相武山 妙法院のブログ

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相武山 妙法寺 ブログ

無為に流されることなく

新型コロナウイルス感染防止のために、中国はもちろんのこと欧米でも3月にはほとんどの国が非常事態宣言を発令し、地域や都市を封鎖、人の往来を遮断しました。我が国では1月の下旬から新型コロナウイルスの感染が報じられ、2月初旬には横浜港に入港したクルーズ船での感染模様が連日報道されながら、なぜか4月に入っても緊急事態宣言が発令されることはありませんでした。

特措法の問題があったのかも知れませんが、それにしても今回の政府による感染症対策は、まったくの素人である私から見ても後手後手のように見えます。もちろん、関係者はそれぞれ人智を絞って努力はされているのでしょうが。すべてが遅いという印象です。
4月には中国の習近平主席の訪日が予定され、7月には東京オリンピックの開催が予定されていましたから、それらの延期が決定するまでの時間が必要だったのでしょう。また、経済活動や社会生活停滞への懸念が強かったのかもしれませんし、休業補償など財政への負担をできるだけ回避したかったのかもしれません。
対策が遅いと感じるのは緊急事態宣言の発令ばかりではなく、1月下旬、中国が春節の団体旅行渡航禁止を出したその時から、感染予防対策が開始されてもおかしくないと思うからです。ことは人命に関わることです。感染防止各種グッズの速やかな生産、検査システムや医療体制の準備などは素人でも想像できる対応ではないでしょうか。

政府は4月7日、ようやく緊急事態宣言を発令しました。対象区域は、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県。期間は約1カ月。宣言によって政府は、対象区域の都道府県知事を通じて、住民に必要な場合以外の外出自粛、市民生活維持に不可欠なもの以外の事業の休業、人が大勢集まる施設の使用停止などを要請できるようになりました。この宣言は16日には対象を全国に拡大。期間は前の7都府県と同じくゴールデンウィーク明けの5月6日です。最近の報道によれば期間が延長されるようです。およそ1ヶ月程度でしょうか。

人生でめったに遭遇しないと思われる緊急事態宣言。眼にはみえないウイルスとの戦いは難しく険しいものです。終息も私たちには見通すことなどできません。国家や民族、人種や宗教、文化や習俗を越えて、人類皆で叡智を結集し団結して克服しなければならない課題ですから、一人ひとりが自らに課せられた責任を着実に果たしてまいりましょう。
我慢と辛抱、不安と苛立ちの時間かもしれませんが、無為に流されることなく、「自らの学びのとき、自己の内省のとき、人生を考えるとき・・・・・」としたいものです。

相武山 山主

2020年04月29日

同志の旅立ち

【江戸大道師 霊山へ】
4月17日の早朝、静岡県下田市法円寺住職江戸大道師(73歳)逝去の報せをうけました。前夜、師は突然の心筋梗塞に襲われ、救急対応が間に合わず亡くなられたとのことですが、折からの新型コロナウイルスの影響もあったとうかがいました。時局柄、静岡教区だけで葬儀を執り行うということでしたが、法円寺様とは青年期の頃からのご縁があり、また静岡県と神奈川県の同信僧俗は東海正信連合会として連携。さらに正信会の記録を担当しておられた江戸師とは何かと連絡をとることがありましたので、感染防止対策の外出自粛要請下でしたが、19日の御通夜、20日の葬儀に参列させて頂きました。
荻原昭謙師(応身寺住職)の御導師のもと、有縁僧俗の読経唱題に送られて江戸師は静かに霊山へと旅立って行かれました。

江戸師は日達上人の年分得度1期生として昭和35年春、大石寺で出家得度されました。私は年分得度4期生ですので3年先輩にあたります。師は多芸多才な方で影像や音楽にも造詣が深く、パソコンや映像機器にも詳しい方でした。全国大会の放映ビデオや記録ビデオの制作、正信会諸行事記録のほとんどは法円寺様の労作です。師の遺された各種影像は今後のためにも貴重な資料となることでしょう。

師は下田市法円寺に赴任されて約40年、地元はもちろんのこと下田の地から覚醒運動のために各地を奔走された後半生でした。信仰については堅固な一家言をお持ちの方でしたが、他方、人懐こく優しい方でもありました。2月の初旬頃、今年3月当山で開催予定の東正連の大会についてお話したのが最後の会話となってしまいましたが、穏やかでやさしい言葉遣いが耳朶に残っています。心よりご冥福をお祈りします。

【山﨑潤道師 霊山へ】
今年は江戸大道師の前に二人の同志の方が霊山に旅立たれました。お一人は奈良県五條市妙観院住職の山﨑潤道師(68歳)。昨年の12月30日に逝去されました。師は日達上人の年分得度第5期生として昭和39年春、出家得度されましたので、師は私の一年後輩となります。彼が得度してから昨年末まで長いご縁でした。学生時代や在勤教師時代はそれぞれの在勤寺院が異なりますからさほどの交誼はありませんでしたが、昭和52年に覚醒運動が起こると師も速やかに参画され、その後、一緒に運動に励んできました。

師は大阪府の源立寺執事から広宣寺五條出張所の執事・住職となり、平成7年には本堂を建立し信徒の育成するなど妙法流布に精進されました。師は二十数年もの間、人工透析の治療をうけており、近年、体調不良が続いてましたが、私は逝去される3日目にお送りした相武山だよりの件で病床の師と言葉を交わすことができました。「大山さんありがとうございました。今度は厳しそうです・・・」と語る言葉が耳に残ります。

年が明けた3日の御通夜、4日の葬儀は簗瀬明道師(聖道寺住職)の御導師のもとしめやかに営まれました。私は御通夜は参列できませんでしたが葬儀には参列させて頂き霊山への旅立ちを祈りました。お別れの時に拝見したお顔は、朗らかな性格の山﨑師らしく清々しいものでした。厳しい体調や環境にもめげることなく明るくご奉公された山﨑師。心よりご冥福をお祈りいたします。

【近藤譲行師 霊山へ】
宮城県登米市本源寺の近藤譲行師(74歳)が3月9日逝去されました。近藤師は昭和53年2月、興起したばかりの覚醒運動の最中、富士大石寺門流の古刹である本源寺住職に赴任。本源寺は第三祖日目上人の開基で大石寺よりも歴史がある寺院です。師はこの地で約43年間、覚醒運動に精励されました。

宮城県の北部にあたる登米市は一部因習の残るような土地柄でもありましたが、師は自らの信じた覚醒運動の険しい道を切り拓いて行かれました。まずは自らに与えられた環境のなかで精進するという法華の教えに準じて、登米市宝江新井田の地域に溶け込むことに努められていたようです。したがって地元では信仰の有無にかかわらず師を慕う方々が多いようでした。

私は宮城県北部に在る富士大石寺門流の奥四箇寺(本源寺、上行寺、妙教寺、妙円寺)には何回かうかがったことがありますが、本源寺様にはご信徒と倶に3回ほど参詣したことがあります。その折りには寺族やご信徒の方々に本当にお世話になりました。
師は持病をお持ちでしたが病に負けることなく、お弟子の法行師をよく訓育され、平成29年末には未来の覚醒運動のために本道寺を建立落成されました。

私は翌年6月、東日本大震災慰霊の旅の最後に新築成った本道寺に参詣させて頂きました。その折りに師から本源寺での約40年におよぶご奉公と本道寺建設までの貴重なご苦労をうかがうことができました。ありがたい一時でしたが、今、振り返ればその時が師との最後の面談となってしまいました。
葬儀は3月16日・17日の両日、荻原昭謙師(応身寺住職)の御導師のもと、有縁僧俗によって営まれました。私は法務のため葬儀には参列できませんでしたので、今月6日、緊急事態宣言が発令される前に本道寺に参詣。お弟子の法行師の導師を頂いて供養をささげました。心よりご冥福をお祈りいたします。

【古稀を前にして】         今年になって3ケ月半という間に3名の覚醒運動の同志が霊山に旅立って行かれました。「諸行は無常、会者定離は世の習い」仏門に身を置く者として自ら認め他者に説きながら、人情としてはやはり一分の悲哀を覚えます。しかし、皆さん宗開両祖の門弟らしい僧道を歩まれたのですから満足なさっておられることでしょう。
私とて古稀の手前ですから旅立たれた諸師と年齢の差はありません。寿命は誰にもわかりませんから、今日一日の命の営みを大切にするとともに、できるだけ迷惑をかけぬよう準備をして、霊山に迎えていただけるよう信仰を深めて行きたいと思っています。

相武山 山主

2020年04月28日

正信会HPオープン

4月28日の立宗会を期して宗教法人正信会のホームページがオープンしました。宗教法人正信会は富士日興門流の再興を願う正信覚醒運動を推進するグループです。覚醒運動は日蓮大聖人の教えや日興上人の御精神が迷乱してしまった近現代の大石寺門流を、宗開両祖本来の教えと信仰に立ち返ることを願う運動です。当山もその趣旨に賛同して参画しています。

正信会の理念や立ち位置を伝える窓としてのホームページ企画は数年前から検討されていましたが、昨秋より具体化してようやく春4月、陽の目を見ました。関わった者としてはホット一息というところです。このHPから私たちの理念や思いを述べると倶に宗開両祖の教えと信仰を少しでも伝えて行ければと願っています。
きれいなホームページが誕生しましたが、これからさらに内容の充実に努めて行きたいと考えていますので、檀信徒の皆さまにはご意見をお寄せください。

URLはhttps://www.syo-shin-kai.com です。

相武山 山主

2020年04月28日

三密を離れた静かな法華の寺で

檀信徒の皆さまには相武山だよりや行事予定表でお伝えしていますが、新型コロナウイルス感染防止のために4月と5月の当山(妙法院)の法要行事は寺内で執り行うこととして、参詣の自粛をお願いしています。ことに公共交通機関を利用しての参詣はご遠慮ください。

当山において毎月執り行われる月例行事は1日のお経日(朔日、その月の第一日)と、13日の御講(宗祖日蓮大聖人のご命日忌報恩講)です。当山開創以来この二日を月例行事の中心として続けてまいりました。また、現本堂落成後は1月から11月まで毎月日曜法話会を開催しています。此の月例行事に御会式やお正月、春秋の彼岸会やお盆など年中の主要行事が組み込まれます。当山ではこれらの法要や行事の執行をとおして仏法の護持と伝承に努めていますから、御信心の篤い檀信徒の方々はそれぞれの意志に基づいて参詣を心がけ信行錬磨の機会としています。

とはいえ、高齢となったり体調が優れなければ参詣したくても思うようには参りません。誰もが老化や不調はまぬがれませんから、置かれている環境のなかで信行を磨かれることが貴いと思うのです。法華経と日蓮大聖人の教えを人生のともしびとされる当山のご信徒には、それぞれの法要行事に合わせて自宅の御本尊様に供物を供えられたり、近況を知らせる手紙やご供養を当山にお届けになる方も居られますし、『手紙が書けないので電話で失礼・・・』といわれる方も居られます。法華の信仰は環境も才能も選びませんので、できることをできる範囲で修行(おさめ)れば良いのですから、かたちを調えることも大切ですが、かたちばかりにとらわれることなく、伸び伸びと信行を愉しんで頂きたいと思います。

新型コロナウイルス感染防止には「三密に注意」といわれています。三密とは密閉、密集、密接のことで、換気の悪い空間、多人数が集まる場所、間近で会話や発声をすることをさします。すぐに、同信の僧俗が菩提寺に寄り合い、皆で法華経を読誦し、お題目を唱えて御書を拝読する私たち法華のお寺は三密の対象であることがわかります。

しかし、環境も才能も選ばない法華の信仰ですから、どのような環境でも工夫を凝らして法華を学び行じ信仰を深めることは可能です。新型コロナウイルスの感染対策で混乱する世相にあるからこそ、平常時と異常時の違いを理解して、今の時に適った信行と生活を送りたいと思います。

新緑がまばゆい横浜市北西の山里、三密を離れた静かな法華の寺で、朝夕、疫病の退散を御仏大聖人に祈念し、古今東西の歴史から今回のパンデミックを越えた後には、さまざまな分野において大きな変化があるだろうことを思惟しています。

相武山 山主

2020年04月27日

サクラに時ならぬ雪

科学の発展と共に天気予報の正確さが増している現代、その予報どおり29日(日)の横浜は朝から小雪が舞い始め、横浜のチベットのような当山では次第に激しくなり、みるみるうちにすっかり雪化粧してしまいました。この冬はまれに見る暖冬で、冬を感じる前に春が来てしまったと思っていましたから季節の急変に驚いています。

このようなところにも地球温暖化の影響が出ているのでしょうか。そういえば子どもの頃からの感覚では、花が咲くのには順番があったように思っていましたが、近年、春の花樹や野花の開花の順序が微妙にずれているような気がします。また、花が咲くのと新緑が萌え出すのがダブるようになり、季節の移ろいが変化しているのではと心配にもなります。

例年より早く17日の春の彼岸の入りに開花した本堂前のソメイヨシノは、この週末の28日、29日に満開を迎えるばかりでした。当山の対面にある追分市民の森、南側斜面のサクラは当山のサクラよりも早くほころび始め、今が盛りといったところです。当山の墓苑からは波打つようなソメイヨシノの姿を楽しむことができます。市民の森を散策されている方々からも『きれいだね~ はるだね~』という声があがっています。ウエイヴするように植樹されたサクラは、約14年ほど前の平成18年頃に植えられたものです。これからも長く森を散策する方に愛でられることでしょう。当山の墓苑からもみごとな眺望で有り難いかぎりです。

頭上のサクラは盛りをむかえ、足下を見れば可憐なタンポポやスミレ、レンギョウやヤマブキまで咲き誇っていますから、春を楽しみながらご参詣くださいとお勧めしたいところですが、世上は新型コロナウイルス感染防止対策一色で、外出自粛要請も出されていますから、無責任にお勧めはできません。全世界的な感染防止をめざさなければならない事態ですから、一人ひとりが自らのできる防止策を講じて、できるだけ速やかな感染の終息を祈りましょう。

相武山 山主

2020年03月29日

クラスター三条件に配慮

新型コロナウイルス感染防止のために三つの注意事項が出されています。クラスター(感染集団)への防止対策ですが、「換気の悪い密閉した空間、多人数の密集した集会、密接な距離での会話や発声」です。
寺院で執り行われる法要はこの三つの条件をすべて揃えているといえるでしょう。したがって厳密に対応しようと考えれば、寺院での法要や行事はすべて中止しなければならないと思います。そこで当山では3月の行事案内にて『法要は寺院で粛々と執り行いますが、参詣は無理をされないように』とのご案内をしました。

従前から高齢や体調不良で参詣できない方からは追善供養の希望が郵便で寄せられていましたが、今年は新型コロナウイルス感染防止のため、参詣を迷われていた方々からも郵便に切り替えての供養がなされました。どのようなかたちであれ、ご先祖有縁精霊への追善の想いは尊いものであり、霊山にやすまれている諸精霊もきっと喜ばれていることでしょう。

例年ですと春のお彼岸は花樹や野花の開花に誘われてにぎやかになるのですが、今年はとても静かな風情でした。当山墓苑への参詣は朝から夕方まで常に自由ですので、17日の入りから23日の明けまで三々五々ご家族や有縁の方々がお参りされました。それぞれ自由な時間に本堂の御本尊様に参詣。事前に申し込まれていた御塔婆が建立されている精霊壇にてお焼香。その後、御塔婆を墓所に持参されてのお参りです。また、一般の方々も各自墓所を浄めてから香華を手向けられて合掌。永代供養墓久遠廟にも有縁の方々が次々に真心こめてお彼岸の供養をささげておられました。

20日と22日の両日に執り行った春季彼岸法要では、参詣の檀信徒の皆さまとともに、献膳、読経、焼香、唱題と如法に奉修申し上げました。もちろん、換気に配慮し、参詣者の方は距離を開けて着席、読経・唱題の声も抑え気味の法要です。
法要後には妙心尼御前御返事を拝読。
この御書は身延の日蓮大聖人に御供養をお届けになった妙心尼に対し、夫高橋六郎入道の病気について激励された御返事。
宗祖が高橋六郎入道の病について、『御仏は並ぶ者なき名医で有り、また、妙法蓮華経は不死の良薬である旨を述べ、「人の死ぬることは病によらず」「病あれば死ぬべしという事不定なり」と励まされていること。さらに諸行無常を身近に覚える鎌倉の時代、病と死について率直に述べられると共に、仏法という永遠の救済を深く信じて病と向き合うことの大切さを教えている』ことをお伝えしました。

次下の「病は仏の御はからいか」「病ある人 仏になるべきよし説かれて候」「病によりて道心はをこり候か」との御文はとても重要なご教示です。
『病を御仏のはからいと思えるのは、人間の能力や人生への限界を知ることによって、まことの人生の有り様を考える機縁となること。病や悩みや苦しみを覚える人こそ、自身におごることなく仏への道を歩むことができること。病など諸行が無常であることを自覚して、仏道に対して謙虚な心を持つことができるようになり、やがては永遠なる幸いの道(仏道)を求めることができる』ことをお伝えして彼岸会の法話としました。

相武山 山主

2020年03月27日

未知との遭遇

3月の日曜法話会は15日の予定でした。新型コロナウイルス感染防止のため、イベント・集会自粛要請中でしたが、『参加者はそう多くはない、換気に留意し、席を離して対応』と判断して開催。参加者は18名でした。

法話会、世相のテーマは「未知との遭遇」。このテーマの未知とは未だ正体の明らかではない「新型コロナウイルスとその感染拡大について」ですが、仏教的な視点からは「人生は常に未知との遭遇である」ことを意識してほしいと願ってのネーミングです。というのも、仏教の基本として説かれる「諸行は無常、あらゆるものは変化して止まない」に照らしてみれば、私たちの肉体も精神も日々変化していますし、周囲の環境や諸事象も常に変化しているのです。厳密に見つめてみればまったく同じ状態にある事物は一つもないことがわかるでしょう。

子どもがある日突然大人になるわけでもなく、高齢者が突然に老いたわけでもありません。一日一日の成長、一日一日の老化、その変化が現状をもたらしているのです。眼前の事物事象のすべては流動性の中に存在するものであり、私たちが判断している現状はその一端を切った断面であると表現することができます。そう考えれば実は毎日が未知との遭遇といえるでしょう。ただ私たちが意識していないだけ、意識できていないだけのことです。
難しいことはひとまず置いて、そのような仏教的視点をベースに今回の法話会では所見を述べました。

新型のコロナウイルスの発生とその感染というテーマは2月も取り上げましたが、発生源といわれる中国から近隣のアジア諸国への感染が拡大。さらにイランやヨーロッパやアメリカでも爆発的に感染が広がり、WHOもパンデミック宣言を出すに至り、我が国でもさらに深刻な状況が予想されていること、また、何ごとも比較検討しなければその是非・優劣はわからないことから、隣国台湾の対策を紹介して比較してみることにした次第です。

はじめにパンデミックが感染症の全国的・世界的な大流行を意味すること。次にペストやチフス、コレラやスペイン風邪、近年のサーズやマーズなど世界的パンデミックの歴史について概要を説明しました。WHOは3月11日にようやくパンデミックを宣言しましたが、私はもちろんまったくの門外漢ですが、その危険性を熟知しているはずのWHOの対応は、1月に遡る感染流行時からすでに後手後手と感じていました。中国に配慮しているのか、危険性をあおることを危惧しているのか、よくわかりませんが対策への疑問をお伝えしました。

続いて、新型コロナウイルスは感染力が強く、国や地域によっては致死率も高く、有効薬がなければ長期化の恐れがあること、感染の爆発的拡大によっては医療崩壊の危険もあることを紹介。また、すでに経済的・社会的に影響が出ていますが、今後より深刻な事態が予想されるので、政府行政は適切な対策を迅速に講じなければならないことを求めました。

次に2月頃から一部メディアやネットの報道で気になっていたのは台湾の感染症対策でしたので、ジャーナリストの西岡省二氏がアメリカのNBCテレビ(電子版)の記事をもとに3月12日に発信した内容を紹介しました。
『まず、昨年末から1月末にかけての迅速で適切な対策が講じられたこと。次に対策の厳格さによって水際対策が功を奏したこと。マスクなどの供給適正化を実行し社会的混乱を回避したこと。政府はメディアを活用して感染状況を適切に広報し、併せて手洗いやマスク着用など感染防止の具体的な周知に努めたこと。

台湾の対策が的を射ており、人心と社会の大きな混乱を回避できているのは、2003年のサーズ感染拡大によって犠牲者を出したことの教訓から、アメリカの疾病対策センター(CDC)を参考にした防疫の司令塔機関「国家衛生センター(NHCC)」を設置したこと。また、常時、中国との緊張関係にあり、非常事態について政府と国民双方に高い意識が共有されていたのではないか。』と記事を要約してお伝えしました。
さらに参加者の皆さんにはより実態を知って頂きたく、参考資料として「プレジデントオンライン」を提供しました。

最後に学ぶべきこととして、『眼前に起きていることは事実という認識が大切。人生は常に未知との遭遇(諸行は無常であるがゆえに)。諸行無常の日々は毎日が「プチ未知との遭遇」。眼前の未知との遭遇から何を学ぶのかが問われている。グローバリゼーションの現実。国や地域、人種や宗教を越えて地球は一つであるという現実を教えるパンデミック。各国や各地域の対策を比較検討して未来への糧とする。悲観と楽観に偏らず、慎重さと柔軟さのバランスを崩さないように注意する。今回のパンデミックから、より多くの人が学びを得ることが大切。学んだことを人生に活かそう。』との所見を述べて3月度の法話会を結びました。

相武山 山主

2020年03月25日

明るくなった参道

相鉄線三ツ境駅から当山への参詣には北口から若葉台行きのバスに乗って来られる方が多いと思います。矢指町のバス停から妙法院に上る階段までは3分~4分ほどですが、見上げる階段が結構急で一段ごとの高さがたかいことから難儀に思う方も居られることでしょう。

この参道の北西側は「追分市民の森」で杉やサワラが植樹されています。杉やサワラが密集していることもあって、薄暗い上に雑草が階段や参道まで生い茂り、かねてあまり環境の良い道ではないと案じていました。この道は当山の墓苑新設時に妙法院が整備して横浜市に寄付したものですが、横浜市も積極的に管理するわけではありませんし、隣接する市民の森も整備が十分に行き届いているわけではありませんから、境内の整備清掃の折りに適宜きれいにする程度しか打つ手がありませんでした。

2月下旬から突然この市民の森の樹木伐採が始まり、参道となる階段と道がぱっと明るくなり青空がのぞくようになりました。近年の台風や強風で倒木が多かったことや森の整備の必要性があったのでしょうか。理由はよくわかりませんがバスで当山にお出でになる方々にとっては気持ちの良いことでしょう。

境内南西の雑木林では長く河津ザクラが咲いていましたが、今は大きく枝を伸ばしたソメイヨシノが三分咲き、コデマリが春の陽射しを浴びています。間もなくシャクナゲが大きな赤い花を咲かせることでしょう。眼の前の自然の営みをみつめていると、一切の事物事象が妙法のはたらきによって生かされていることが実感できます。少しでも良い環境の維持に努めて行きましょう。

相武山 山主

2020年03月23日

御誕生会と三つの大事

16日(日)日曜法話会に引き続き宗祖誕生会を執り行いました。お祝いの赤飯で献膳を調え、参詣の皆さまと倶に献膳、読経、唱題と如法に奉修。その後、報恩抄を拝読。末法の法華経の行者である宗祖のご誕生には深い意義があることを述べ、以下、日蓮大聖人の教えの根本となる三つの大事についてお伝えしました。

報恩抄には
『問うて云く、天台伝教の弘通し給はざる正法ありや。答ふ、有り。求めて云く、何物ぞや。答へて云く、三つあり、末法のために仏留め置き給ふ。迦葉・阿難等、馬鳴・竜樹等、天台・伝教等の弘通せさせ給はざる正法なり。求めて云く、其の形貌 如何。答へて云く、一つには日本乃至一閻浮提一同に本門の教主釈尊を本尊とすべし。所謂 宝塔の内の釈迦・多宝・外の諸仏並びに上行等の四菩薩脇士となるべし。二つには本門の戒壇。三つには日本乃至漢土月氏一閻浮提に人ごとに有智無智をきらはず一同に他事をすてて南無妙法蓮華経と唱ふべし。
此の事いまだひろまらず。一閻浮提の内に仏滅後二千二百二十五年が間一人も唱えず。日蓮一人南無妙法蓮華経・南無妙法蓮華経等と声もをしまず唱ふるなり。例せば風に随ひて波の大小あり、薪によて火の高下あり、池に随ひて蓮の大小あり、雨の大小は竜による、根ふかければ枝しげし、源遠ければ流れながしというこれなり。周の代の七百年は文王の礼孝による。秦の世ほどもなし、始皇の左道なり。
日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし。日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり。無間地獄の道をふさぎぬ。此の功徳は伝教・天台にも超え、竜樹・迦葉にもすぐれたり。極楽百年の修行は穢土一日の功に及ばず。正像二千年の弘通は末法の一時に劣るか。是れはひとへに日蓮が智のかしこきにはあらず、時のしからしむるのみ。春は花さき秋は菓なる、夏はあたたかに冬はつめたし。時のしからしむるに有らずや。』
とあります。

すなわち、法華本門の南無妙法蓮華経こそ久遠の妙法であると覚知された宗祖は、仏道を成ずる戒定慧の三学にならって、一切衆生の成仏を顕す法華本門の妙法曼荼羅を本尊(定)とし、この曼荼羅本尊に仏法のすべてがそなわると深く信じ(戒)、法華本門のお題目を心口意の三業にわたって唱える(慧)ことこそ、末法の成道への信行であると教えられたのです。この法華本門の本尊、法華本門の戒壇、法華本門の題目が日蓮大聖人の遺された三つの大事であります。

以上をお伝えして誕生会(たんじょうえ)の法話としました。
明年は宗祖ご誕生800年を迎えます。

相武山 山主

 

 

 

2020年02月29日

一花開いて春を知る

2月の日曜法話会は16日(日)、雨の中での開催でした。午後からは日蓮大聖人のご誕生会(たんじょうえ)のため、一般の方よりも信徒の方が多く参加聴聞されました。世相のテーマは「諸行は無常」ー新型コロナウイルスの感染流行ーでした。

中国湖北省から発生したといわれる新型コロナウイルスの感染流行がテーマ。始めに医療検索サイト「メディカルノート」から2月初旬の「概要、原因、症状、検査診断、治療」などのデータを紹介。専門的知識はまったくありませんが、まだまだその正体もつかめず、検査や治療にも苦慮している状態であることを解説。

その上で、「あらゆる事物事象は移り変わるもの、変化を受容しながら普遍の真理を知ることが大切」「人生、いつ、どこで、何が起こるかわからないという認識の重要」「課題には目を逸らすことなく前向きに取り組むことが大切」をお伝えしました。

ポイントとしては「一葉落ちて天下の秋を知る」「一花開いて春を知る」との言葉から、わずかな前兆を見てその後に起こる大事を察知することの大切さを述べ、中国武漢市でいち早く新型ウイルスの発生に気づき警鐘を鳴らしながら、警察による不当な扱いを受けた上に、2月7日、新型コロナウイルスの肺炎によって逝去した李文亮医師の病死について解説しました。

我が国の政府の対応や情報発信は乱暴で丁寧ではないとみえることから、法話会では新型コロナウイルス感染流行の動向全般についてつたない所見を述べ、本当に国民の安全と安心が護られる態勢をとってほしいと望みました。

世相が長くなってしまいましたが、その後、昨秋から積み残しの「鎌倉仏教、日蓮と法華宗(3)」についても、そのポイントをお伝えしました。しかし、駆け足でしたので来月15日の法話会で再度丁寧に学び直したいと思います。

相武山 山主

 

2020年02月29日