相武山 妙法院のブログです。
当山では10月末の「御会式」を迎えるために夏の終わり頃から準備を始めます。末法の法華経の行者への御報恩を申し上げる御会式は、日蓮門下僧俗にとって一年で最も大切な法要。御会式の御宝前には法華経が説かれた霊鷲山をイメージした荘厳が設えられますが、そこには当門流の常日頃静寂な御宝前とは異なり、サクラの花が華やかに供えられます。このサクラは宗祖の御入滅に際してサクラの花がほころびたという言い伝えによるものですが、下種の教主の常住此説法を寿ぐすがたを顕しています。
当山のサクラの花は、4尺の竹ひごに桜のつぼみと葉、そして桜紙のサクラをあしらっています。夏の終わり頃には竹ひごを発注します。竹ひごは小田原の業者の方に長く用意頂いていたのですが、廃業されたので今は興厳房がネットで遠方の業者に発注しています。枝先のつぼみはこのところ小原さん夫妻に作って頂いています。緑の葉は高橋さんが事前にご用意。サクラの花びらを押さえる「こより」は落合さん夫妻がたくさん作ってくださったのでストックがあります。サクラの花は初秋の行事などの折りに参詣者によって作られ、また、参詣者が自宅に持ち帰って作って頂きました。お陰様で秋の彼岸の頃には下準備が調い、その後、彼岸会や御経日、法話会の後などで竹ひごに「つぼみ、葉、花」をマスキングテープで巻きつけ、御宝前荘厳のサクラの花が完成。お飾りを待ちます。
19日(土)は10時から境内、本堂、客殿、玄関、ロビー、トイレなどの清掃整備。新倉さん、熊木さん、久保さん、柴さん、市川さん、小原さん、落合さん(2)、重吉さんの皆さんにご協力頂きました。境内や参道、堂宇は日頃から興厳房と倶に清掃を常としていますが、御会式を前に窓拭きなどさらに丁寧に浄めて頂きました。やはり人手があると普段できない箇所も浄めることができ大いに助かります。ご協力頂きありがとうございました。
今年の当山の御会式は26日(土)16時から御逮夜法要、27日(日)が御正当法要です。23日には横浜橋商店街に行き、いつもの青果店で「柿、みかん、りんご」を各100個ほど購入。24日には元和菓子職人の小原さんと興厳房でお供え餅と御宝前荘厳の竿餅作り。数年前から発注先の閉店やコストカットをみすえてお寺で作ることになりました。それも小原さんあってのことでとても感謝しています。興厳房もかなり腕を上げてきました。前日の夜、興厳房が大量のもち米をうるかし、朝から餅つき器で餅をつき、客殿でお供えと竿餅をつくりあげました。翌日には竿餅を切り分けて着色。25日には御宝前と本堂を丁寧に清掃して26日のお飾りを待ちます。
26日(土)は14時からお飾りでした。少し前から世話人の方々が参集。サクラの花をひろげ、みかんや柿をラップで巻いて帯状にし、飾り台の上を覆うための半紙を山折りにして準備をします。左右の飾り台の上には胴藁の柱が置かれ、まずは竿餅を飾り帯で胴藁に巻き付け、続いてその上にみかんと柿を巻きます。ゆずは割愛させて頂きました。左右の胴藁柱の飾りができたらサクラの花を左右の胴藁上部に100本ずつさして行きますが、バランスをとって広げていくのが以外に難しく、少し手こずりましたが距離をおいて見ている人からのアドバイスによって、間もなく御会式を慶祝する華やかな御宝前ができあがりました。所用時間は例年どおり1時間10分ほどでした。
下種の法主である日蓮大聖人への御報恩法要(御会式)を奉修するために、今年も檀信徒の皆さまと倶に準備をさせて頂きました。御会式の準備はどなたでも参加ができます。信行を深める機会ですのでこれからも多くのご信徒の参加をお待ちしています。
相武山 山主
2024年10月28日