相武山 妙法院のブログ

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相武山 妙法寺 ブログ

互いに啓発し合う

去る3月9日(日)、午後1時より静岡・神奈川の同信僧俗が当山に参集し大会が開かれました。妙法院は法華経と日蓮大聖人の教えを学び信行する法華の道場です。宗祖はそのご入滅にあたって六老僧を選定されたこともあり、その教えの難解さや各門流の特性や地域性などもあって、日蓮大聖人を宗祖とする門流門派はいくつかに分流しています。
当山は宗祖の教えを忠実に継承された白蓮阿闍梨日興上人を祖師とする「富士日興門流の法義と信仰」に立ちます。
日興門流の法義は宗祖の法華本門の教えを根本としています。その基本的信仰を端的に示すならば、末法の法華経の行者を久遠元初の仏と尊崇し、煩悩を断尽できない末法の荒凡夫を成道へと導く本因妙の教えを立て、法華経の法魄である南無妙法蓮華経を末法の本尊として受持することになります。そのような日興門流の信仰を大切にする静岡・神奈川の僧俗が集い、信仰を確認するとともに互いに信行錬磨を啓発する大会の開催です。

開催にあたっては当山講中世話人の方々が10時頃に参集。新倉さん、熊木さん、落合さん、小原さん、阿部さん、皆んなでテントを張り、受付の準備には松浦さん、熊木さん、奥田さん、阿部さん、中澤さんがあたりました。そして「ショウガ汁」の接待準備に落合さん、久保さん、芦川さんなどがあたりました。その後、場内、場外、駐車場と諸役を分担して参加者をお迎えしました。

穏やかな晴天に恵まれ、午後0時30分頃には約150人ほどの信徒と僧侶13名が参集。開始時間を10分ほど早めて開催され、始めに参加僧俗一同に勤行唱題を申し上げました。大会の司会進行は中澤俊彦さん。はじめに熊木真治さんが開式の辞、次に太田年太郎さんの幹事長挨拶、続いて静岡の雪島徳司さんと神奈川の海保孝子さんの所感発表.

その後、千葉県円乗寺住職丸岡文乗師より講演を頂きました。講演では「信仰も覚悟が定まってこそ実がもたらされることと、法華本門の教えにおけるご本尊の拝し方」が丁寧に語られました。開催寺院住職挨拶では、私から「聖人の御義に生きるということ、爪の上の土として一信二行三学に励もう」と申し上げました。大会は大石壽太郎さんの閉式の辞で閉会となりました。

帰路につかれる参加者には本堂前でショウガ汁を賞味して頂きました。皆さん大会の感想などを語り合いながら午後2時30分頃無事散会となりました。ご協力頂いた世話人の方々には御礼を申し上げます。
所詮、信仰は個々人の内なる心に置かれるもので在り、求める信仰や学ぶ教えは同じであっても、それぞれ環境も違えば意見も異なるのが当然ですから、信仰といっても同じ色に染められる必要はありません。それでも折々に同志が集いあい、意見を交わしたり啓発し合うことは信行の励みとなりますから、大会なども有効に活用頂きたいと思います。

相武山 山主

 

2014年03月19日

河津ざくらが咲きました

ようやく厳しい寒さも峠を越えたようで、墓苑の南側に植えた「河津さくら」が咲き始めました。保土ケ谷区の老川さんがお持ちになった苗木を植樹してもう6年くらいになるものです。河津さくら特有の少し強いピンク色の花が特徴です。桜もいろいろな種類が在り、私はどちらかというとソメイヨシノのような淡いピンク色の花の方が好きなので、失礼ながら老川さんにも「あまりわたし好みの色ではないんですが・・・」とお伝えしましたが、気持ちは移ろいやすいので、気が変わるかなと思っていましたら、そうです。やはり桜もそれぞれの持ち味があって、観る側の先入観をとりのぞけば、すべてがすばらしい色彩に映ります。己れの浅はかさにも気づかされた次第でした。

例年お彼岸やお盆などの前にはいろいろな事情で当山にお参りができない方々から、ご本尊様への御供養やご先祖・有縁精霊への追善供養のため塔婆願いをお受けします。菩提寺を一つの縁として仏の道を護ろうとされるご信心、ご先祖やゆかり深い方々への思いがこめられた供養は倶に尊いものと存じ、その都度御宝前にお供えしてその志を懇ろに申し上げております。
今年の春のお彼岸を迎えて、先日戸塚区の小林さんから塔婆願いと彼岸会と建設への御供養が届きました。小林さんは今年94才を迎えることになると思いますが、当山開創からのご信徒で信仰心の篤い方です。以前より足腰が弱くなられて外出が難しくなっていましたが、最近は横になることも多くなったとうかがっていました。手紙を書くことも辛いのではないかと案じておりますが、頂いたお手紙は短いものですが、老境における小林さんの心中がよく伝わってまいります。少しでもこころ安らかにあって頂きたいとご本尊様に祈念申し上げ、ご返事も差し上げましたが、一緒に信仰に励まれた同志の方々にも近況を伝えられたらと思いここにご紹介させて頂きます。

『いつもお便りすみません。私はとうとう歩行が出来なくなりベットの一日生活です。現在は息子に全部任せていますので、何にも自由にならなくなり情けないと思います。歳を取り、動けぬ自分が悔しく「なんで、なんで」と思います。それでも、大聖人様の教えを信じて、老後をなんとか楽しく終わりたいと思うばかりです。
今はお寺よりの便り、又中澤さん菊地さん坂上さんとのお便りが何よりの楽しみです。信心してきて本当に良かったと存じます。元気な時にもっともっとお寺に行って、ご住職の法話を聞いていたらと今になって悔やまれます。今はただただ御本尊様に一日一日平素に過ごせる様、お題目を唱えて居ります。お寺も立派になられて長生きして良かったと存じます。
今後ともよろしくお願い致します。   小林
御尊師様』

短い手紙ですが、行間からは小林さんのさまざまな思いがにじみ出ているように感じました。私は朝の勤行と夕べの勤行には、常に檀信徒をはじめご縁を結ばれた友の会の皆さんの当病平癒とご健勝をお祈りしています。外護を頂き心を寄せて頂きながら、僧侶のできることといえば、己れの信・行・学を深め、誠意をもってご縁のある方々の無事と活躍を祈る事しかありません。これからも心を込めて有縁・無縁の皆さんの泰平を祈ってまいりたいと存じます。

相武山 山主

2014年03月17日

感謝と愛情をこめて

法事を営みました

3月2日、 野中家の第23回忌法要が当山で執り行われました。しばし音信が途絶えていた野中さんから久しぶりのお電話を頂いたのは1月の下旬でした。いろいろと事情があって新寺院移転の前後から連絡が不通になっていました。移転から3年が過ぎていましたから旧寺院に連絡がつかず、野中さんは電話で「妙法院を探しました」というお話でした。今年がお父様の23回忌にあたっており、しばらくお父様の供養をしていないので、法事を執り行い追善の供養をしたいというお申し出でした。

野中さんとは22年ほど前、保土ケ谷区の故関根さんの引き合わせで、野中さんのお母様とお会いしてからのご縁。平成4年にお父様の葬儀を勤めさせて頂き、その3年後にはお母様の葬儀もお勤めいたしました。その後、3回忌や墓地の御開眼、7回忌までは折にふれて追善供養をしておられましたが、野中さんも2度ほど転居されるなど、このところご縁がうすくなっていました。
この度はお父様の法事を行いたいとの心優しい発願です。「お母様も3年後に23回忌ですから、ご一緒にされては如何ですか」とお伝えしたところ、賛同頂きましたので当日はご両親様の23回忌を執り行いました。その昔若々しかった息子さんと娘さんも家庭をお持ちになり、それぞれに娘さんも授かってすっかり落ち着かれているご様子、家族皆んなで参列頂きました。精霊壇には参詣者一人ひとりによるお塔婆を建立され、倶に読経・唱題・焼香と心を込めてご供養を申し上げました。いつものように読経の後には10分ほどの法話を申し上げましたが、皆さん法事を勤められたことを大変喜んで居られ有り難いことと思いました。

法事は御仏の教えを尊ぶ者が、家族・親族への冥福を祈って行う仏事です。そこでは故人との親しい交わりが想い出され、故人への感謝と愛情が捧げられます。また、仏教では故人が常に縁者の人々を御仏のそばから見守っているともいわれますから、きっと故人からの静かなメッセージも受け取られることでしょう。法事には多少の時間と供養の経費もかかりますが、家族・親族という不思議なご縁に思いをいたし、一人ひとりの心の在り方に深みをもたせるはたらきがありますから、有り難い「かたち」といえるのではないでしょうか。

法事といえば檀信徒のそう多くない当山では月に一件もないこともありますが、今年の1月の末から3月のはじめにかけては、ご信心と家族への思いの厚い方々が丁重に法事を執り行われました。1月末には一昨年仏縁を結ばれた遠藤家の3回忌法要が執り行われ、2月には昨年急逝された疋田さん(南区)の1周忌、開創当時から変わらぬご信心の小出家(旭区)の13回忌、立教開宗750年を迎える頃講頭を務めて頂いた中村達郎さんの13回忌、市沢町の吉田さんの岳父となる大矢家の23回忌法要、そして、緑区にお住まいだった宮崎さんの3回忌法要が娘さんの由喜美さんのご家族によって丁重に営まれました。

前にふれたように、法事には仏教的にも習俗的にも精神的にもたくさんの意味が込められていますから、その意味を知る方々にとっては大切にされますが、人情や信仰心がうすくなって軽んじられやすい現代。また、法事の意味や作法がわからないために、営みたくてもどうして良いかわからないという方が居られるのも事実。しかし、基本となるのは人を集めることでも、盛大に行うことでもなく、大切に思っているご先祖や家族・親族・友人への感謝と愛情の心を、仏事を通してかたちに表現するということです。
心がすべての源であり、その心の有り様が最も大切なことは、改めて語るまでもありませんが、その心も思っているだけでは相手に伝わってはゆきません。こころの思いは言葉や振る舞いを通して相手に伝わってゆくものですから、御仏の教えにしたがって法事を営むことは、故人への思いを仏事を通して表現するという尊い営みなのです。

相武山 山主

2014年03月13日

健やかな成長を

初参りおめでとうございます。

去る2月20日、金沢区のKさんご一家が次男太翔(たいが)君の「初参り」のために参詣されました。太翔君は昨年11月13日の誕生です。ご信心を大切にされている横須賀市の祖父母のKさんもご一緒でした。それぞれにお忙しいようで、お会いするのも久しぶりでしたが皆さんお元気で何よりです。長男元稀君は相変わらずその名の通り元気いっぱいで本堂内を走っていました。
誕生して初めてご本尊さまにお参りされた太翔君のために、ご家族の皆さんと法華経を読誦しお題目をお唱えして、心身共に健やかに成長するよう御宝前に御祈念を申し上げました。新たな家族を迎えられたK家では、彌々(いよいよ)にぎやかになることでしょう。

うれしいことに初参りが続き、28日には海老名市のYさんご夫妻が娘さんと一緒に孫の初参りに参詣されました。Yさんの初孫は陽斗(はると)君。愛知県に住む娘さんはYさん宅に里帰りしての出産でした。陽斗君は1月21日のお誕生です。出産後はしばらく病院のお世話になったということでしたが、すっかり元気になっての初参りでした。信心深い祖父母に導かれてのお参り。皆さんと一緒に心を込めて陽斗君の健やかな成長をご本尊様に御祈念申し上げました。陽斗君は3月中旬にはお父さんの待つ愛知県に帰られます。
孫の誕生は理由なく可愛いものですが、その深い愛情の分だけ心配もつのるものです。でもお祖父ちゃん・お祖母ちゃんには、ご本尊様に祈るという大きな信仰の力があります。ご一家が御仏(みほとけ)への祈りを大切に健やかでありますように。

初参りでは幼子の無事なる成長を祈ると倶に、楽しいことばかりではなく、山あり谷ありの平坦ではない人生、辛いことや厳しいこともあることでしょうから、一つひとつの出来事を乗り越えながら、たくましく日々の生活に向き合って行けるよう併せて祈念申し上げました。

さて、人生では出会いがすべてといわれることがあります。誰といつどこで出会うか。その出会いの意義を活かすことができるか、それらは人生を左右するほどの意味を持っているということです。
さまざまな出会いから夫婦のちぎりを結び、子どもを授かるということは人生の大きな喜びの一つです。仏教では「あらゆる物事は『縁起』による」という考えに立ち、一つの事物や事象はいろいろな条件が調うことによって、「有限的に存在する(今在る)」という考えですから、子どもを授かった夫婦は、子どもによって親という新たな世界が与えられということになります。世間では親が子どもを生み育てるといいますが、親が子どもを授かりその子を育てながら、人生の意義を学ぶことも実に多いのですから、子どもによって親という人生の役割を与えられたという考え方もできます。
そのように考えることができれば、一方通行的な親子の関係や硬直した思考に陥ることなく、柔軟でしなやかな親子の関係が結べるようにもなるのではないでしょうか。
初参りを頂いて、親子という不思議な縁(えにし)に思いをいたしました。

相武山 山主

2014年03月11日