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相武山 妙法寺 ブログ

源を見つめる(上)

5月の日曜法話会は16日(日)午前11時からでした。コロナ禍による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が全国各地に出され、収束が見込めない上にワクチン接種もかけ声倒れでほとんど進んでいないという現状です。その上この日は天候も不安定でしたから参加者は16名ほどでした。参加者の多寡で法話の内容や私の意識が変化することは全くありませんから、いつものようにテーマ「源を見つめる」をレジメに沿ってのお話。

【雨の恵みに思う】
例月どおりに日曜法話会の趣旨をお伝えしてテーマに入る前に、「例年より早い梅雨入り」について一言。というのも北九州、中国地方、四国地方が例年より3週間ほど早く梅雨入りしたという報道があり、関東地方もいつもより早い梅雨入りが予想されているので、うっとうしい梅雨時の心の持ち方を参加者の皆さんと考えてみようと思った次第。

我が国では梅雨前線の活動が活発になる6月から7月にかけての時季を梅雨と呼ぶ。晴れ間が少なく曇天に降雨が続くと誰もが心も塞ぎがち。また、湿度が上がってムシムシしてきたらさらに不快指数が上昇。野外での作業も制約され、外出も面倒になり、洗濯物も乾かない、カビも生えれば食物も腐りやすくなる。少し考えただけでもため息が出てきそうな季節という方も少なくありません。

しかし、中国の俗諺に『春の雨は貴きこと油のごとし』とあるように、植物などの成育に雨は太陽とともに不可欠な存在。雨はあらゆる生命を支える水の源であり、水がなければ動物も植物もあらゆる生物は生きて行くことができません。自然界の営みでは雨はまさに恵みそのものなのです。また雨は塵や汚れを洗い流してもくれます。
時に豪雨となって深刻な水害をおこすこともありますから注意は必要ですが、暑い夏を乗り切るためにも梅雨は私たちにとって必要な時季なのです。愚痴ばかりに流されずに、うっとうしい梅雨のときこそ雨の恵みを学ぶ機会とし、梅雨ならではの愉しみを見つけたいものです。心の持ち方を工夫する好季であることをお伝えしました。

【源を見つめる(上)】
さて法話会のテーマの副題は「原点を意識して人生を歩む」です。俗諺にも「迷ったら原点にかえる」とあります。原点を意識しながら人生を歩むことが大切であることから「人生のすべてにおいてその源を意識する。目的を見失ってはならない。基本を疎かにしてはいけない。自らの存在と行動の原点を常に意識すること」をお伝えしました。また、「貴重な人生、家族、夫婦、学び舎、教師、友人、交友、就職、職責など」その存在と行動の理由を意識し、「何のために? なぜ? どうして?」という自身への問いかけを忘れてはいけないという所見を述べました。

次に先人のことばに学ぶでは、
論語の学而篇から「君子は本を務む。本立ちて道生ず。」を紹介。
『君子は何ごとにつけ根本のことに力を注ぐ。根本が確立されると。行くべき道がおのずとできてくるものである』(有若のことば)
孟子の言葉から「道は大路のごとく然り。豈に知り難からんや。人求めざるを病むのみ」を紹介。
『聖人の道は多きな道路のようなものである。どうしてわかりにくいことがあろうか。人が自ら求めようとしないことが問題なのである。』
荀子の君道篇から「源清めば則ち流れ清み、源濁れば則ち流れ濁る」を紹介。
『源泉が澄みとおっていれば下流も澄み、源泉が濁っていれば下流も濁る。物事はその根源にあるものの善し悪しに左右されやすいことをたとえる。』
後漢書から「涓流寡なしと雖も、浸く江河を成す」を紹介。
『ちょろちょろと流れる小川の水はごく少ない水だが、しだいに大河の流れとなる。大きなことも小さなことから始まることのたとえ』
説苑から「本傷めば枝槁れ、根深ければ末厚し」を紹介。
『木はその根元がいたんでいれば枝葉は枯れてしまい、深くしっかりしていれば、こんもりとよく繁るものである。何ごとも基本が大切であることを説くたとえ』
以上のことばから枝葉末節に振り回されず、源を常に意識することの大切さを学びました。
源流や大道、柱や幹を大切に対応することの反語にもなるのが、場当たり的、その場しのぎの対応。少し目をこらして現実を見ればそこかしこにその姿をみることとなります。

【コロナ禍の増大とワクチン接種の混乱】
5月16日現在、緊急事態宣言が出されているのは、北海道、東京都、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県 及び福岡県の計9都道府県。まん延防止等重点措置は千葉、神奈川、埼玉、岐阜、三重、愛媛、沖縄、群馬、石川、熊本の計10県。
合計19都道府県に宣言と措置が講じられていますから、心穏やかな品格の国民性といわれても世相を不安に思うのは当然です。国や地方の行政を司る方々も一所懸命取り組んでいるのでしょうが、今ひとつ合点がいかないのは感染拡大防止が最優先という徹底がなされないことだと思うのは私ばかりではないでしょう。

いわれるまでもなく経済活動や社会活動は私たちにとって大切なものですから、コロナ禍であってもそれなりの活動をすることは理解できます。しかし、感染防止が至上命題なのですからその徹底をはかられなければ成果は上がりません。二兎を追う者は一兎を得ずです。また、責任者が平時と緊急時の認識ができず、基本的判断がにぶればより良い成果も得られようはずがありません。
新型コロナウイルスによるパンデミックですから誰が責任者でも対応は厳しく難しいと思いますが、多くの国民が不安と困窮を来しているのですから、権力者としての責務をしっかりと果たしてほしいとの願いをお伝えしました。

ワクチン接種については「まだ医療従事者も25%の接種。高齢者の接種は各自治体でバラツキが。各地でワクチン接種予約の混乱。政府は7月末までに高齢者の接種完了を明言?ワクチンの確保が不明な上に接種の準備(会場、スタッフなど)ができていないのが現状では?行政への不信と不安?」という現状や疑問について解説。
さらに私のワクチン接種予約の顛末を報告しました。
高齢者の一人である私が、同居する94歳の高齢者のために、5/3、5/5、5/10、と3日間3回にわたって接種予約にチャレンジしましたが見事に空振り。イライラが募るとともに、サイトからの予約も電話での予約も機能しているようには思えなかったので、「横浜市は何を目的にして予約のチケットを送付したのかな?予約チケットへの対応をシュミレーションしていたのかな? 80歳以上の高齢者への予約も済まないうちになぜ70歳以上の高齢者にもワクチン接種通知を送付するのかな?・・・」と次から次に???でした。

不安解消のはずのワクチン接種予約が疑問とストレスになった顛末と、最後にはかかりつけクリニックで私も同居高齢者も一緒に予約がとれたことをお伝えしました。ワクチン接種のこぼれ話として、一部行政の首長や地域有力者などが抜け駆け接種問題を起こしている報道を紹介。人の道を踏み外すようなことはまことに残念。何ごとも源や基本を大切にしたいものです。

相武山 山主

2021年05月29日