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相武山 妙法寺 ブログ

功徳不思議の力

秋の彼岸法要では21日、23日の両日、無量義経の十功徳品の一節を拝読して法話を申し上げました。
無量義経は、説時が仏の得道より四十余年にして『法華経』の直前に設定されているところから、古来『法華経』の開経とされ、結経の『観普賢菩薩行法経』と共に法華三部経と称されています。また、説かれた場所は『法華経』と同じく霊鷲山であり、徳行品・説法品・十功徳品の三品から構成されていることを紹介。

法話では原文
「この経は、よくかくのごとき無量の功徳・不思議の力あって、衆をして疾く阿耨多羅三藐三菩提を成ぜしむ。善男子。汝は、寧ろこの経にまた、十の不思議の功徳の力あるを聞かんと欲するや、いなや」と。大荘厳菩薩の言さく、「願楽わくは聞きたてまつらんと欲す」と。
ー中略ー
有為を楽う者には無為の心を志ざしめ、退心ある者には不退の心をなさしめ、有漏をなす者には無漏の心を起こさしめ、煩悩多き者には除滅の心を起こさしむ。善男子。これをこの経の第一の功徳不思議の力と名づく。」を拝読。

現代文に訳すれば
「この経は、このように無量の功徳や不可思議な力を持ち、多くの人たちを速やかに最高の悟りに導くことができるのである。
良家の子息よ。そなたはこの経がまた十の不思議な功徳を具えていることを聞きたいと思うか、どうか」と。
そこで大荘厳菩薩は次のように申し上げました。「どうぞお願いします。何とぞお聞かせ下さい」と。
すると、仏は次のように説かれました。「良家の子息よ。第一に、この経は、仏の智恵を得たいという心を起こしてない菩薩に、仏道を求める心を起こさせ、また慈愛の心がない者には、慈悲の心を起こさせ、生ある者を殺すことを好む者には、命を尊ぶ心を起こさせ、ねたむ心が強い者には、人の善事を見て喜ぶ心を起こさせ、
物事に強く執着する者には、それを捨てる気持ちを起こさせ、欲深く物惜しみが激しい者には、人に物を施す気持ちを起こさせ、おごり高ぶっている者には、仏の定めた戒律を守る気持ちを起こさせ、怒り憎しみの激しい者には、堪え忍ぶ気持ちを起こさせ、行ずることに怠惰で、なまけ心のある者には、ひたすら励む心を起こさせ、
心が乱れがちな者には、静かな定まった心を起こさせ、あれこれ思い迷っている者には、智恵の心を起こさせ、他の人を導くことができないでいる者には、導こうという心を起こさせ、殺生や盗みなどの十種の悪行をなす者には、殺生など悪行を行わない十種の善行の心を起こさせ、
移ろい行く世間の物事のみを追い求める者には、永遠なるものを求める心を起こさせ、ついつい退く心のある者には、退転しない心を起こさせ、欲の趣くまま生きようとする者には、欲のない清らかな心を起こさせ、多くの煩悩に苦しんでいる者には、煩悩を断尽しようという心を起こさせる。良家の子息よ。これがこの経の第一の功徳不思議の力である。」
となります。

この無量義経を読誦するという信行によって「無量の功徳や不可思議な力を持ち、多くの人たちを速やかに最高の悟りに導くことができる」と説かれ、次にその内容がわかりやすく示されています。
どなたが読まれても理解しやすく、「ねたむ心が強い者には、人の善事を見て喜ぶ心を起こさせ。物事に強く執着する者には、それを捨てる気持ちを起こさせ。怒り憎しみの激しい者には、堪え忍ぶ気持ちを起こさせ・・・」と説かれています。このような功徳は人間としての徳分そのもの。そこには仏道を歩む本質、仏と成る(成仏)その姿が説かれているのです。

仏道はよく難解といわれますが、此処に示された姿に成長して行くことがその目的であることがわかります。またさらには、愚人の成道を認める法華経では、成し遂げられなくてもそのようになりたいとして発心するだけでも仏の道に叶うのです。この言葉は法華経の開教である無量義経の教えですから、法華経にも通じるものです。

法話では「お彼岸の法要に法華経の道場に参詣。法華経要品を読誦され南無妙法蓮華経のお題目をお唱えになり、ご先祖や有縁精霊に追善の志をささげられた方々は、意識していなくても、すべてこの無量義経に説かれているように高く深い功徳を積まれたのですから、その功徳の内容を日々の人生で実感できるよう心を磨いて頂きたい」
とお伝えしました。
※詳細は相武山だよりのウエブ動画をご参照ください。

相武山 山主

2025年09月29日