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相武山 妙法寺 ブログ

個人の平安は社会の安寧と倶に

8日の法話会は前半の世相「コロナ禍に遭遇、オリンピック雑感」に少し時間をとられましたが、前月の「立正安国論と日蓮の思想」に続いて「大乗仏教の特徴とその実践・個人の平安は社会の安寧から」。我が国の仏教は大乗仏教といわれています。また、日蓮大聖人は法華経こそ釈尊の教えの根本であり大乗仏教の精華であると述べ、自らの仏法が法華経を基盤としていることを明らかにしています。


日本仏教の各宗各派はそれぞれの宗学の中で大乗仏教の意義付けをしていますが、大学などを中心に印度学仏教学の研究者によって大乗仏教が学術的に探求されています。そのよう現状をふまえ一般概念としての大乗仏教を理解して頂くために、日本大百科全書(三枝充悳述)と国史大事典(中村元述)の「大乗仏教」を紹介しました。

日本大百科全書
「大乗はサンスクリット語のマハーヤーナの訳語で、『「多数の人々を乗せる広大な乗り物』の意。すなわち一切衆生の済度を目ざす仏教という趣旨。
仏滅後数百年(紀元前後ごろ)インドにおこった新しい仏教運動は、それまでの諸部派に分かれて各自の教理体系を固めていたあり方を鋭く批判しつつ、幅広い諸活動を展開し、やがて新しい諸経典が成立するなかで、『般若経』以来この自称が確定した。
従来の出家者中心の仏教を一般民衆に開放し、在家信者を主とする進歩的な考えの仏教徒の間からこの運動はおこり、異民族に支配されて混乱していた、当時の悲惨な社会状勢や、仏教遺跡のストゥーパ崇拝などとも関連が深い。」
ことなどを解説。

国史大事典
「インドで西暦紀元後に興起した新しい形態の仏教。サンスクリットでマハーヤーナという。マハーとは「大きい」の意、ヤーナとは「乗物」を意味する。それ以前からあった保守的な仏教(いわゆる小乗仏教)では修行僧が独善的になる傾きがあったのに対して、ひろく民衆のための仏教であることをめざす。「大乗」の「大」には、大・多・勝の三義があるという。それは(一)偉大な教えであり、(二)多くの人々を救い、(三)勝れた教えであることを標榜する。大乗仏教は、民衆の宗教であり、諸仏・諸菩薩を信仰する。みずからは救われなくてもまず他人を救うという菩薩の精神が強調された。
諸仏・諸菩薩を熱心に信仰して念ずることを強調するために、多数の仏像が製作された。その製作の中心地は、ガンダーラ(パキスタン北部)とマトゥラーとであった。
最初期の大乗仏教は、ストゥーパを崇拝していた一般民衆および修行僧のあいだから起ったと考えられるが、当時は荘園をもたなかった(当時荘園をもっていたのは、いわゆる小乗仏教だけである)。しかし民衆のあいだに根強かった呪術的要素をとりいれることによって、一般民衆のあいだにひろがった。」
ことなどを解説。

続いて「一切衆生の平等成仏を認める実大乗の教え」として、[・上座部(小乗)仏教の出家主義、権威主義からの解放。・大乗仏教の精華「法華経」は一仏乗の教え。すべての人々が差別無く等しく仏と成ることを認める。・法華経は一切の仏法を包摂した実大乗の教え。・現実社会での人生の営みがそのまま仏道の修行。・妙法(法華経)受持とは菩薩道の実践]であることをお伝えしました。

「天災人災の元凶を仏典に求めて著されたのが立正安国論」であり、[・大乗菩薩道(自他倶に救済)の実践に生きた日蓮。・末法という仏教史観を基盤にした日蓮の教え。・世相は迷乱、混濁、愚人劣機の自覚。・南無妙法蓮華経の唱題成仏。・仏法即世法の実践。・仏道と社会生活を分離することなく、仏法信仰によって個人の救済と社会の安寧を願った日蓮。]について解説しました。

 レジメの最後は「個人の平安は社会の安寧から」。
[・現代に生きる私たちは歴史的に恵まれた社会環境にある。・太平洋戦争の敗戦によって得た民主主義。・主権在民による自由と民主主義、基本的人権が憲法で保障されていることを自覚。・政治を軽視してはいけない、主権者としての義務と責任を果たそう。・個人の平安には社会の安寧が不可欠であることを認識し、一人一人が社会の安寧を願うことが大切。]であることをお伝えしました。
結びに「一昨日は広島に原爆が投下された日であり、明日は長崎に原爆が落とされた日です。15日には76回目の終戦記念日を迎えます。8月は戦争と平和、国民主権と自由と人権を皆で考える時ではないかと思います。」と述べて8月度の日曜法話会は終了。次回の日曜法話会は9月12日午前11時からの開催です。

相武山 山主

2021年08月29日