相武山 妙法院のブログ

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相武山 妙法寺 ブログ

深まりゆく秋

朝夕はすっかり涼しくなって風に揺れるススキの穂と虫の音に秋の深まりを覚える時候となりました。当山周辺の今年の彼岸花は、言葉の由来にふさわしいタイミングで花開き、道行く人々の目を楽しませています。月遅れのお盆が済んだばかりですが、過日のお彼岸には多くの檀信徒の方々が、ご先祖有縁精霊のご供養に参詣されました。また当山墓苑各家の墓所にはそれぞれ家族親族がお参りになり、ときに友人などもお参りになっておられようで、朝から墓前に香華が手向けられる尊い祈りの姿を見ることができました。

9月22日と23日の両日には午後1時から本堂において秋季彼岸会法要を執り行いました。両日の法会にもご先祖と有縁精霊への追善供養のために、檀信徒並びに親族の方々が参詣されました。彼岸会では太鼓に合わせて唱題がなされる中、はじめに住職による献膳が御宝前と精霊壇で行われ、続いて法華経読誦が方便品から寿量品に移りますと、住職の焼香に続いて参詣者はそれぞれ願い出のお塔婆が建立されている精霊壇の前に進み、一人ひとり真心のお焼香を捧げました。参詣僧俗による厳かな唱題が勤められた後、追善回向の磬が堂内に響き、参詣者一同によるお題目三唱で法会は終了となりました。
引き続いての法話では、「仏道への思いが強くなくても信仰が深くなくても、彼岸会は日本の伝統や風習となって現代でも大切にされています。彼岸会の意味がわかればさらにお彼岸のお参りが有り難くなります。此岸の娑婆世界に生きる私たち凡夫が、仏さまの彼岸に至るため、苦悩の川をわたるのが仏道の修行であり、彼岸会のいわれであります。参詣の方々の供えられる、時間や心労、経費や思いのすべてが仏道の修行であり、その積まれた功徳を有縁無縁の一切にご回向申し上げるという、仏道の意味をよく理解し、これからも仏の教えを学びながら、限られた人生を倶に悔いのないように歩みましょう」と、お彼岸のいわれを中心に仏道精進の勧めを申し上げました。


法話の後には11月2日・3日に奉修される「日蓮大聖人お会式」の御宝前を荘厳申し上げるお花作りが、有志の方々によって客殿で行われました。毎年作務の準備に当たられるご婦人を中心に葉っぱとお花をつくり、来月には竹ひごにしつらえることになります。来月は1日のお経日の後と13日の宗祖御講の後、さらに20日(日)の日曜法話会の後にお花作りを予定しています。法華経と日蓮大聖人の教えを信仰する私たちの仏縁を深める作務ですので、より多くの皆さまのご参加をお待ちいたしております。

相武山 山主

2013年09月29日

中秋の名月

各地に風水害の被害をもたらし、全国に死者行方不明者まで出した台風18号が過ぎ去り、台風一過横浜では秋晴れが続いていますが、台風の犠牲となられた方々や被災された方々の悲しみとご心労を思うと心は晴れません。それでも一昨日は中秋の名月でした。中秋の月が満月であるのは8年後までないそうですから、昨夜の満月は値千金であったのかもしれません。煌々と天空にかかる月を眺めていると複雑な思いがよぎります。

さて、日蓮門下にとっての9月は宗祖の御生涯で最大の法難であった「龍ノ口法難」をお偲びすることとなります。末法の法華経の行者として時の為政者にも強く諫暁されていた宗祖には、他宗の僧侶や信徒から激しい憎悪が向けられていました。その憎悪が沸点に達し、佐渡への流罪から夜陰に紛れての斬首というシナリオが描かれました。奇跡的に難を逃れた宗祖とその信徒には、その後「ぼた餅伝説」が生まれましたが、衆生救済のために生命を捧げられようとした慈悲行の実践は門下僧俗の亀鏡であります。限りある人生で仏縁を結ばせて頂いた私たちも、己れの我欲のためだけでなく、一つでも二つでも他者や社会に感謝と思いやりの心で寄与したいものです。

当山では12日のご正当の翌日、13日の月例の宗祖ご報恩講の折りに併せて奉修させて頂きました。当日はかねて仏縁を結ばれていた南区の疋田さんの御授戒も執り行われました。御授戒は法華経と日蓮大聖人の教えに帰依をする儀式です。齢を重ねられて今一度仏道への思いを新たにしたいと願われての御授戒でした。これからもまじめに仏道を歩んで行かれることでしょう。

当日の法会の御説法は竜口法難ゆかりのお話を申し上げました。法話の後には、昨年同様旭区の阿部さんから御宝前にお供えされたお手製のぼた餅が、参詣者の皆さんにふるまわれました。

15日は今年9回目の日曜法話会でした。台風の接近で朝から強い雨が降ったりやんだり、という状況でしたから、遠方や高齢者の方の一部には、朝方電話にて無理をしないように連絡をいたしました。大丈夫ですよという方も居られれば、今日はお休みしますという方もおられたので、当たり前のことですが各自の判断に委ねました。
今月の法話会のテーマは「生を見つめる」ー立ち止まってじっくりと観るーという内容でした。フリーの方5名を含め16名の方が時折激しく降る雨の中を参加され、より良く生きるために、「視野を広げること、思索を深めること、自分自身をみつめること」の大切さ。釈尊の観たものとして「人間存在のありよう、妄執の存在、苦について」等々、原始仏典スッタニパータなどをひもといてお話をいたしました。
レジュメが終わらなかったこともあり、今回は参加したくてもお出でになれらなかった方もおられるので、来月の法話会は今月の概要をお伝えして続きをお話したいと考えています。

いつも頭を悩ましながら取り組んでいる「日曜法話会」も今年は残すところ後2回となりました。「仏教に親しむ」をテーマとして、新寺院建立の翌年平成23年春から始めた法話会は間もなく30回を迎えます。「お寺の敷居を低くして気軽に仏教にふれていただきたい。仏教への誤解や偏見をただして倶に尊い教えを学んでいただきたい、人生に仏教の教えを活かしていただきたい、法華経と日蓮大聖人の教えにふれていただきたい」等々という願いのもとに開催してまいりました。
毎月多くて40人、少なければ25人前後のささやかな法話会ですが、檀信徒の方々や当山友の会の方々ばかりでなく、インターネットやタウンニュースなどで知ったフリーの方の参加も定着してきて、大変有り難いことと思っています。今後とも充実をはかってゆきたと考えていますので、より多くの方々のご参加をお待ちしています。
明日と明後日は午後1時から秋季彼岸会法要を執り行います。

相武山 山主

2013年09月21日

初秋の風に

初秋の風がそよぎはじめ、みどり豊かな当山の周囲では朝夕すっかり秋の気配となりました。暑さを増すような蝉の声も静かになり、夜には虫の音が涼しさを伝えています。楽しみにしていた参道脇のリンドウは、鮮やかな紫色の花を咲かせてあっという間に散ってゆきました。もっとゆっくりと願っていましたが、代わりに今度は駐車場からの参道のハギが風に舞うように咲いています。
四季の彩りに恵まれた我が国では、それぞれの季節に風情があって、一人ひとりの生活や人生に大きな影響を与えています。季節ごとに趣きが異なりますから、忙しさに追われたり、心配ごとで心が落ち着かないことの多い私たちですが、ちょっと心の窓を開いてみれば、自然のはたらきの奥深さを知り、心の切り替えもできることでしょう。

秋もそこかしこにその情緒を楽しむことができます。秋といえば月というのが古来からの季語ですが、来週の19日は中秋の名月です。月の満ち欠けによって暦としていた旧暦(太陰暦)では、7・8・9月を「秋」としていました。その秋の真ん中の旧暦8月15日を「中秋」といいます。しかし、中秋の名月は満月と思いこんでいる方もおられるようですが、必ずしも満月とはかぎりません。
昔から月は太陽とともに人々に崇められていましたから、作物の豊作や家族・親族・友人の平安を祈って、月を愛でることが行われてきました。月の宴「お月見」です。澄み渡る秋の夜、天空にかかる月を楽しむお月見では、月見台がこしらえられたり、縁側を利用したり工夫をこらし、三宝やお供台に月見団子、お神酒、サトイモ、枝豆、秋に収穫される果物。そして秋の七草「萩(はぎ)、薄(すすき)、撫子(なでしこ)、葛、女郎花(おみなえし)、藤袴、桔梗」などの花がお供えされます。ベランダやバルコニー、窓辺でも楽しむことができるお月見ですから、それぞれに秋の一興とされてはいかがでしょうか。

今週月曜日の9日、港北区におられた川脇志津子さんの七回忌法要が執り行われました。川脇さんは昭和57年頃に当山の信徒になられた方で、平成19年に逝去されるまで一緒に法華経と日蓮大聖人の教えを学ばれた方です。ご信心に篤くお寺の護持にも心を尽くされた方でした。長く講中の会計も担当していただきましたが、お寺の行事などにはいつも積極的に参加され、多くの方々の信心を励ましていらっしゃいました。50歳を過ぎる頃から7年間ほど病と向き合う事となりましたが、悩みながらもその病を信心の糧として、一層信仰を深めてゆかれた姿には今に敬意を表するばかりです。

30数年前、川脇さんに手を引かれて保土ケ谷の正信寮に上ってきたのが息子さんのN君でした。まだ幼稚園に上がる前でしたでしょうか。とても可愛い利発な男の子でした。N君はその後もお母さんの信仰を継いで、仕事の忙しい中、折々に当山に参詣していますが、先年賢く優しい奥さんを迎えて新たな家庭をつくられました。川脇さんもきっと霊山で喜び見守られていることと思います。
ご主人の川脇さんは、奥さんと一緒に旧寺院でも境内の整備などに尽力いただいていましたが、新たな寺院でも植栽など境内整備の中心となってご支援いただいています。先日も参道からの門扉が危ない状況でしたが、しっかりと固定していただきました。信仰を本当に大事に考えておられた奥さんが、まるでがその身に入られているかのようで、私はいつも二人三脚のようにお見受けしています。

七回忌法要にはご主人やN君ご夫妻、妹のWさん、娘さんのHさんと8ヶ月になるひ孫さん、ご主人のご兄弟に参列いただきました。精霊壇にお塔婆を建立、供物をおそなえし、皆んなで法華経を読誦申し上げ、宗祖御証得のお題目をお唱えして懇ろに追善ご回向を申し上げました。本堂での法要が終わると川脇家の墓所に移り、自我偈を読誦・唱題のうちにお香を手向けて追善供養のまことをささげました。
天候にも恵まれ暑くも寒くもない、気持ちの良い七回忌法要でした。参詣された皆さんが異口同音に「善かったね~・・・」とおっしゃっていました。

残された方々も故人を思い、故人も厳しい人生を歩む縁者を見守っていることを感じることができるのも、法事を行う一つの意義であろうと思います。生者と死者の思いが交わる法事。川脇さんも仏さまの側から、ご主人や子どもさんお孫さんのことを温かく見守っておられることでしょう。

相武山 山主

2013年09月13日