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相武山 妙法寺 ブログ

激動を生きる

当山の日曜法話会は現在の地に妙法院を移転した翌年、平成23年の4月からの開催。法話会は始めから信徒限定ではなく、一般の方々を対象としたもので、タウンニュースなどで広報もしています。開催は8月と12月を休会として年間10回。その趣旨は「仏教に親しみ、その教えと信仰を理解して人生の糧として頂きたい。大乗仏教の精華法華経の教えと日蓮聖人の教えにふれて頂きたい」です。仏教徒である僧侶の視点から世相を考えたり、仏教思想やその信仰をお伝えしています。法話会は今年で16年目を迎え、今月の開催は18日(日)午前11時から。今月のテーマは「激動を生きる」サブタイトルは「良識を求める人生」でした。

《大国の横暴と蛮行》
2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに軍事侵攻して今年は4年の歳月が経過、いまだ終戦の兆しは見えず、ウクライナ国民の苦悩と悲嘆は深まるばかり。日本が前の太平洋戦争で米国を中心とする連合国と戦ったのは1941年12月7日~1945年の9月2日まで。長く過酷な戦争だったがウクライナ国民はそれよりも長い期間、地獄のような日々を過ごしていることになります。

間もなくウクライナ紛争が5年目に入ることを意識したので、早く平和になってほしいと願っていたところ、正月明けに飛び込んできたのは驚きのニュース「アメリカ軍がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領と妻のシリア・フローレスを米国に拘束・連行」。映画かドラマのような軍事作戦は全世界に大きな衝撃を与えました。

ロシアのプーチン大統領といい、アメリカのトランプ大統領といい、大国のリーダーの横暴と蛮行に世界の治安が脅かされています。人類の歴史は戦争の歴史とも言われるほどで、前の第二次世界大戦が終結してからも世界各地で紛争は絶えませんが、それでもできるだけ戦争を回避し、国連の活動や国際法によって治安を維持しようと努力がなされてきました。しかし近年、大国のリーダーの横暴によって平和も治安も揺らぎ、人類の智慧ともいえる近現代の人権や民主主義という優れた価値観にも影響が出ています。諸行は無常で私たちは常に激動のなかに生きなければならないのかも知れませんが、激動のなかにあっても見失ってはならないのが「良識を求めて生きる」ということだと思います。

法話会第一部「世相に想う」では始めに「断固たる決意作戦」の概要。
2026年1月2日深夜から翌1月3日未明(東部標準時)にかけて、アメリカ軍がベネズエラの首都カラカスを含む複数の地点を爆撃したうえで、特殊部隊デルタフォースによりベネズエラ大統領のニコラス・マドゥロと妻のシリア・フローレスを拘束・連行した。
アメリカは中央情報局(CIA)工作員を2025年から潜入させて準備し、攻撃直前にはサイバー攻撃でカラカスに停電を発生させた。アメリカ大統領ドナルド・トランプが1月2日午後10時46分に作戦決行を指示し、攻撃終了後に作戦は成功したと発表。

作戦の発動前よりアメリカはマドゥロ政権は麻薬テロ組織であると主張。2025年からベネズエラ周辺で船舶の攻撃や拿捕を行なっていた。国務長官のマルコ・ルビオは、マドゥロはアメリカ本土に移送され、アメリカ合衆国軍主導の刑事訴追を受けることになる。
との発言を紹介。

次にこの軍事作戦の評価について、国際法違反と主権侵害、国連憲章第2条4項の違反などの否定的な諸見解を紹介。続いて肯定的な意見として、アメリカの法律で「麻薬テロリスト」として裁くことは国内法的には可能という論理。「他国の元首の誘拐」ではなく、「国際的な犯罪者の逮捕」であるという位置づけ。独裁政権により苦しむ国民を救うための「人道的介入」の側面を強調する声などを紹介。

続いて国際法とその賛否、国際法の限界などについて解説し、現在の国際法の到達点として、「大国の暴走を完全に止める力はないが、暴走を『違法』と定義し、孤立させる力はある」。もし国際法がなければ、今回のアメリカの行動に対して、世界は「強いから仕方ない」と沈黙するしかなかった。しかし、国際法という「物差し」があるからこそ、私たちはこれを「違反」と批判し、議論することができる。「物理的な強制力はないが、正統性を奪う力(ソフトパワー)はある」というのが現代の国際法のリアルな姿と説明。

ウクライナ戦争や世界各地の紛争についての所見を述べた後、『良識を求める(トランプ大統領は反面教師か)』として、トランプ大統領の言動「稚拙な精神と言動。私利私欲と名誉欲。強欲な利益追求。合理性よりも感情優先。倫理道徳観の欠如。刹那的な快楽思考で普遍的な博愛主義や良識を求めない等々」が世界に悪しき影響を与えていることを指摘。その上で、反面教師としなければならないとお伝えしました。

また、トランプ大統領を選出した現代アメリカについても『超大国アメリカも苦悩が多い。国民の分断と対立。深刻な格差社会。麻薬と犯罪、暴力と非法が横行する。ゆたかでユーモアのある憧れの国ではなくなりつつある。自由と人権、民主主義の旗手ではなくなったのか?トランプの後にアメリカの良識は復興するか?』など所見をのべました。

結びに
時代も人生も常に激動の中にあることから、「時代の荒波に向き合うときには、何が起きたのか、なぜ起きたのか、どのような事態になっているのかという現実を見極めることが大切」。その上で「普遍性のある道理を見いだし、良識の輪を拡げて、平和と安寧の獲得をめざす」こと。「国家も地域も個人も良識を求め、その良識を尊重することが、平和と安らぎ、大きな利益をもたらすことを識る」。「激動の中で良識を求めて生きるのが人生の醍醐味と知識し、世相を鏡として人生の尊さと意義をかみしめて生活する。一人ひとりの見識の向上が世界の平和に通じている」とお伝えしました。
ちなみに良識とは、単なる常識のことではありません。「物事を深く見とおすことができるすぐれた判断力」のことを指します。
《詳細は相武山だよりのウエブ動画をご参照ください。》
相武山 山主

2026年01月27日