相武山 妙法院のブログ

相武山 妙法院のブログです。

相武山 妙法院

  • HOME
  • 相武山 妙法院
  • お知らせ&行事案内
  • 道の心得
  • 法話会
  • 墓苑・永代供養墓
  • 自然に親しむ
  • 交通のご案内
  • ブログ
  • サイトマップ

045-442-7688

  • ご相談について

〒241-0806 横浜市旭区下川井町1590-1

相武山 妙法寺 ブログ

2月度の法話会

2月18日は日曜法話会でした。約40名ほどの参加聴聞を頂きましたが、驚いたことに初めての参加者をふくめ一般の方が半数近くをしめ、檀信徒の皆さんとあまり変わらぬ様相となりました。法話会の趣旨が「仏教に親しんでいただく」ことですから、実に有り難いことと思いましたが、初めての方でも当山の敷居が高く感じられなかったようで、うれしく思いました。お寺の敷居をできるだけ低く、誰もが気軽に訪ねられる法華の道場であることを願っている当山としては、これからもご縁の輪がゆったりと広がって行くことを希望しています。

2月度法話会のテーマは前月の積み残しで、『続・日本仏教 ー平安仏教と伝教大師最澄ー』でした。初めに法話会開催趣旨を説明し、続く「世相」は『冬期オリンピック』。すでに閉幕となりましたが、法話会の前日にはフィギャスケートで羽生結弦選手が金メダルをとるなどアスリートの活躍がクライマックスを迎える頃でした。オリンピックは4年に一度のスポーツの祭典、アスリートたちの才能と努力とチャンスの邂逅する世界です。競技に臨む世界中のアスリートたちの活躍には多くの人が新鮮な感動を覚えます。

私は前々日までの高梨沙羅・高木美帆、二人の女子アスリートの活躍について所感を述べました。高梨選手は4年前のソチオリンピックでメダルを期待されながら4位に終わり、今季の選手権でも以前のような大活躍は見られませんでしたが、悪天候の中、見事に銅メダルをとりました。高木選手は前々回バンクーバーオリンピックで最年少の中学生で選抜された女子スピードスケート選手。将来を期待されながら次のソチオリンピックでは選抜されませんでしたが、今回は女子スピードスケート1500m銀メダル、1000m銅メダルを獲得しました。

二人の選手に共通しているのは悔しさなどの思いをバネにして、心・技・体すべてに大きく成長した姿です。このような姿は二人だけのものではなく、古今東西いずこにも見ることができ学ぶことができるものです。二人の「自らの立てた志を信じてたゆみない努力を尽くす姿勢。悔しさをバネとし可能性を信じるチャレンジ精神。志と実行の人生に失敗なし」という姿について所感をのべました。

続いて「成功と失敗を考える機会」として、見識高い先達の『成功と失敗についてのコメント』をレジュメに沿って紹介し私の意見をお伝えしました。ここで時間がかかってしまいメインテーマに入ることはできませんでした。来月は時間配分を間違えぬようにしたいと自戒しています。

相武山 山主

2018年02月28日

池に濾過器を設置

一昨年の冬に港南区の中澤さんによって玄関参道脇に鯉の遊泳を楽しむ池が作られました。横長で少し深いこの池に去る2月8日、しっかりとした濾過器を取り付けました。昨年は残念なことに池の水の管理調整に失敗してしまい、その反省のもとに今年はたしかな濾過器を求めて専門家に設置して頂いた次第です。

当山に参詣される方に少しでも微笑んで頂きたいと願っての池の構築でしたが、水をきれいに維持して鯉の遊泳を楽しんで頂くためにはかなりの努力が必要ということがわかりました。これからも池をしっかり管理して参詣の皆さまに喜んで頂ける環境を調えて行きたいと思っています。なお、鯉の鑑賞には十分ご注意下さい、ことに子供さんの動きには目を離さないようにご注意願います。

相武山 山主

2018年02月28日

荘厳は信心から

2月16日の宗祖誕生会(たんじょうえ)を前に、中区の酒井さんご夫妻から当山に天水鉢が御供養されました。3年後の平成33年2月に宗祖日蓮大聖人のご生誕800年を迎えることから御報恩謝徳のためということです。まことに浄く尊い御志と存じます。
天水鉢とは本堂正面の両側に屋根からの雨水を受ける鉢のこと。昔から寺社などで屋根の大きさを活かして雨水を防火用や打水用に溜めておくために、建物正面の両側に対で置かれているものです。実用的なものですが本堂を荘厳するための仏具ともなります。

仏教寺院の本堂そのものが仏法と御本尊様を荘厳申し上げる存在ですが、境内から本堂に向かってお参りするとき、その前に置かれる天水鉢は荘厳さをさらに増すことになりますから実に有り難いことです。

仏法への信仰が深まってきますと自然に仏道や御本尊様を荘厳申し上げたいという心が芽生えてきます。家庭に仏壇を安置することも、お水を供え、お灯明をともすことも、香華を捧げることも、みなすべて仏さまとその教えを信じ敬う信仰心の発露に他なりません。その心は修行へと昇華して行きますから、修行は御仏とその教えを信じ敬う心の証といえるでしょう。

当山は開創以来ご縁を結んで頂いた一人ひとりの方々のご信心によって今日まで護持されてきました。この度の酒井さんご夫妻の志をはじめすべての方々の清浄な志は、必ず仏祖三宝尊が御覧になっておられ、また、寺域境内と堂宇をあずかり、仏法の教えを護り伝える僧職として深く感謝申し上げるところです。

今まで当山では天水鉢を設える余裕がなかったため、境内整備に尽力頂いている川脇さんが六方石を巧みに利用して本堂前の景観を調えて下さいました。その志にも感謝を申し上げ、六方石は別の場所で活用させて頂く予定です。当山は非力な新設の法華の道場ですから境内や堂宇の整備は亀の歩みのようですが、これからも同志の方々と手を携えて日蓮大聖人の教えを護り伝えて行くために仏法荘厳に努めてまいります。

相武山 山主

2018年02月28日

仏道には修行の二文字

仏教信仰には「修行」という厳しい二文字が常について回り、そのために発心はできても継続できずに信仰を手放してしまう方が多いことは古来からの習いです。その修行の二字に「寒中」が加わるとさらに厳しさが増すことになり、修行はさらに重みを増してしまいます。この冬は多くの方が素直にうなづかれるように例年よりも寒さがまさっているような気がいたします。厳冬・厳寒とくれば私たち日蓮門下にとっては、佐渡や身延での宗祖とお弟子方の生活がすぐに胸に浮かんでまいります。そして己れの信仰心を確かめることとなります。

冬枯れの光景が広がる二月は当山にとっても寒中の法会が続きました。1日は月例の御経日、3日は節分会、7日は御開山日興上人報恩会、そして18日は宗祖誕生会でした。それぞれに篤信のご信徒が参詣され、ともどもに法会の意義を踏まえて勤修(ごんしゅう)申し上げることができ有り難く存じて居ります。御経日では当門流の先師先達への御報恩を申し上げ、節分会では障魔を払い厄年のご祈念を申し上げました。興師会では御宝前に日興上人ゆかりの芹をお供えして御報恩を申し上げ、宗祖誕生会は18日の日曜日、法話会に引き続いて大聖人さまに御報恩の誠をささげた次第です。

日蓮大聖人は上野殿後家尼御返事に『法華経の法門をきくにつけて、なをなを信心をはげむをまことの道心者とは申すなり。天台云く「従藍而青」云云。此の釈の心はあいは葉のときよりも、なをそむればいよいよあをし。法華経はあいのごとし。修行のふかきはいよいよあをきがごとし』と法華経修行を励ましておられます。

寒中に菩提寺に参詣することは信仰心がなければできないことで、また、志があっても体調などが調わなければ叶いませんから容易なことではありません。仏道の信仰には修行の二文字が備わっていることに思いをいたし、ご信心の篤いご信徒と倶に寒中の信行を勤められたことに感謝しています。

相武山 山主

2018年02月27日

萩野さんとの約束

横浜市の北西、旭区下川井町に妙法院を移転新築したのが平成22年の11月。当山は開創以来檀信徒の皆さんと手を携えて仏道護持に努めてまいりましたが、この地でもすでに8年の歩みを刻みました。新寺建立の目的は「さらなる仏道の護持と弘通(法華経と日蓮大聖人の教えを護り伝えること)」でしたから、落成の翌春から毎月1回、『仏教に親しんで頂きたい、仏教と信仰を正しく理解頂きたい』と願って日曜法話会を開いてきました。本来寺院の存在は仏教を護り伝えることが本義ですので、その存在と活動のすべては布教につながっているものですが、当山の日曜法話会は一般の方々に少しでも仏教をお伝えし、仏縁を結んで頂きたいと意識して取り組んでいるものです。

【萩野さんとの約束】
この法話会は私にとって自らに課した大切な信行ですが、また、新寺の建立をきっかけに12年前に出会った萩野さんとの約束でもありました。萩野さんはお寺の裏手に住んで居られた地元の方で、墓苑開設の計画でご挨拶にうかがった時が初めての出会いでした。墓苑の新設工事などで度々言葉を交わすようになりますと、穏やかで見識も高く人徳も備えた方であることがわかりました。萩野さんには墓苑の新設や寺院の建設に温かく理解を頂いたばかりか、地域の方々にも開発に理解をもって頂けるよう陰に陽にご協力を頂きました。当山にはご恩のある方と今に深く感謝をしています。

萩野さんは地域の歴史や文化や習俗にも詳しく、また仏教にも関心をお持ちで知識も豊かなものがありましたから、お会いしたときにはしばしば仏教や信仰にも談が及びました。萩野さんは信心深い方で新寺の起工式や上棟式にもお祝いをお寄せになり、『落成も楽しみにしています』と言われ、『お寺ができたら法話会など開いて仏教のおしえを説いて下さい、お坊さんが仏さまの正しい教えを話されれば、人も救われ社会も善くなるんですから、私もうかがいますから・・・』とも仰っていました。私も社会に開かれた法話会を考えていましたので落成のあかつきには開催することを決めていました。

しかし、新寺落成の前に萩野さんは病床に伏すこととなり、楽しみにされていた法話会には一度も参加されることなく平成23年4月に逝去されました。私は訃報を聞いてすぐ弔問にうかがい、静かにやすまれていた萩野さんに読経・唱題を申し上げて冥福を祈り、ご厚誼を頂いた御礼と前月に初めて開催した日曜法話会の報告をいたしました。当山の日曜法話会にはこのような萩野さんと私とのささやかな願いと思いも込められています。

その法話会も今年で8年目を迎えました。第1回目の法話会は前述のとおり平成23年の3月でしたが、けっして忘れることのできない東日本大震災の直後でした。前日の夜まであれこれと考えながらレジュメを作ったことを覚えています。法話会は始めに「開催趣旨」をのべ、次に「世相」を取り上げて仏教的な視点から私の所感をのべ、次に当月の「テーマ」について語るというかたちにして現在に至っています。

【1月の法話会】
今年初めての法話会は1月の21日でした。毎年1月第2週、当山近隣の旭・保土ケ谷・瀬谷三区の新聞に折り込まれる地域広報誌に法話会開催の小さな広告を掲載していますが、今年も1月から11月までの開催日一覧を広報しました。ありがたいことに事前に電話のご連絡を頂いた方を含め初めての参加者が4名。その他檀信徒の方々や常連となられた方々など例月のように約30名ほどの参集を得て一緒に仏教の世界を愉しみました。

開催趣旨について説明した後、『世相』は「年の初めの祈り」と「豪雪に電車立ち往生」の二題。はじめに取り上げた「年の初めの祈り」では、普段宗教や信仰に関心が乏しいといわれる我が国でも、正月には国民の8割もの人が寺社仏閣などに参詣したり、初日の出など大自然を意識できる所に行って、敬虔な祈りを捧げ願いを立てることを常とします。まるで国民皆が日頃から仏神を深く敬う信仰者であるかのようです。

年の初めには誰もが立ち止まって自らと人生を見つめる時間の余裕を得ることができるからかもしれません。また、年の初めにあたって本能的に誰もが自分自身の力だけで生きているのではなく、不思議で偉大な力によって生かされ育まれ支えられているという真理に気づくのかもしれません。仏教で説かれる「止観」(止とは精神を集中し、心が寂静となった状態、観とは対象をありのままに観察すること)という言葉を通して、自らを生かし支え育んでいる存在(妙法)を覚知し、その存在に畏敬の念を抱いて新春のスタートを切ることの大切さをのべました。

次に取り上げた「豪雪に電車立ち往生」では、1月11日夜、JR信越線の新潟発長岡行き普通電車が新潟県三条市の踏切付近で走行不能となり、乗客約430人が車内に閉じ込められた事故が話題でした。。電車は約15時間半後の12日午前10時25分ごろ移動となり乗客も解放されましたがJR東日本の対応に対しては賛否両論があるようでした。事故の状況とその時の乗客や家族の心情を紹介した上で、「人生いつ何が起きても不思議ではないという認識が肝要であり、諸法は実相、事物事象をできるだけ正しく理解するように努めること。認識も対応も一人ひとり違いがあることを知ること。人生はすべてが学び、学びとできるか否かが問われていること」など私の率直な意見を申し上げました。

メインテーマ「続・日本の仏教」、サブタイトルー平安仏教と伝教大師最澄ーは、いつものように世相の話が長引いてしまい、本題に入れずに仏教の多様性と寛容性について、また、日本の仏教は日本という環境において成立している仏教であることを解説したにとどまり失礼をいたしました。

法話会に臨む時にはいつも萩野さんとの縁を思い出しながら、萩野さんが参加聴聞されているということを忘れることなく務めてまいりましたが、これからもその気持ちを大切に仏道の啓蒙に精進して行きたいと願っています。

相武山 山主

2018年02月26日