く親しまれているお彼岸ですが、その意味を自身の人生に活かすことができればさらに意義深いものになると思います。

4月は16日(日)午前11時から法話会を開催いたします。

来月もご家族友人誘い合わせてのご参加をお待ちし。                          相武山 山主

 

2017年03月31日