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相武山 妙法寺 ブログ

7月の盂蘭盆会

横浜では東京と同様に7月にお盆の法要を営む寺院や家庭が多いように思いますが、全国的には月遅れの8月が一般的なお盆とされています。当山では檀信徒の方々の自由としていますから7月と8月の2回のお盆の法要を営みます。通常お盆は13日が入りで法要は15日、開けが16日となっています。しかし、寺院によってはこの期間の前に法要を行って、お盆の期間は各自のお墓参りや自宅でのお盆を営むようにしているお寺もあるようです。

今年も三軒茶屋の鈴木キヌ子さんから塔婆供養申し出のお手紙を頂きました。鈴木さんは間もなく米寿を迎えますから、高齢と遠路のために参詣はままならなくなり、久しく参詣を頂いておりませんが、毎年春秋のお彼岸と夏のお盆には、ご先祖や有縁の方々への追善供養を欠かされることはありません。多少の信仰心があればご先祖などへの供養は多くの方がなさいますが、子供の頃の友情を米寿を迎える頃になっても忘れることなく、冥福を祈って供養をささげる方はそう多くはないと思います。鈴木さんが追善供養をなさるのは女学校時代のお友達、宇田川喜代子さんです。喜代子さんは鈴木さんを当山に導かれた方でもあります。「人情は日々に薄れ」という世相ですから、いっそう鈴木さんの心の温もりを感じます。喜代子さんもさぞ喜んでおられることでしょう。

さて、当山ではお盆が近くなると墓所の清掃や香華をささげるためにお参りされる方が増え、期間中は朝から夕方まで三々五々家族連れの姿をお見かけします。日本のお盆らしくて良い光景だと思っています。7月の盂蘭盆法要は15日がメインでしたが、13日と16日に参詣される方も居られました。13日は宗祖の月例の御報恩講、16日は日達上人のご報恩法要でしたが、ご一緒させて頂いた次第です。それぞれの法要では常のように御供物を供え塔婆を建立して、法華経要品を読誦、お題目をお唱えして懇ろに御回向を申し上げました。

法要後の法話は「盂蘭盆御書」を拝読。この御書は宗祖が弟子の治部房の祖母からお盆の御供養をお受けになったご返事。宗祖はお盆の御供養にちなんで盂蘭盆経を基とした由来を述べられ、法華経の受持によってこそ真の救い、成仏が遂げられることを説かれました。その内容は釈尊の十大弟子の一人、神通力第一とうたわれた目連(もくれん)が、餓鬼の世界に堕ちた母親青提女(しょうだいにょ)を通力で救おうとして叶わず、釈尊の導きによって救うお話ですが、真の救いは目連尊者が法華経を受持し成仏したことによるとし、孫の治部房が法華経の行者であるから祖母の成仏も疑いはないと述べられています。
盂蘭盆経で説かれる目連尊者の母青提女とは、私たち一人ひとりの凡夫のことです。すなわち「強い欲望に振り回されやすい姿、自分だけの利害損得に追われやすい姿、他者の苦悩や悲哀を理解しようとしない姿、嫉妬や憎悪や怒りなど感情に流されやすい姿、真理を求め学ぼうとしない姿・・・」など、私たちが貪・瞋・痴(とん・じん・ち)の三毒に犯されやすい者であることを教えているのです。その上で真実の幸せのために仏道を歩むことを勧めているのです。

信仰歴の長い方々は幾度となく聴聞された御書だと思いますが、当山には常に初信の方が居られるので、折々にお盆のいわれをお伝えしています。また、同じ御書でも拝読聴聞するときの環境は常に同じではありませんし、語る私もまったく同じ心情ということはありませんから、それぞれの機会に信仰の意義を深めて頂きたいと願っています。

相武山 山主

2017年07月31日