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相武山 妙法寺 ブログ

二つの悲しい事件から

6月7日、関東の梅雨入りが報じられました。9日(日)は梅雨らしい天気の中で6月度の日曜法話会を開催。足下の悪い中いつものように志のある方々にお集まり頂きました。6月度法話会の第1幕「世相」のテーマは「二つの悲しい事件から」。諸法は実相と観るのが法華経と日蓮大聖人の教えですから、あらゆる事物事象を実(まこと)の相(すがた)と受けとめて、じっくると考えてみようというのが「世相」のねらいです。

二つの事件とは、5月28日に川崎市多摩区登戸駅近くで、通学途上の児童と保護者2名が刺殺され19名の負傷者が出た通り魔事件。また、6月1日、元農林水産事務次官が子息を殺害した事件です。発ったばかりの事件のため、ニュース報道などから皆さんご承知とは思いましたが始めに両事件の概要を説明。
次にディリー新潮の記事から「家族間の事件」について、『2017年のデータでは殺人事件の55%が親族間で起こっていること。暴行事件はこの10年で4倍となり傷害容疑は2倍になっていること』を紹介。

次に二つの事件と関連性について「8050(はちぜろ ごうまる)問題」と報じられていることを説明。「8050問題」とは80代の親が50代の子どもの生活を支えるという問題。背景にあるのは子どもの「ひきこもり」。1980年代~90年代は若者の問題とされていたが、約30年が経ち、当時の若者が40代から50代、その親が70代から80代となり長期高齢化。こうした親子が社会的に孤立し生活が立ち行かなくなる問題。40歳~64歳の中高年61万3000人がひきこもり状態にあり、若年層を含むと100万人以上という。
この問題を特集したNHKネットニュースから、NHKの特設ウェブサイト「ひきこもりクライシス“100万人”のサバイバル」に寄せられた声を紹介し、当事者とその家族の声を紹介しました。

学ぶべきこととしては
『・噂や風評だけで短絡的に判断してはいけない。・事件の背景をできるだけ深く知る努力が必要。・迷いや悩みのない人は少ない。人生等しく誰もが何らかの苦悩がある。・他者の苦悩を理解し思いやる慈愛の心を皆なで涵養するべき。・他者との共生を認め合い、互助のシステムを活用するべき。(友人・行政・社会などに理解と協力を求めることが賢明)。・現実を直視して認識する。善悪の妄想を断ちきり、未来を信じて一歩をふみ出す勇気が大切。・事件や事故の源には三毒が存在していることを知る。
(三毒とは、貪り・瞋恚・愚痴のこと、煩悩の中心)・三毒を制御・超克するために仏教と信仰が在る。・事件を悲しむすべての人がその原因をよく理解し、互いに思いやりと 慈しみの心を深めて行くことが、犠牲者への慰霊となり明日の社会の希望となる。』との私の所見をお伝えしました。

法話会の第2幕は仏教を学ぶ。
テーマは「続・日本の仏教 ー鎌倉仏教、臨済禅と曹洞禅ー」。法話会では『日本の仏教は仏教を創始された釈尊の普遍的な教えと基本思想に立脚しながら、日本的に発展してきた仏教』であることを学んできていますが、今回は先月積み残しの「鎌倉仏教、臨済禅と曹洞禅」について。

臨済禅も曹洞禅も基本思想は座禅を通して覚者をめざす教え。ともに抽象的な理論よりも実践的な経験を重んじ、自然を真理そのものとして受け入れて、自然に順応するような生き方を説き、坐禅によって自己を整え、「自分という存在」を明らかにすることを悟りと呼び、そこを目指して修行に励みます。
しかし、その教えと修行には相違があり、曹洞禅は『何も考えずにただ坐禅をする』黙照禅(もくしょうぜん)であり、臨済禅は『公案について考え悟りを目指す』看話禅(かんなぜん)であることを略述。さらに「禅の変質と公案について」を解説し、禅についての概要を学びました。

次回は「鎌倉仏教、日蓮と法華宗」について学びます。これからも皆さまと一緒に日本の仏教を学んでゆきたいと思います。
7月の法話会は14日(日)午前11時からの開催です。皆さまの参加聴聞をお待ちしています。なお、今後の日曜法話会の開催は以下の予定となっています。
【7/14・8/11・9/8・10/6・11/17】

相武山 山主

2019年06月27日