相武山 妙法院のブログ

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相武山 妙法寺 ブログ

秋のお彼岸とお花づくり

秋の彼岸が近づくと当山の周囲では田んぼの畦や畑など、そこかしこで彼岸花が咲き始め、尾花とともに秋の到来を告げてくれます。今年は境内にも数カ所に彼岸花が咲き参詣者をお迎えしました。

7月と8月にはお盆の法要もありますから、9月のお彼岸は割愛という方も少なくありませんが、19日の彼岸の入りと22日のお中日の法要には、両日ともに雨天にもかかわらず多くの方がお参りになりました。法要や墓所へのお参りは信仰心と有縁精霊やご先祖への思いがなければできませんから、その姿は実に有り難いことと敬意を表します。

法要では御宝前と精霊壇に献膳と供物をそなえて参詣の皆さんと読経・唱題。真心からのお焼香をささげてお彼岸の追善供養を申し上げました。法要後には「光日上人御返事」の『光日尼御前はいかなる宿習にて法華経をば御信用ありけるぞ。又故弥四郎殿が信じて候ひしかば子の勧めか。此の功徳空しからざれば、子と倶に霊山浄土へ参り合はせ給はん事、疑ひなかるべし ー中略ー 今の光日上人は子を思ふあまりに、法華経の行者と成り給ふ。母と子と倶に霊山浄土へ参り給ふべし』を拝読。

子息弥四郎に先立たれた光日尼に対して、「親子の深い絆とたしかな法華経信仰によって母も子も倶に霊山浄土に参るであろう」という日蓮大聖人の励ましの心を解説。さらに現代は人情も薄くなりがちですが、人生におけるさまざまな人間関係を大切にして、人情の織りなすおもしろさも味わって頂きたい。また、私たちは生老病死の無常を免れない存在であることを自覚して、一日一日の生活を大事にするとともに、信仰者として来世の在ることを信じて信行には励むことをお勧めしお彼岸の法話としました。

【お花づくり】

日蓮門下では深まる秋に日蓮大聖人御会式(おえしき)を迎えます。御会式は日蓮大聖人の「滅不滅(めつふめつ)・常住此説法(じょうじゅうしせっぽう)」を御祝い申し上げる門下最要の法会(ほうえ)です。御会式には古来桜の花を作って御宝前を荘厳する習いがあり、今年もその準備が始まりました。去る13日の御講とお彼岸の後に時間のある有志が客殿で花作りの作業を行い、葉っぱは数人の方が持ち帰って自宅でつくり、10月に入ってから竹ひごにフローラテープで巻きつけて行きます。お花づくりが初めての方もいましたが、先輩信徒が丁寧に一緒に作業してくださったので楽しくお花づくりをしておられました。

当山の今年の御会式は10月29日(土)午後6時よりお逮夜法要、翌30日(日)午後2時より御正当法要が執り行われます。お花づくりは1日のお経日と13日のお題目講の後、16日(日)の日曜法話会の後に行い、境内清掃は23日(日)午前10時より行います。御会式を荘厳申し上げるため皆さまのご協力をお願いいたします。

相武山 山主

 

2016年09月30日

現実を受容してこそ

9月の日曜法話会は11日に開催。秋の長雨の走りのような天気で、時折横なぐりのような雨でしたがいつもの皆さんが笑顔で参集されました。「世相」はパラリンピックを話題にした「感動を覚えるこころ」。さまざまな障害を乗り越えて活躍するアスリートの姿を紹介し、障害に負けることなく自身の夢と希望を追い求める精神に感動したことをお話ししました。

より良い人生を歩もうと志すならば人生に平坦な道などありませんし、誰もが順風満帆とばかりにはまいりません。思うようにならないのが人生とさえいえるでしょう。もちろん、さまざまな困難や壁がその人を成長させ、人生の本当の意義と喜びを与えてくれるのですが、そのことに気がつき理解できるのは人生も終盤にさしかかった頃になります。

人生のまっただ中では、愚癡や不平や不満に陥り、あれこれと他人のせいにしたり、恵まれぬ環境のせいにしたり、社会や時代のせいにしがちです。そこでは深く自らと社会を見つめ、いろいろな制限や束縛や現実を認めた上で、限られた人生であることに思いをいたし、可能性を信じて精一杯前向きに生きようという気概を見失いがちになることがあります。

意義深い人生とするか否かの第一歩は、すべての現実を認めことができるかどうかにかかっているといっても過言ではないでしょう。他人との比較や競い合いに追われたり、持ち得ぬ才能や能力にこだわったり、取り戻すことのできない過去にこだわって現実を見ようとしなければ、より良い人生を歩むことなどできませんし、人生を満足して閉じることもできないと思います。

夢や希望をもって明るく人生を歩む人は、まずは現実を受け容れた人といえるのではないでしょうか。すべては現実を受容する(仏教では正見)というところからスタートし、後はいかに志に向かって不断の努力をしているかということが問われているようです。

パラリンピックにはさまざまな理由によって障害を持つことになったアスリートが参加していました。彼らは自らの障害と現実を真っ直ぐに認めた上で、夢と希望をしっかりと掲げ、心身共に鍛え上げて競技に臨んでいました。その姿勢には学ぶことばかりですが、学び以上に深い感動を覚えたことに感謝をしています。

相武山 山主

2016年09月30日

盛夏に涼風

平成22年秋、旭区に新本堂の落成をみて早6年。経済的な余裕のない妙法院の大事業でしたから、融資を受けての建設であり落成したとはいえいろいろと未整備のままでした。その後、できるところから少しずつ堂内諸設備や境内の整備を進めてきています。常日頃お参りされている方にはその変化もおわかりのことでしょう。

当初より本堂や客殿には空調設備の準備をしていましたが、経済的には設置が難しい状況で時間がかかるのもやむを得ないと思っていました。しかし、地下形式になっている客殿は梅雨時には湿気が多くカビもひどくて悩んでいたところ、2年目にある方より空調をご供養したいという申し出があり、有り難くお受けして気持ちよく客殿をつかうことができるようになりました。本当に助かりとても感謝しています。

ここ数年、猛暑の夏には本堂にも空調があれば良いなと思っていましたが、『緑の森を抜ける涼しい風もあるからしばらくは我慢してください』と檀信徒の皆さんにはお伝えしていました。それでも猛暑の中、汗をかきながら参詣されるお姿を拝見していると、なるべく早く空調を入れないといけないなと思っていましたし、近年の猛暑は半端ではありませんから設置を急がなければと考えていました。

そんな夏の初めにある方から、『エアコンをご供養することはできませんが、頭金くらいのご供養をさせて頂きたい』という思いもかけない有り難い申し出を受けました。そこで本堂の空調にどのくらいの経費が必要かと業者に聞いてみたところ、『頭金さえあれば後は長期の低金利ローンでいかがでしょうか』ということでしたので思い切って設置することにしました。

業者の方の温かい配慮で、月遅れのお盆の前日には設置工事が行われ、今年の夏は涼風を感じながら行事や法要を執り行うことができました。設置を知った方々からは『涼しくて助かります、気持ちよくお参りができます』と喜んで頂きました。涼風が檀信徒の皆さんの信行増進に寄与することを願っています。

釈尊の昔から仏道の道場である精舎(寺院)は有縁檀信徒の浄財よって寄進護持されてきました。寺院も他の施設同様に護り維持する力がなくなれば存続することができません。当山も開創以来、檀信徒の皆さまからのさまざまな浄財によって護持されてきたのです。お金の余っている人など世の中何処にも居ませんから、皆さん生活の工面をして浄財をご本尊様にお供えになられます。それは仏法信仰に寄せる志で、仏道と自身の信仰を護るためであり、三世の功徳を積むことになると信じての行いです。

三宝(仏・法・僧)への浄財はご供養や御布施とよばれ実に尊い修行ですが、それが強制されたものであったり、愚癡(ぐち)が出るようなものであったり、驕(おご)りに通じるものであっては意味がありません。浄財は仏道信仰の悦びからなされるものであり、その喜捨がまた信仰を深めるものでなければならないのです。今回寄せられた志もより信仰を深めるものであることを信じております。

相武山 山主

 

2016年09月29日

遠路のお参り

月初めの6日(火)、伊東市から樺山さんがご母堂様の23回忌法要のためにお参りされました。ご自宅から当山までは約3時間半くらいでしょうか、遠路のご参詣でした。奥様は足腰の不調にてお参りできませんでしたが、娘さんの敦子さんと三郷市にお住まいの弟の資義さんもご一緒でした。

樺山さんは昭和56年の当山開基当時からのご信徒で、同年2月7日の入仏開所式にも参列頂きました。已来ご家族でご信心を大切にされて現在に至っています。開基当初は戸塚の樺山さんのお宅でしばしば宅御講を開かせて頂き、勤行・唱題をつとめて御書を拝読、地域の方々と信行に励んだことがつい昨日のことのように思い起こされます。

23回忌を迎えた樺山さんのお祖母ちゃんは体調をくずされるまで月例の行事によくお参りされ、言葉の遣い方にも注意されるまじめな性格の方でした。ことに毎日の勤行の後には御書の拝読を日課とされ、「声に出して御書を拝読していると元気になります。信心の喜びの一つです」という声が今も私の耳に残っています。

時の流れはまことに早く、樺山さんのお祖母ちゃんが霊山に旅立たれてもう22年が過ぎ、樺山さんご夫妻が平成12年、自然豊かな伊東市に転居されてから16年ほどになります。ご夫妻は毎年日蓮大聖人の御会式とお正月には必ず当山に参詣されますが、近年奥様の参詣は難しくなってきました。だれもが等しく齢を重ね病を得るのですからやむを得ないことですが、昔からの信心篤い檀信徒の方々が、参詣したくても叶わないことは残念なことです。しかし、何処にあってもご信心の志は仏祖三宝尊が御照覧のことですから、法華経の信仰は今の自分の環境でできる限りの信行に努めようとすることで良いと思います。

樺山さんが23回忌の法要をお勤めになり、霊山のお祖母ちゃんもきっと喜んで居られることと思います。私もお祖母ちゃんのことや当山開創の頃を懐かしく思い起こしました。

相武山 山主

2016年09月29日

二年ぶりのお経参り

例年6月から9月頃にかけて当山では檀信徒宅へ「お経参り」にうかがっていますが、今年はほとんどうかがうことができませんでした。夏の前から法務はもちろんのこと、あれこれと仕事が重なっていた上に、都築区法因寺の阿部信光師が逝去され、その葬儀や明渡し退出作業などもあったためです。

それでも何とか都合のついたご家庭十数軒ほどにはお参りにうかがいました。9月4日には2年ぶりに中区山手の坂上さんのお宅に伺いました。ご主人はリタイアされる前から腰痛にて何かと生活に不便を来していましたので、7~8年ほど前からは参詣もままならないご様子です。奥さんは二男の政治さんとご一緒に参詣されることはありますが、ご主人とは私がお経参りに伺って面談するのが唯一の機会となりました。

ご信心の篤いご夫婦が当山とご縁を結ばれたのは約34年前のことです。ご夫婦には法華講の役員を務めて頂き、常にお寺の諸行事にご尽力を頂きました。当山の記録ビデオはすべてご主人によるものです。奥さんも今井静子さんとコンビを組んで頂き、長く法華講の会計をお務め頂きました。そのご夫妻も共に80歳の声を聞くご高齢となりました。お参りの後には昔話を中心に親しくお話ができうれしく思いました。

その後、近くの吉田さん姉妹を訪ねました。お二人は昭和56年の当山開基当時からのご信徒ですが、高齢と体調不良のために参詣できなくなって十数年となります。その吉田さん宅にも2年ぶりのお参りでした。義妹さんは檀信徒の皆さんから「みほちゃん」と呼ばれて親しまれておりましたがもう80歳を迎えます。

また、義姉の与志子さんは聡明で信仰の篤い方ですが94歳になりました。それぞれのご本尊さまにお参りした後、久しぶりにゆっくりと近況と信仰を語り合うことができました。お二人ともしみじみと「信心していて良かった」と仰っていましたが、与志子さんは先立たれた息子の稔さんに「100歳まで頑張ろう」と言われたことを励みにしていると語っていましたから、きっとこれからも寿命をさらに延ばされることでしょう。お二人との再会を約束してきましたので明年もお伺いしたいと思っています。

「お経参り」はタイミングが合わないと伺えませんが、ご本尊様へのお参りと共に檀信徒の皆さんと親しく面談できる有り難い機会となっています。これからも時間をつくってできるだけ多くのお宅にお参りしたいと願っています。

相武山 山主

2016年09月28日