相武山 妙法院のブログ

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相武山 妙法寺 ブログ

法事の功徳に思う

法事は家族親族など縁りの深い死者を追善供養する仏事のことです。仏事ですから仏教の信仰がなければ営む必要を覚えない人も居て当然ですが、知恩(恩を知る)報恩(恩に報いる)を大切にする仏教徒であれば、縁りのある故人を思い祈りと供養を捧げたいという気持ちを持つのは自然なことです。とはいえ両親や祖父母、家族や親族などがそのような仏事を大事にして居るさまを見聞しなければ知る由もありません。したがって、法事を営もうという思いを抱く方は、どこかで誰かにその大切さを学び共感したということがいえましょう。どのようなことも因縁や環境によりますが仏事についても同様なのです。

当山も開創以来約40年近い歴史を刻んできましたから、その間多くの檀信徒や有縁の方々の葬儀式を執り行い、同時に年回忌の法事も執り行ってまいりました。当山は所属の檀信徒は多くありませんから、葬儀は年間少ない年は2~3件、多い年は約10件ほどです。法事は無い月もありますが年間で15件~30件ほど執り行っています。法事はそれぞれの家庭の事情と信仰によりますから、数人の家族だけという法事もあれば親族多数が参集する法事もあり千差万別です。会場は当山の本堂が多いのですが時に自宅であったり斎場や霊園、ホテルや料亭ということもあります。

当山で法事を迎える時には寺院主催の儀式や行事と同じく前日から清掃や準備を行いますから当然のことお寺は忙しくなります。清掃は毎日のことですがいつも丁寧とは限りませんから、境内や本堂はもちろんのこと、家族親族を迎える控えの間として使う客殿をはじめ、改めて施設諸般の清掃整理が欠かせません。また、塔婆の用意や時には供物の準備を依頼されることもあり、お茶などの簡単な用意などもあって、時には法事の直前までバタバタしていることもあります。

執り行う立場としては気も身体も労多い法事ですが、仏教寺院にとってはとても重要な役目の一つです。法事は仏事を営みながら仏道の功徳を積むと共に、参列者に非日常を感じて人間性を豊かにして頂く行為といえます。また、縁りの深い方々の冥福を祈りながら自らの人生の貴重さにも思いをいたして頂くことにもなります。さらに当山では法華経の要品を読誦し宗祖証得のお題目をお唱えして供養をいたし、法話を通して仏教の教えと信仰を知って頂くように努めています。

また、法事の御宝前に供えられる御供養や御布施は、お経料という意味ばかりでなく、菩提寺を護り伝えるための浄財喜捨という尊い行為です。菩提寺は檀信徒有縁の方々の浄財によって護持されていますが、法事の御供養もその一環ということになるのです。
私は常々『御供養は愚痴や不平不満が出てしまえば功徳が積めないので、愚痴や不平不満の出ない感謝の御供養、仏道のために喜んでお供えできる気持ちの良い御供養』をお願いしますとお伝えしています。

今年も早3ヶ月が過ぎました。振り返ってみれば1月には中区の𠮷田さんがお父様の七七日忌、旭区の小出さんがご長男の17回忌、港南区の小田嶋さんが義母様の百箇日忌と墓所の開眼法要を営まれました。2月には緑区の阿部さんが奥様の七七日忌、港南区の加藤さんがお母様の七七日忌を営まれました。 3月には中区の竹越さんがお母様の13回忌、海老名市の高橋さんがお父様の23回忌とお母様の7回忌、大和市の𠮷田さんがお父様とお母様の13回忌、青葉区の米村さんがご主人の17回忌、港南区の加藤さんがお母様の百箇日忌と納骨式を営まれました。

家族の葬儀でさえ費用がかかるからと言って葬儀を割愛することもあるご時世、縁り深い方の冥福を祈り仏教信仰を大切にする方々はたしかな功徳を積まれ、その功徳を回向された精霊は御仏大聖人さまのお側でさぞかし喜んでおられることと存じます。

相武山 山主

 

2018年03月31日

野花が咲き小雪も舞う春の彼岸会

春のお彼岸が近づくと日一日と暖かさが増し、自然豊かな当山周辺ではサクラのつぼみも大きく膨らんで、花モモやモクレンも開花目前、遅れていたレンギョウも見頃を迎え、周囲の野原ではそこかしこに春の野花が可憐な花を咲かせています。
そのような光景の中、18日(日)はお彼岸の入りを迎えました。お彼岸は仏道の功徳を積んでご先祖や有縁精霊に追善回向を申し上げる法要です。今年の当山の彼岸会は18日と21日の両日午後1時から執り行いました。
お彼岸はすっかり我が国の習俗となっていますから、信仰を大切にされる方やご先祖・縁者を大切に思われる方々が自然にお寺や墓所にお参りされます。当山の墓所にもお彼岸が近づくと縁者の々がみえて、清掃したり香華を供えてお参りされていました。

彼岸会は本堂にて御本尊様に燈明香華をささげ献膳お供物をお供えし、精霊壇にご先祖や有縁精霊の塔婆を建立し供物を供えて営みます。参詣僧俗は和して法華経要品を読誦、日蓮大聖人証得のお題目をお唱えして仏道の功徳を積み、有縁精霊とご先祖に御回向を申し上げました。法要の後には宗祖の御書(御遺文)より「日女御前御返事」を拝読して法話。宗祖御図顕の妙法曼荼羅のいわれとその功徳をお伝えしました。少し難しい内容ではありましたが、信仰に思いが至ればやがて理解できることを信じて申し上げた次第です。法要後には各自建立されたお塔婆を持参して墓所に向かわれました。

18日の彼岸会は穏やかな天候に恵まれて多数のご参詣を頂きましたが、21日の御中日の彼岸会は朝から時ならぬ小雪が舞う肌寒い天候でした。お参りの方も躊躇されたのではないかと思いますが、小雪の舞う珍しい春彼岸もまた風情があって趣のあるものです。信仰心と思いやりのある方々から功徳を回向された先祖や故人はさぞ喜ばれていることでしょう。

晴れて佳し、小雪で佳しの春彼岸でした。

相武山 山主

2018年03月31日

弥生3月の法話会

春の彼岸の入りになる18日(日)は3月度の法話会でした。寒さも和らぎ青空も広がる穏やかな春の陽射しの中、一般の方々15名、当山信徒が20名ほどご参加頂いての法話会でした。初めにいつものように法話会の趣旨をお伝えしてから、仏教は現実直視の姿勢であることから「世相」を前半にすえてお話をし、その後、テーマに沿って法話を申し上げることをお伝えしました。

世相は「公文書改ざん問題」のお話でした。
行政官庁トップといわれる財務省による「森友学園問題」関係の公文書が改ざんされた事実が報道され、内閣人事局の問題として行政官庁と政治家の関係が問われています。1年前から問題視されてきた『森友学園国有地払い下げ事件』に関わる問題ですが、国会でも論争となりながら曖昧にされてきた事件で、関係者による指示か忖度かが問題となっている事件です。
認識するべきこととして、「公文書改ざんは犯罪ではないのか」を問い、「主権者を見誤る民主主義への冒涜」「行政も立法も主権者たる国民のために存在している機関」「行政(政府など)が立法(国会など)を軽視することは国民を軽視すること」についての所見を述べ、学ぶべきこととして「真実を探求することが大切」「事件や問題から学ぶべきことを抽出する」「権威主義に流されやすい国民性にも注意が必要」をお伝えして世相についての意見をお伝えしました。

法話会のテーマは「続・日本の仏教」ー平安仏教と伝教大師最澄ーです。
仏教はインド降誕の釈尊によって創始され、その寛容性と多様性によってアジア全域に流布し、現代まで多くの人々に帰依されてきました。仏教には世界宗教にふさわしく一貫した基本思想が存在(三法印、縁起論、四聖諦など)していますが、他方、その多様性によって地域や時代によって相異もあります。そのような視点から考えますと、日本の仏教は「日本的仏教」といえるものであることがよくわかります。

伝教大師最澄は奈良仏教から平安仏教への移設(鎮護国家・特定者の仏教から一切衆生成仏の仏教へ)に大きく関与し、やがて日本仏教の礎を築かれることになります。最後に伝教大師の願文を拝読して法話会を終了しました。

4月の法話会は15日(日)午前11時からの開催です。新緑のみずみずしい時季を迎え、今後ともご縁のある方々と共に仏教と人生について学んでまいりたいと思います。

相武山 山主

2018年03月30日

同志の皆さんと求道の交流

冬の寒さも一休み、春らしい穏やかな日よりに恵まれた3月4日(日)、静岡・神奈川の同信の法友が当山に集い東海正信連合会の大会が開催されました。当日は2月度の世話人会で大会について協議したように、自主的に諸役を担われる世話人が準備のために参集。午前11時にはタイムスケジュールと役割を確認し、境内に受付用のテントを張り、帰路に参加者に振る舞う「ショウガ汁」を作りはじめ、午前11時20分には受付と駐車所の配置につきました。

このような大会や当山の主要年中行事では私と執事の興厳房が奮闘するのは当然ですが、いつも世話人有志の方々にご協力を頂いています。というよりも清掃整備の段階から世話人有志の方々の協力に支えられているといえましょう。仏法信仰は基本的には個人的なものですが、仏道を護り伝えるためには教団組織や精舎・寺院・講中が釈尊の昔から存在しています。仏法を護り伝えることはけっして容易なことではありませんし、一人ひとりの力は小さくても合力すれば仏法護持の大きな力となるためです。

日蓮法華宗の多くの寺院では古へから信徒による法華の講中が結成されていますが、当山も法華講を組織し世話人会を中心に菩提寺護持に尽力頂いています。但し、強制的で組織中心的な信仰スタイルには私自身違和感を覚えていますので、当山ではあくまでも各人の自主性に基づいて法華講活動に参加頂いています。今後とも締め付けを覚えることのない柔軟な感覚でありながら、仏法の護持弘通に寄与できる法華講をめざして行きたいと思っています。
【第30回大会】
富士日興門流の教えと信仰を人生のともしびとする僧俗が参集し、その信仰を確認して啓発し合う大会では、はじめに参加僧俗皆で法華経要品を読誦、宗祖御証得のお題目をお唱えして仏祖三宝尊に御報恩を申し上げ信行増進を誓いました。
大会は当山法華講の阿部一博さんと純子さんが司会進行を務め開会を宣言した後、連合会幹事長である熊木真治さんが『大会が皆様方の仏道修行の糧となるよう願っています。共々に精進して参りましょう』と挨拶。
続く所感発表では、静岡県磐田市の本妙院法華講の雪島徳司さんが「約束」と題して発表。最愛の娘さんの病や死に直面した当時の心情と、支えてくれた家族や友人そして講中の方々へ感謝の想いを述べた。結びには『自身の心を見つめることを大切にし、物の見方を心の目で観ることができれば、きっと心も豊かになる。そのためにも信心を根本に心の財を積む努力を惜しまず、楽しい人生を送りたいと思います』とのべました。
次いで当山法華講の重吉稔さんが「信仰は持続が大切」と題して発表。生涯を振り返り『信仰の持続が無ければ今の生活は無く、信心無くして有意義な人生は無かったと確信しています。今後とも社会のため仏法のため日々に仏道修行に精進して、御報恩の道を歩んでまいりたい』と述べました。

その後、今大会が第30回という節目にあたることから、若手僧侶による「東海正信連合会の軌跡」と題してスライドの上映が行われました。ナレーションを担当した当山執事の興厳房は『当連合会が結成されて35年が経過。これまでの歩みを振り返り、原点を確認すると共に次世代に伝えたい』として連合会の活動を紹介。そして『大聖人様の教えを信じ行じる同志が集うこの連合会を活用して互いに切磋琢磨し合い信仰を磨いて参りましょう。』と述べました。
講演は浜松市山桃院住職の高橋木道師。「『死出の山にては良馬となり』ー深く御本尊を信じてー」と題してのお話でした。高橋師は臨終の大事と世間で取り上げられる終活について説明し、引導文の一文『死出の山にては良馬となり』を説明するために日寛上人が引用された鶏尸馬王の説話を紹介。宗祖の教えと御図顕された曼荼羅本尊が死出の山にての良馬となって私たちを護り助けて下さると述べて『たった一度の人生を徒や疎かにしないためにも、常に日蓮大聖人の弟子日興の遺弟との自覚を持って、信心と生活に励み、真に価値ある宝を子や孫に相続することを終活の第一に掲げて頂きたい』と述べて講演とされました。

最後に開催寺院住職挨拶では私より『信仰を深めるためには修行を修めて学ばなければなりません。どうか行学の二道を修めていくために、東海正信連合会の仲間がいるんだということを胸に収めて、互いに学び合って啓発し合って励まし合って頂きたい。そして大会や研修会に時間も経費もかかりますが、積極的に参加されて自分の生きる力をしっかりとつかみ取って頂きたい』と述べさせて頂きました。
挨拶の後、参加僧俗一同にてお題目を三唱。司会による閉会のことばをもって大会は終了。帰路につく参加者には当山講中世話人による「ショウガ汁」がふるまわれ、皆さん身体を温めてしばし境内で歓談し散会されました。人の心はさまざまな因縁によって揺れ動き、法華経の信行を錬磨・継続することは容易なことではありませんから、これからも同志僧俗が交流を大切にして、互いに励まし合い啓発し合って退転なく仏道を全うして行きたいと願っています。

相武山 山主

2018年03月29日