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相武山 妙法寺 ブログ

4月の日曜法話会

【世相のテーマは新元号】
14日(日)は4月度の日曜法話会。世相のテーマは「新元号 令和」でした。4月1日に新元号が発表されるので3月に入るとマスコミは新元号の話題で持ちきり。多くの国民の関心を集めるなか、1日正午前、政府より新元号が「令和」と決まったことが発表されました。平成の元号が使用されるのは4月30日まで、5月1日からは元号令和が使用されることになります。すでに明治や大正の時代を知る人はわずかとなり、多くの人が昭和と平成の時代を生きてきましたから、5月になるとほとんどの国民が三つの時代を生きることになります。

パソコンなどでデータを整理する都合上西暦を用いることが多くなってきて、元号がなくても格別の不便をかこつわけではありませんが、今まで元号で歴史や時代を認識してこともあり、やはり元号は気になります。そこで法話会の世相のテーマとしてふれてみました。

はじめに「平成から令和へ」の具体的なながれを説明し、続いて新元号の選定過程とその公表の動きを解説しました。次に「令和」の出典が万葉集の序文にある「時に初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前粉を披き、蘭は珮後(はいご)の香を薫す」からとられたことを紹介。また、その由来は漢の詩文集『文選(もんぜん)』収録の後漢時代の文人張衡による詩『帰田賦(きでんのふ)』や、中国の書聖、王羲之(おうぎし) の『蘭亭序(らんていじょ)』などにあることを紹介しました。

学ぶべきこととしては『改元を日本の歴史や文化を考え愉しむ好機とすること。時代の変遷を意識し、新たな時代を自らはいかに生きるべきかを考察する機会とすること』と述べ、新たに迎える令和の時代もすべての人々が等しく平和で安らかであるよう希望することをお伝えしました。

【続日本の仏教・禅と禅宗】
法話会のテーマは「続 日本の仏教」。前月お話できなかった「鎌倉仏教、禅と禅宗と仏教」です。鎌倉時代に興隆し日本仏教に大きな影響を与えた「禅と禅宗」について基本的なことがらを学びました。

『禅宗というのは、曹洞宗や臨済宗や黄檗宗といった、禅を旨とする宗派をまとめた「総称」であって、実際に禅宗という宗派が存在するわけではないこと。禅宗の開祖は釈尊から菩提達磨(6世紀に中国伝法)、大鑑慧能(達磨6祖、中国禅宗教団を形成)とされるが不明であること。禅を瞑想と捉え、瞑想がインドにおいても存在していたからインドにも禅はあったというが、「禅」はあっても「禅宗」がインドにあったとはいえず、インドと中国の自然風土の違いや思想の違いなどによって、中国独自の仏教文化の過程で禅宗という教団が生まれたこと。菩提達磨がインドから伝えたのは禅宗ではなく「禅そのもの」。であることを お伝えしました。

禅宗の特徴としては「系譜(血脈)」を重んじ、禅宗と総称される臨済宗(栄西)や曹洞宗(道元)や黄檗宗(隠元)はすべて達磨大師からの系譜につながっていること」。血脈は自分が師の法を受け嗣いだ者であることの証明。

続いて禅の基本であり禅の特徴を端的に示した達磨大師の言葉とされる「教化別伝(きょうげべつでん)、不立文字(ふりゅうもんじ)、直指人心見性成仏(じきしにんしんけんしょうじょうぶつ)」について概要を解説。
結びに禅の目的は『自分自身が仏として生きることに心の平安や救い、あるいは悟りを見出す「自力成仏」にあり』、座禅の修行そのものが成仏であるとすることに、浄土系の「他力」の思想とはまったく異なる禅宗の特徴があることをお伝えしました。
5月の法話会では臨済禅・曹洞禅などの概要を学び、仏教と禅の関係を理解したいと思います。これからも皆さんと倶に丁寧に日本の仏教史を学んでゆきたいと思います。

相武山 山主

2019年04月27日