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相武山 妙法寺 ブログ

志に生きる

宮澤賢治の世界にふれる

1月19日(日)午前11時から今年最初の日曜法話会を開催。平成23年の春から始めた当山の日曜法話会も早15年目を迎えました。法話会は8月と12月を除いて毎月1回の開催ですから1年に10回のオリジナル法話会です。毎回、「世相に想う」と「仏教に親しむ」を課題として法話に臨んでいます。
今年度の法話会の予定は
1/19. 2/16. 3/9. 4/13. 5/11. 6/22. 7/13. 9/14. 10/5. 11/16.
とお伝えしました。

この日は初めてご参加の方が二人居られたので、プロローグとして当山の法話会の趣旨と仏教の基本的思想について簡略に解説。
(※相武山だより「不染」2月号の動画をご参照ください)
今月のテーマは「志に生きる ー宮澤賢治の世界にふれるー」です。

「世相に想う」では「貴重なものであるが災厄や苦悩も多いのが人生」として、『新年の年頭に皆が信心深くなる日本』。《自らを支えている存在に気づく時・・・。時に参詣者があふれる寺社仏閣・・・。自然のすばらしさに畏敬の念を覚える人々。無心で願いや希望を祈る人々・・・。新年の誓願を立てる人々・・・。意識の有無にかかわらず、皆、人生の無常とその貴重さを覚える初春。》について所見を述べました。

次に『阪神淡路大震災から30年』。前日の朝日新聞を参考に当時の悲惨な状況を振り返りました。また、その後の東日本大震災、熊本地震などの自然災害に言及。「私たちはいつ何が起きても不思議ではない世界に生きている。貴重な人生であることを認識しよう。」とお伝えしました。さらに、事件や事故が絶えない世界に生きているとして、「闇バイトなどによる強盗事件・・・。絶え間ない詐欺や窃盗事件・・・。家族や親族間で起こる争乱・・・」を紹介。
悩みや迷いのない人はほとんどいないという現実を直視しながら、災害や事件、事故などに遭遇したとしても、心の健康を損なうことなく人生を愉しむためには、「志を立てて生きること」が大切であるとの私見をお伝えしました。

《志に生きた人「宮澤賢治」》
歴史をひもとけば容易に「立志に生きた」すばらしい群像を見ることができます。その一人に詩人で文学者の宮澤賢治がいます。宮澤賢治は法華経の信仰者でもありましたから、かねて法話会でその存在についてご紹介したいと考えていました。日本文学界に大きな足跡を遺し、数多くの人々を魅了した宮澤賢治。幼い頃その詩「雨ニモマケズ・・・」にふれて以来、私も彼の文学に惹かれた一人です。1月の法話会では逝去後に高く評価されたその人柄と思想。さらに自らの志に生きたその人生を学びました。

彼の思想にふれるためには、まずはその生涯を知らなければなりません。1月の法話会では「略歴をたどる(その人を知る)」として、彼の半生『誕生から少年期』『盛岡中学在学時』『盛岡高等農林学校進学と法華経との出会い』『盛岡高等農林在学時』『妹トシの入院と国柱会』『家出上京、国柱会活動』『農学校教諭時代』『妹 トシの死』『詩集と童話出版』を紹介しました。
(※詳細は相武山だより「不染」のウエヴ動画を参照ください。)
つづきは次回の法話会での紹介となります。

むすびには参加者の皆さんとご一緒に、「雨ニモマケズ」をゆっくりと声に出して読みました。
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ 隂ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ[#「朿ヲ」はママ]負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
南無無辺行菩薩
南無上行菩薩
南無多宝如来
南無妙法蓮華経
南無釈迦牟尼仏
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩
心静かに繰り返して読み上げると宮澤賢治のたしかな息づかいが聞こえて来ます。

今年は少し時間を頂いて、「志に生きた 宮澤賢治」をご参加の皆さまと倶に学んで行きたいと考えています。彼のあまりにピュアで純粋な精神に自分が恥ずかしくなる想いですが、病苦や老い、災害や事件などで思うようにならぬ人生であり、社会であるからこそ、法華経に帰依して生と死、苦楽を超克した彼の思想や信仰にふれて人生の糧にしたいと思います。

相武山 山主

 

2025年01月29日