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相武山 妙法寺 ブログ

仏法の護持と弘通を誓願

ゴールデンウイークがはじまる4月29日(木)午前11時より立教開宗会と御虫払法要を執り行いました。コロナ禍での法要ですから参詣者は25名ほどでした。立宗会は建長5年4月28日の宗祖の立教開宗を御報恩申し上げる法要であり、御虫払法要は当山に所蔵している御宝物のお風入れ虫払いを行う法要です。近年、当山では二つの大切な法要を同日に奉修しています。

【御宝物を解説】
三日ほど前から本堂内陣に所蔵御本尊と宗開両祖の御影画を奉掲。今年は始まる前に私から御奉掲の御宝物について30分ほど解説をいたしました。九幅の曼荼羅本尊は江戸末期から明治にかけてのものが大半です。中央御厨子に安置の御本尊は天保10年の曼荼羅。天保の改革や大塩平八郎の乱の頃の御染筆になります。元治元年の二幅の御本尊は幕末の池田屋事件や禁門の変、長州と四カ国戦争の頃の御染筆。明治7年の御本尊は明治維新の動乱期、佐賀の乱から西南戦争に至る頃の御染筆です。

宗祖、弘安4年4月の御図顕、僧日春授与の御形木本尊。中山法華経寺浄光院所蔵の重要文化財「水鏡の御影画」の複製についても解説して紹介。宗祖の御影については宗祖滅後より弟子が画像に描き木像に造立した事実をお伝えし、日興門流では宗祖滅後の三宝を明らかにするため、宗祖と日興上人の両御影を曼陀羅本尊の左右に安置してきた歴史を紹介しました。

【私集最要文注法華経】
また、昨年求めることができた「私集最要文注法華経」の複製を長机にて披露。
この注法華経については『図録 日蓮聖人の世界』から、
「『注法華経』の存在は日蓮聖人遷化の際、高弟の日興がその葬送の様子や聖人の遺言等を記録した「宗祖御遷化記録」に確認することができる。「御遺言に云く、仏は〈釈迦立像〉墓所の傍らに立て置くべし云々。経は〈私集最要文、注法花経と名づく〉同じく墓所寺に籠め置き、六人香花当番の時之れを披見すべし。自余の聖教は沙汰の限りに非ず云々。御遺言に任せ、記するところ件の如し」
右の記述によれば、「注法華経」は他の聖教とは異なり、公の物として聖人の墓所に保管し輪番の者たちがそれを研鑽せよというのが聖人のご意志であった。それは「私集最要文、注法花経と名づく」とみずから記されているように、これがぼう大な聖人の取材ノートであり、それゆえ聖 人の思想の土台ともいうべき最要文集であったからに他ならない。

 

さてこの『注法華経』は、通称『春日版』と呼ばれる法華三部経十巻(法華経・無量義経・普賢経)の表裏に、聖人がおびただしい経釈の要文を注記されたもので、正本は現在静岡県三島市の妙法華寺に所蔵されている。立正安国会が昭和三十年刊行した『私集最要文 注法華経』十巻は、正本を忠実に再現複製したもので、全容をそのまま伝えている。」
との解説をお伝えしました。

解説の後、法要開始。香華供物をお供えした御宝前に、法華経要品を読誦、自我偈を訓読して懇ろに南無妙法蓮華経の唱題。唱題の裡に参詣者は内陣に進み御宝物を親しく内拝。参詣僧俗は倶に立教開宗への御報恩と御虫払法要にあたって仏法護持弘通の精進を誓願いたしました。
法要後の挨拶では、「現代に私たちが法華経や日蓮大聖人の教えを信行できるということは、その教えと信仰を時代の荒波にもまれながらも護り伝えてきた僧俗が存在したからであり、そのような先師先達の志と求道心に敬意を表するとともに、現代は自分たちが合力して仏法の護持弘通という崇高な使命を遂行して行こう」と申し上げました。

相武山 山主

2021年05月28日