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相武山 妙法寺 ブログ

学びを愉しむ(上)

6月の日曜法話会は13日(日)。テーマは「学びを愉しむ」。サブタイトルは「学びは人生を豊かにするもの」でした。はじめにいつものように当山の法話会の趣旨を述べ、釈尊の十四無記の姿勢から仏教の目的が自然科学的な真理探究が主眼ではなく、「人間如何に生きるべきか」ということにあること。また、釈尊の覚りの中心にすえられているのは「縁起」の思想であることを略述しました。

 この日のテーマ「学びを愉しむ」は寿命が100歳に向かっているとさえいわれる長寿社会の日本。多くの人に定年を迎えてもなお30年以上の老後の時間が在ることになります。その時間は生育期間としての少年期から青年期、子育てや社会の担い手であった壮年期とは大きくちがい、自由な時間が相当長く続きます。また、その時間は日々老化して行くことを実感するもので、健康が損なわれがちになり、心身共に思うようにならぬことに不安や苛立ちを覚えるものでもあります。

そのような老後も貴重な人生の一コマ。法話会では「学ぶことの愉しさを知れば高齢者でも最後まで人生を豊かに生きることができる」こと。また、青年や壮年の方には人生のおもしろさや深さを知るためにも、「遇・不遇、喜怒哀楽の対象はすべてが学び」と受容し、学びの世界を広げて豊かな人生を歩んでほしいとお伝えしました。

自分には知らないことが多くあり、学ぶべきことが多くあると認めて、その真意を探求することは謙虚な心の基本です。また、人生の苦楽すべてが学びの対象であることを知って、辛いことや苦しいこと、悩むことや悲しいこと等も学びになると理解できれば、「知ること、学ぶことが愉しい、学びの中に真の愉しみがある」と実感することができます。そして、どのような境遇にあっても人生を楽しむことができるようになるのです。この姿勢は「人生如何に生きるべきか」をテーマとする仏教の基本思想にも通じるものといえましょう。

 法話会ではレジメに沿ってのお話。
はじめに「学びとは?」として、「勉強と学びは同義か? 教育と学びの関係? 勉強と教育のイメージ」を提示。勉強と教育には、「人生を歩むために必要な教育。身につけておかなければならない基礎的な知識や常識」を前提として、勉強には「勉め強いる、強いて勉める」という他者から強制されるイメージがあり、教育には「教え育む」という父母や教師などからのはたらきかけのイメージがあることを解説。

「学びのイメージ」として、「自主的、主体的というイメージ。自らの意志と直接につながっているイメージ。対象はすべての分野に及び、人生を歩むための手段ではなく、より良い人生を歩むための心得であり姿勢」であることを解説。その上で、「なぜ? どうして? 何のために?・・・という童子のような問いかけを忘れない。学びの心は好奇心と探究心そして愉しむ心から。学びは人生の愉しみと知る」との所見をお伝えしました。
(つづく)

相武山 山主

2021年06月28日