相武山 妙法院のブログ

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相武山 妙法寺 ブログ

新緑に汗をながして

幼い頃から新緑の芽吹きは初夏と教えられていましたから、初夏は4月の末から5月の初旬という認識でしたが、近年は少し時期が早くなり4月初旬から中旬になったように思えます。それにしても今年は4月にして連日の夏日、驚くばかりです。

そんな陽射しの強い中、20日と21日に境内植栽の伐採と剪定をしました。20日は私一人でしたが、21日は境内整備のご案内をしたこともあり、12名の方が作務にご協力くださいました。境内と駐車場の草取り、墓苑周囲と駐車場のレッドロビンの剪定と処理が主な作務でした。29日に立教開宗会と御虫払法要を執り行うため、少しでも境内を清浄にしたいとの願いによるものです。菩提寺の維持管理に汗を流してご協力頂いた、辻本さん、新倉さんご兄弟、安西さん母子、森さん、久保さん、落合さんご夫妻、熊木さん、鈴木さんには篤く御礼を申し上げます。すぐに日焼けする私はたった2日の日向の作務で額がやけてしまいました。

相武山 山主

2018年04月30日

伝教大師の願文

夜来の雨も上がり新緑が瑞々しさを増した4月15日、今年4回目の日曜法話会を開催しました。前日から雨の予報でしたから参加者も少ないのではないかと思っていましたが、例月とあまり変わらない聴聞を頂きました。

はじめに開催の趣旨をのべて「世相」に入りました。世相のテーマは4月11日に発生した「警察官による発砲殺人事件」です。滋賀県彦根市の河瀬駅前交番で県警彦根署地域課の井本光(あきら)巡査部長(41)が同僚の巡査から拳銃で撃たれて死亡した事件です。事件の概要を解説し、事件を起こした19才の巡査は『厳しく注意された』と動機を供述していることを紹介。
市民の生活と社会の治安と守るべき警察官が発砲事件を起こすなどということは許されないことです。物事の分別もわからいことが多く、感情のコントロールも難しい若者による事件とはいえ実に悲しことで、犠牲者となった方の無念さとご家族の悲哀を思うと悲報にふれたみんなが辛くなります。

学ぶべきこととして、『人間の心には善悪さまざまな要素が具わっていることを認識する。
感情には一人ひとりの人生を左右する大きな力がある。感情も心のはたらきの一つ、自身の感情の動きに注意しよう。アンガーマネジメント(怒りをコントロール)が大切。怒りも自然の感情の一つ、怒り自体に善悪はない。感情などの我が心を見つめるもう一つの心を持ち、バランスを失わぬよう心がける(仏教信仰の眼)。そのためにも仏法信仰が欠かせない』との意見をお伝えしました。

今月のテーマは『続・日本の仏教』について。インドの釈尊によって開創された仏教ですが、その寛容性と多様性によって世界宗教となったこと、また、日本の仏教は日本的仏教であることの認識が大切であることを述べました。その後、仏道では発心、誓願が大切であることを述べ、誓願の意味と菩薩のめざす四弘誓願について解説しました。

初期平安仏教の説明がポイントでしたので、先月ご紹介した伝教大師最澄の願文を訓読で拝読し、参加者の皆さんと倶に伝教大師の澄んだ仏道への思いを学んだ次第です。私はご縁があって若いときからこの願文にふれる機会があり、自らを省みる大切な鏡としています。来月の法話会は13日(日)午前11時からの開催です。テーマは『続・日本の仏教』。平安時代の初期に日本真言密教の宗旨を立てた弘法大師空海について学んでまいりたいと思います。

相武山 山主

2018年04月30日

仏道護持の姿にふれて

4月の初旬、かねてお参りしたいと願っていた奈良県五條市の妙観院と和歌山市の行道寺、和歌山県有田川町の法華寺に参詣することができました。三ヶ寺は当山と同じく法華宗日興門流の仏法を護持伝承する(宗)正信会の寺院です。

五條市の妙観院は覚醒運動の当初運動から転向した寺院のご信徒が大阪の広宣寺様に移籍。その後、広宣寺様と講中が尽力して建立した法華の道場です。当初より山﨑潤道師が住職として赴任され、奈良県では唯一の正信会の寺院として今日まで正法の護持と弘通に精進されてきました。
山﨑師は日達上人の弟子として昭和39年に大石寺で得度されましたから私の一年後輩にあたります。五條市に赴任されて35年くらいになるのでしょうか。25年前からは体調の不調で透析を必要とする状態になりましたが、ひるむことなく奥様はじめご家族と合力し、ご信徒と倶によく妙観院をお護りしてこられたご信心を尊く思っていました。

本堂でお参りさせて頂き山﨑師から今日までのさまざまなお話を伺いました。また。飾らぬ人柄でまじめさが伝わってくる奥様や娘さんと面談できたことも望外の喜びでした。このご家族の協力と支えがあって現在の妙観院が存在しているのだと感じ入った次第。因習も深く布教や護持も難しいであろう土地柄にあって、仏縁と法華経への信仰を大切に思われる山﨑師とご家族の信心に敬意を表して妙観院を後にしました。

奈良県五條市から和歌山市の東に位置する吐前(はんざき)町の行道寺へは高速道路が開通しているのでわずか1時間少々。奈良や和歌山の交通インフラの整備が進んでいることを実感しました。行道寺は和歌山市の妙海寺で覚醒運動に精励しておられた岩島行道師が病床に倒れ、覚醒運動の継続を願われていた岩島師が事前に用意をされ、その意志を継がれた弟子の詔行師がご信徒と倶に建立した法華の道場です。

二階建ての本堂にお参りさせて頂き、その後、詔行師と奥様から妙海寺当時のお話、妙海寺岩島師の逝去から寺院の退出、さらに行道寺開創の経緯を伺いました。それぞれが置かれた環境のなかで仏道の護持に努めなけらばならないのは当然かも知れませんが、環境の変化を乗り越えることが容易でないことは世出両道にいえることですから、大変ではなかったかと想像いたしました。これからも有縁僧俗が異体同心して精進され、和歌山の地に富士日興門流の法義と信仰が護持伝承されることをお祈りいたしました。

翌日、曇り空に時折小雨が降る中、和歌山市から有田川町の法華寺に向かいました。高速道路を30分も走らぬうちに有田川町ですからここでも交通インフラの良さを知りました。法華寺は同町の妙音寺僧俗が覚醒運動のさらなる推進を願って建立した法華の道場です。妙音寺住職の藤村聴道師は覚醒運動当初から参画された方で、その志は以来寸毫も揺るぐことなく今日に至り、覚醒運動こそ宗開両祖の御心に適うものとの固い信念のもと、全力を挙げて法華寺建立に尽力されました。
時間をかけて菩提寺建設に取り組まれた藤村師は、この間、弟子道監房を育成されて正信会の教師に導き、講中の信心を督励して平成28年秋に落慶式を執り行いました。その仏道精進のお話を親しくうかがうことができたことは実に有り難いことでした。法華寺は現在本堂だけの建立ですので、これから庫裡を建設して運動のために万全を尽くしたいという希望をうかがい、願行成就を心よりお祈りして帰路についた次第です。

奈良・和歌山両県で富士日興門流の法義と信仰の護持伝承に努められる三ヶ寺を参詣させて頂き私はとても感激しました。それぞれ布教や法燈相続が難しい土地柄にめげることなく、自身の信仰を磨きながら有縁檀信徒の方々とともに仏道精進される姿はとても尊いものと私の心に映ったからです。
私もさらなる精進を重ねて行こうと熱い思いが自然に湧いてまいりました。

相武山 山主

2018年04月29日

名残のサクラの下で

サクラも盛りを過ぎ穏やかな春の日曜日となった4月の1日。月例のお経日(毎月初日に執り行う仏祖三宝尊への報恩謝徳、本山の開基旦那である南条時光への供養と檀信徒各家の先祖供養のための法会)に御信心の篤い皆さんが参詣されました。
御宝前にはお供物を供え、願いでのあった塔婆を建立して、参詣僧俗ご一緒に法華経を読誦、日蓮大聖人ご証得の南無妙法蓮華経のお題目をお唱えして仏道の功徳を積ませて頂きました。

私からの挨拶の後に法話は執事の興厳房が担当しました。妙風新聞の「御心を拝して」のページから『清澄寺大衆中』を拝読して、宗祖の立教開宗の御事跡を丁寧に解説し、衆生救済のその大きな慈悲の心を述べると倶に、仏縁を頂いた私たちは法華経を人生の燈明として信行を磨いて参りましょうと語りました。

その後、寂静庵の裏手に設けられているペット墓「慈愛」に皆んなで移動。納骨されているペット諸霊のために香華を供え、名残のサクラの下で自我偈を読誦、お題目をお唱えし慰霊のまことを捧げました。

現在、犬や猫などのペットへの意識は昔とは大きく異なって来たように思います。かつては番犬や飼い猫と呼ばれていることもあったペットですが、現代ではまさに家族の一員。日々ともに生活をし、苦楽もともにしながら愛されたり癒やされたりという関係にあり、人生において大きな存在となり思い出ともなっています。
そのペットを失ったときの精神的ダメージは「ペットロス」といわれて実に辛いことですが、穏やかに眠る場所を得られて家族同様の慰霊がなされるならば、きっとペットも家族も心安らかになるのではないかと思います。当山がペット墓所「慈愛」を設けたゆえんです。

慰霊祭の後は本堂と回廊で名残のサクラを愛でながら桜湯と梅昆布茶をみんなで頂き、穏やかな春の陽射しの中しばしの歓談を楽しみました。
本堂前に設けられた天水鉢にはサクラの花びらが一面に広がっていました。

相武山 山主

2018年04月28日