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相武山 妙法寺 ブログ

宗祖ゆかりの依知を散策

12月7日(土)、初冬の澄み渡る青空のもと、「鎌倉歴史散策の会」を開催しました。妙法院では毎年12月第一周の土曜日に日蓮大聖人ゆかりの鎌倉の歴史と文化を訪ねる散策会を行っていますが、今年は宗祖が龍ノ口から佐渡に向かうために一時滞在された厚木市「依知」の散策。

今年の5月、新潟県長岡市で開催された全国大会の折りに妙法院では佐渡御聖跡研修会を実施し、宗祖の御事跡に大きな足跡をのこす佐渡での御生活を偲びました。佐渡の御流罪は宗祖生涯最大の法難であった「龍ノ口の法難」を超克されてのこと。法難を凌がれた宗祖は佐渡の代官である本間重連の屋敷(相模国依知の本間邸)に約一月ほど滞在し、この依知の地から佐渡に出立したのです。
土木殿御返事には
「此の十二日酉の時御勘気。武蔵守殿御あづかりにて、十三日丑の時にかまくらをいでて、佐土の国へながされ候が、たうじはほんま(本間)のえち(依智)と申すところに、えちの六郎左衛門尉殿の代官右馬太郎と申す者あづかりて候」とあります。
現代語訳すれば
「この十二日の午後六時頃に、国主のお咎めを受けました。武蔵守(北条宣時)殿の預りとして、十三日の午前二時頃に鎌倉を出て、そのまま佐渡国へ流されるところでしたが、今は依智という所で、本間六郎左衛門尉殿の代官である右馬太郎という人に身柄を預けられており、もう四、五日はここに留めおかれる模様です」
となります。

少し肌寒さを感じる初冬の朝9時、参加者は海老名駅西口バスセンターに集合。参加予定者は例年「鎌倉歴史散策の会」でご案内頂いている酒井俊克さん、興厳房と私を含めて13名。
酒井さんはいつものように現地を下調べされると倶に、宗祖の依知での滞在と「星降りの梅」伝説の資料を整理して居られました。充実した散策とするために参加の皆さんには事前に興厳房による実施要項と、酒井さんより提供された「厚木市史たより31号」を配布。

提供された厚木市史には、今年の1月から3月まで東京国立博物館で開催されていた特別展「本阿弥光悦の大宇宙」の本阿弥光悦座像に着目された山田不二郎氏(厚木市史編集専門委員会委員)の解説が掲載されていました。
そこでは座像の裏面「以相州星降梅造之光悦像」の銘から筆を起こされ、「日蓮の相州依知逗留と星下りの奇瑞」「光悦と法華信仰」「不受不施義を巡る争論」とレベル高く興味深い論述が展開されています。
このたよりは9月30日の発刊。偶然とはいえ私たちの散策の資料としてはベストといえる内容で、宗祖の置かれた環境や依知での明星天子伝説が丁寧に解説されていました。

今回の散策は「星下り伝説を伝える」三カ寺の寺院を中心に相模川の西岸を下依知・金田(妙純寺)から中依知(蓮生寺)、そして上依知(妙伝寺)と巡りました。海老名駅からはバスで金田神社前に移動し明星山妙純寺を見学。久しぶりの見学でしたが境内は以前よりも良く整備されているように思いました。

その後、金田神社前からバスで中依知に移動し宝塔山蓮生寺を見学。このお寺は相模川の河川敷にあったようですが、相模川の洪水などで現在地に移転したと伝わっています。高台にある境内からは相模川とその一帯に広がる河川敷が一望できます。
この蓮生寺からは川の近くにある旧道に下り、相模川に沿って北上、上依知の妙伝寺をめざします。雲一つ無い青空に朝方の寒さもすっかり和らぎ、初冬の散策日よりを満喫しました。途中、酒井さんからは相模川や古道の解説もあり、当時の生活や交通などの歴史を学ぶことになりました。

しばらく歩いて最後の目的地である上依知の妙伝寺に到着。このお寺も久しぶりぶりでしたが、境内はしっとりと落ち着いた趣で、よく手入れがなされていました。この寺院にも星下りの伝説があり、本間邸のいわれを伝えています。妙伝寺を出て北に上ると「上依知の渡し跡」がありました。往時、ここは渡場(わたっぱ)といわれ、対岸への渡し船が往来していた所ということです。ここで本間邸の旧跡、星下りの伝説を伝える「相模国依知」三カ所の散策はすべて終了。
上依知のバス停で本厚木に出る方と海老名方面に出る方で分かれることになり、散策会は無事に解散となり、各自帰路に着きました。今回は宗祖の足跡をたどる約16000歩の散策でした。

散策にご参加の熊木さん、久保さん、森さん、梶山さん、菅野さん、新倉さん、安西さん、原さん、麻生さん(2)ご苦労様でした。
ご案内頂いた酒井さんありがとうございました。
明年も楽しみにしています。

相武山 山主

 

2024年12月24日