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相武山 妙法寺 ブログ

慈愛のこころにふれて

お彼岸も過ぎた4月2日の日曜日、一人の男性がふらりと墓所に向かって境内を進んで行かれました。見覚えのある中年の男性です。阿部さんの墓所の前に佇み静かに手を合わせ、墓所の周りをきれいにされてからお線香をお供えされていました。いつもお彼岸やお盆はもちろんお正月にも阿部さんのお墓にお参りされる方です。

当山の墓所へのお参りは自由となっていますから、私が存じ上げない親族や友人の方々もよくお参りになっておられます。縁の有る故人を思い、供養のために香華を捧げてお参りされている姿をみることは清々しく、日本人の情景の一つとしてその思いが伝わってまいります。

さきの男性は阿部さんの墓所にやすまれている優香さんの先生です。優香さんがあまりにも早い人生を駆け抜けて行かれてからもう4年が過ぎました。優香さんとはわずかな接点しか頂くことのできなかった私ですが、信仰心の篤いご両親から優香さんのことをいろいろとうかがいました。難病に遭遇してからのご家族の複雑で奥深い思いと、信仰を支えとした濃密な時間の過ごされ方には素直に感動しています。

優香さんの先生とは葬儀のときにお会いして会釈を交わしただけで、特別に言葉を交わすこともありませんでした。今も優香さんの墓前にお参りされる先生とお話をするわけではないのですが、1月3日のご命日忌はもちろん、春秋のお彼岸やお盆には必ずお参りされるお姿からは、優香さんを思う慈愛のこころを感じています。

人生はすべてが出会いです。私たちの人生にはさまざまな出会いがありますが、優香さんとその先生は、先生と生徒として出会ったのです。私たちは凡夫ですからその因縁を知るよしもありませんが、先生は優香さんとの出会いを大切に感じ、また、13歳の若さで旅立ってしまった教え子のことを常に心にかけて居られるのでしょう。香華を手向け一人静かに合掌される先生のその姿に、私は人間としての「慈愛のこころ」を感じ、人としての出会いと交わりの意味の深さを覚えました。

相武山 山主

2017年04月26日