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相武山 妙法寺 ブログ

悲惨な児童虐待

寒さを感じる中にもリョーマとタローのハウスの南東側では白梅が咲き誇り、馥郁とした梅の香が境内にながれてきました。寒さも少し緩んだ気がする17日は2月度の日曜法話会。本堂には一般の方と檀信徒の方がほぼ同数。しばらくぶりの方もいらっしゃいましたのでうれしく思いました。それぞれ体調や都合がありますからこれからも気軽に足を運んで頂きたいと思っています。

今月の世相のテーマは「悲惨な児童虐待」でした。
1月24日、千葉県野田市で小学校4年生の栗原心愛(みあ)さん(10歳)が父親による虐待で死亡した事件を中心に、近年しばしば報道される児童虐待について所見を述べ皆さんと一緒に考えました。
はじめに栗原心愛(みあ)さんの虐待事件の概要をメディアの報道を中心に説明。虐待した父親と黙認した母親の実態、心愛さんの生活アンケートへの回答、児童相談所や教育委員会、学校関係者などの言動について解説し、あまりに悲惨な虐待と関係者の不適切な対応を指摘しました。
続いて昨年春、東京都目黒区のアパートで、船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5歳)が虐待により死亡した事例を説明。結愛ちゃんが書いた「もうゆるして」という文章を読み上げながら、悲惨な虐待について近年頻繁に繰り返される児童虐待の悲惨さをお伝えしました。

児童虐待については児童相談所が対応した統計で、平成28年度でおよそ12万件。最も多いのが心理的虐待のおよそ6万3千件。身体的虐待およそ3万2千件。育児放棄などのネグレクトおよそ2万5千件。性的虐待およそ1600件。年々増加傾向にあり、警察の発表では児童虐待で逮捕となるのは年1000件ほど、被害児童はおよそ1100人で60~70人が死亡と報告されています。

法話では、「児童虐待を許さない」として、『赤子であっても基本的人権として尊重されなければならない。子どもは親の所有物ではない。児童虐待は社会全体で対応すべき問題。悲惨な事件・事故を防ぐためにもみんなで子どもたちを見守る意識と行動が必要。』であることを述べました。

また、この事件から学ぶべきこととして『仏教では十界具有を説くようにすべての人間には善悪の心が内在している。事件やテロ、戦争などから人間のもつ残虐性を知る。さまざまな縁によって自身の内面が引き出されるから善悪の縁が大切。虐待した親も救われるべき存在であることを知る。親も救いを求めている場合がある。人生はすべてが学び、犠牲となった子どもたちのためにも、より良い子どもたちの環境を整えるために努力しよう』と所見をお伝えしました。

続いては法話会のメインテーマ「続・日本の仏教 ー鎌倉時代の仏教ー」。参考テキストの「仏教へのいざない ー青少年のための仏教入門ー 」より鎌倉仏教を概観。『鎌倉時代に入ると中心が京都から鎌倉に移り地方が発展。武家階級が誕生し新しい勢力が交流。社会の変動に応じて仏教界でも新しい動きが生じた。そこには二つの方向性。一つは原点に回帰し戒律の復興と禅の実践を求める方向。もう一つは旧来の仏教と袂を分かち新しい仏教を模索する方法。一つめの方向は宋の影響を受け南都での戒律復興運動や臨済宗と曹洞宗の禅宗の興隆となり、二つめの方向は、法然の浄土宗、親鸞の浄土真宗、日蓮の日蓮法華宗の開宗へとつながった』ことを解説しました。

仏教はその普遍性と多様性によって、各時代各地域にさまざまな様相を示してきました。現代日本の仏教も「日本的な仏教」と考える必要があります。これからも丁寧に日本の仏教を学んでゆきたいと思っています。
3月の法話会は17日(日)午前11時からの開催です。皆さまの参加聴聞をお待ちしています。

相武山 山主

2019年02月27日