相武山 妙法院のブログ

令和6年度日蓮大聖人御会式を奉修

当山の令和6年度日蓮大聖人御会式を10月26日（土）と27日（日）の両日にわたって奉修。教区僧侶の臨席を頂き、檀信徒のご協力を得て無事厳粛に執り行うことができました。
26日（土）の御逮夜法要は16時から奉修。御会式のために荘厳された御宝前に25名の信徒が参詣。今年はコロナ禍のために中止していたご信徒による「申状の奉読」も再開。5名の方々には本堂内陣に着座して頂きました。
如法に法華経寿量品長行を読誦、自我偈の前で磬を打ち、まず鈴座の興厳房が日有上人の申状を奉読、続いて私が立正安国論を奉読。その後、日蓮大聖人申状を阿部誠也さん、日興上人申状を熊木真治さん、日目上人申状を阿部一博さん、日道上人申状を高幸三さん、日行上人申状を重𠮷稔さんが奉読されました。奉読後は自我偈を訓読。続いて南無妙法蓮華経のお題目を唱へ、日蓮大聖人への御報恩を申し上げました。法要後には住職より御会式の意義と日興門流の信仰をふまえての挨拶がありました。

少し気温は高いものの穏やかな天候に恵まれた27日（日）は14時から御正当法要。受付や駐車場の整理のため有志の方々には13時前に参集頂き、御正当会には約60名の檀信徒が参詣。参詣者は「おめでとうございます」と挨拶を交わしながら本堂に着席。開式10分前には司会進行の阿部一博さんが、式次第の裏面に掲載された「御会式の意義について」を読み上げ定刻に開式を宣言。

教区僧侶の着席にて唱題が開始され導師（住職）が入堂。導師は御膳と供物が供えられた御宝前に進み下種三宝尊への献膳。引き続いて、導師座に着席して如法に法華経要品を読誦。寿量品長行にて導師並びに臨席僧侶が献香。お給仕の供僧が立正安国論並びに申状を奉読者に持参、自我偈の前で磬が打たれて鈴座の願生寺住職高橋恩道師が日有上人申状を奉読。続いて導師が立正安国論を奉読し、その後、臨席僧侶によって御先師の申状が奉読されました。今年の御会式には宗祖と御先師の申状並びに立正安国論（総ルビ付）の冊子を参詣者に配布しましたので、お参りのご信徒も申状の奉読が身近なものになったのではないかと思います。奉読後は自我偈を訓読。真心からの唱題を申し上げ、末法下種の法主である日蓮大聖人へ御報恩謝徳申し上げました。

法要後は神栖市願生寺住職高橋恩道師による講演。
高橋師は宗祖御入滅の池上の地からの『波木井殿御報」を拝読。
『波木井殿御報　現代語訳』
「つつしんで申し上げます。身延を出発してより大過なく、無事に武蔵国池上に到着いたしました。道中、山あり河ありで、たいそう困難な旅でしたが、貴殿のご子息たちに守護していただき、何とか池上に着きましたことは、まことにありがたく思い、悦ばしく感じております。やがて病気が治れば、身延へと帰る道になるとは思いますが、何せ病気の身ですから、どうなるか分かりません。しかしながら、日本国中があれほど持て余していたこの日蓮に、九ヶ年もの間、御帰依くだされたお志しはまことにありがたく、たとえどこで死にましても、墓は身延の沢に立てていただきたいと思います。
また、栗鹿毛の馬はあまりにも愛着を覚えますので、いつまでもそばにおきたいと存じます。常陸の温泉まで連れていきたいと思いますが、あるいは人に盗られてしまうかもしれませんし、また、つらい思いをさせてはかわいそうなので、常陸の温泉から帰るまで上総の藻原殿のもとに預けておくことにしました。ただ、馴れない馬の世話人をつけたのでは何とも不安ですので、私が帰るまでは、貴殿が付けてくださった世話人を付けておきたいと思います。この旨、御承知下さるよう、お願い申し上げます」。
御入滅に到る宗祖について詳細に解説され、また、御会式の意義と富士日興門流の信仰についても説明されて御会式の講演とされました。

その後、新倉講頭の信行誓願の挨拶と御会式を寿ぐ住職の挨拶があり、お花くずしが行われました。今年から混雑を避けるため、飾り台の供物をくずして参詣者にふるまうのではなく、飾り台のサクラの花だけをくずし、お供物は事前に御宝前にお供えして参詣者にふるまうかたちとなりました。お花くずしの後、参詣の檀信徒は受付にて供物とサクラの花を頂き、御会式参詣の悦びを胸に帰路に着きました。今年も無事厳かに御会式を奉修申し上げることができ、参詣僧俗の皆さまに心より御礼を申し上げます。

相武山　山主