相武山 妙法院のブログ

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相武山 妙法寺 ブログ

新緑の季節

明日から皐月(さつき)、春を満喫させてくれたサクラも瑞々(みずみず)しい青葉をひろげ、境内の雑木林から市民の森まで、周囲の樹木が一斉にやわらかい青葉を伸ばし始めています。気持ちの良い新緑の季節を迎えました。ヤブの中からは「ホーホケキョ」とうぐいすの鳴き声が聞こえます。うぐいすの鳴き声にふれる期間は意外に長く、当院の境内では6月くらいまで聞くことができます。

また1周間ほど前から夕方になるとカエルの声が聞こえ始めました。市民の森周辺にはわずかながら田んぼがあり、田起こしの前くらいからカエルが鳴き始め、田んぼに水が入る来月からしばらくは大合唱となります。また当院周辺は横浜市内を東京湾まで西北から貫く帷子川(かたびらがわ)の水源となっています。水がきれいなために6月には自然の蛍がかぼそく飛び始めますが今から楽しみです。

昨日は恒例となった「日曜法話会」でした。ゴールデンウイークの真っ最中で、近くの「ズーラシア」には大勢の人出があり、保土ヶ谷バイパスも中原街道も大混雑でしたから、車でご参加の方は難儀されたことと思います。
法話会では「今を生きる」をテーマとしてお話をしました。はじめに法話会の趣旨とお寺の役割をお伝えしてから、「世相」は新緑を迎えてのお話しです。人知を越えた自然の運行からさまざまなことを学ぶ日本人、あるがままに精一杯に生きている自然、、その自然の移ろいを楽しむ人々のすがたを説明しました。しかし、それも自然の移ろいに思いが至らなければ、気がつくことはできません。事象の変化に気づくよう心を磨いて行くことをお勧めしました。

テーマについては、「今」という時間の問題と、「生きる」という生き方の問題を整理してお話ししました。原始仏典の「過去を追わざれ、未来を願わざれ。およそ過ぎ去ったものは、すで に捨てられたのである。また、未来はまだ到達していない。・・・・ ただ今日まさに為(な)すべきことを熱心になせ。誰か明日の死のあること をしろうや」を引用して、仏教としての過去と未来と現在のとらえ方について説明。その上で、私たちは過去(幸・不幸、栄枯盛衰)にとらわれやすく、未来については希望と悲観にゆれやすい存在であることを学び、仏教では「今を如何に生きるか」ということが肝要とお伝えしました。
さらに仏教の時間論、存在論の基本に「刹那論」(せつなろん)があり、諸行無常の教えのとおり、あらゆるものは生じては滅(ほろ)んで行く刹那の連続であることを学び、ややもすれば一貫して見てしまいがちな時間論ですが、刹那・刹那に分断し、存在しているのが事実であり、一瞬一瞬に縁起(えんぎ)のことわりに従って変化しているのが実相(じっそう)であることをお話しました。
最後に「崇峻天皇御書」(すしゅんてんのうごしょ)・「富木入道殿御返事」(ときにゅうどうどのごへんじ)など宗祖の御書(ごしょ)を拝読し、宗祖のお心と教えについて申し上げ法話会を結ばせて頂きました。

相武山 山主

2012年04月30日

興厳房教師補任式を挙行

麗(うら)らかな陽光につつまれた4月8日、弟子興厳房(こうげんぼう)が岐阜県垂井町の新田山天奏寺において教師補任式(ほにんしき)を挙行させて頂きました。
教師補任式は僧道を志して得度(とくど)した僧侶が、十数年の修行を経て教師に任ぜられ、高座に登って初めて説法することが許される儀式です。僧侶が難行苦行・刻苦勉励して自己を磨き、人々を仏の教えに導くことは僧道のあるべき姿であり、古来仏門をくぐった多くの僧侶は志を立てながら精進してきました。しかし、全うできたか否かは仏様のみの承知されるところです。

人それぞれに人生は異なりますが、より良く生きたいと願い、人生の意義を自らに問いかけて納得できる高みをめざそうと思えば、いずれもたやすい道はないことでしょう。僧道もしかりで、これで良いという着地点の見える道ではありませんから、厳しさと険しさを覚悟しながら一歩一歩あゆみを進める他はありません。間違ったり、失敗をしたり、導かれたり、励まされたり、落ち込んだり、その気になったりと、紆余曲折(うよきょくせつ)を経ながら学んで行くこととなります。

さてライフスタイルばかりか、あらゆることが昔とは異なる現代社会、環境が変化すれば人の心も大きく影響を受けることになります。僧侶の世界とて同様です。下界・俗界を意識しないでよい一部の世界は別にして、時代や社会の影響をうけながらその道を全うしなければなりません。旧来の在り方を学び伝えることだけでもかなり厳しいものですが、その時代に適(かな)った在り方を模索して実践することはさらに困難なことといえるでしょう。また例外的には優れた僧侶がおられるかもしれませんから一概にはいえませんが、昔の僧侶の修行に比べれば、この道もさまざまに軟弱になっている気がいたします。かく語る私とて例外ではありません。現代に生きる僧侶はより資質を問われ、志の有り様が問われていることを自覚しないと、世の中の信頼を得ることは難しいように思います。そう考えると僧侶としてというよりも、その人間性が問われているといった方が適切であるかもしれません。

弟子興厳房にはここを自覚してほしいと思っています。得度以来12年を経て教師に補任されたわけですが、特別難関な修行を克服(こくふく)して達したわけではなく、所定の経歴をふまえ允許(いんきょ)を蒙(こうむ)ったということですから、この儀式は大切なものですが僧侶としてのゴールではなく、ようやくスタートラインに立ったということを意味しています。これからは厳しさと困難から逃げることなく己(おの)れと向き合い、心身を磨き上げて少しでも仏様の教えを伝えて行ける僧侶に成長してほしいと願っています。

相武山 山主

2012年04月23日

里山に春のおとずれ

今年は梅やレンギョウなどの開花も遅く、サクラも遅いのだろうなと思っていましたら、予想どおり昨年よりもかなり遅い開花となりました。本堂の南側、寂静庵裏手のサクラや自然林のサクラは4月3日からようやくほころび始め、ここ数日が満開というところです。矢指・追分両市民の森のサクラも同様です。間もなく花吹雪となって散り始め、来週には葉桜となることでしょう。

自然に恵まれた当院周辺では、春の草花がそこかしこに顔を出してきました。また、落葉樹がそれぞれに芽吹きはじめ、うぐいすの声も森をわたっています。新緑につつまれるのも間もなくのことでしょう。
春の温かさに誘われて市民の森の花畑や林間コースでは、多くの人々が気持ちよく散策を楽しんでいます。この地域の市民の森は「里山」をイメージしていると紹介されていますが、まさに里山に春の訪れという趣きです。

春うらら、心地好い環境のなかで自身の心を見つめて、人生をより良くいざなう仏教へのご縁を結んで頂きたいものと当山では願っています。明日13日は日蓮大聖人の御報恩御講、29日には日曜法話会を開催いたします。有縁の皆さまのご参詣・聴聞をお待ちしております。

相武山 山主

2012年04月12日

タロウ実家に帰る

昨年の12月から預かっていた甲斐犬の「タロウ」が去る3日実家に帰って行きました。タロウは愛川町の戸田さんの愛犬でした。ご主人が交通事故のために入院されることになり、お寺で3ヶ月半ほど一時お預かりしていました。ボブの生前の事で、リョウマと3匹の犬が本堂の横で戯れていました。タロウは熊のような顔をしていますから、一見こわそうですがとても人なつこく、お参りの方々から可愛がられていました。
また、タロウはうれしさ等がすなおに表現できる感情豊かな犬でした。戸田さんがとても可愛がっておられたことが伝わってきます。戸田さんが元気になられたので奥さんと一緒にお迎えにこられたということです。戸田さんが近づくとタロウは甘えん坊らしい表情で飛びついて行きました。とてもうれしかったのでしょう。戸田さんご夫婦も我が子をみるような優しい面持ちでした。

何も分からない「リョウマ」はぽかんとしていましたが、心なしか2・3日は淋しそうでした。犬は集団で生活する動物ともいわれていますから1匹では何となく寂しさを覚えていたのかもしれません。タロウがまた遊びに来てくれることを楽しみにしています。
可愛がってくださった方々に感謝申し上げます。

相武山 山主

2012年04月11日