相武山 妙法院のブログ

相武山 妙法院のブログです。

相武山 妙法院

  • HOME
  • 相武山 妙法院
  • お知らせ&行事案内
  • 道の心得
  • 法話会
  • 墓苑・永代供養墓
  • 自然に親しむ
  • 交通のご案内
  • ブログ
  • サイトマップ

045-442-7688

  • ご相談について

〒241-0806 横浜市旭区下川井町1590-1

相武山 妙法寺 ブログ

今年初の日曜法話会

横浜でも一月の中旬から朝夕は冬らしい寒さとなってきましたが、陽がさす日昼は温かく寒さの厳しい地域の方々には申し訳なく思ってしまいます。22日(日)は恒例の日曜法話会でした。日曜法話会は新寺落成を期して平成23年3月から始めましたから今年で7年目となります。
今年は1月の12日に旭区と瀬谷区、19日に保土ケ谷区のタウンニュースで広報しましたので、2~3日前から参加希望のお電話を頂きました。当山は歴史があるわけでもなく社会的に影響力のある寺院でもありませんから、まずその存在を知って頂くことに努めています。5年ほど前からは毎年1月に地域広報誌「タウンニュース」の旭区と瀬谷区版に日曜法話会の年間予定を広報しています。年に一度の広報ですが、この地域誌が一つのご縁となって参加聴聞される方が居られますから貴重な存在です。
22日、朝方は寒さもありましたが澄んだ青空が心地よく広がる法話会日和でした。定刻前には参加者が三々五々参道を進んでこられ、受付でレジュメを頂いて本堂に入られました。この日は初めての方が6名、常連となられた一般の方が8名、檀信徒の方々も20名ほど参加されました。

法話会には初めての方も居られたので、始めに当山の法話会の趣旨について「仏教に親しみ、その教えと信仰について正しく理解して頂きたい。法華経の教え・日蓮聖人の教えを伝えたい」を願って開催していることを述べ、続いて、仏道では継続と求める心が肝要であり、寺院の持つ役割(仏教を学び信仰・修行を磨く場所、心を浄め人生の活力を得る場所、仏教や伝統を守り伝える場所)についても説明しました。

次の「世相」では、仏教が現実直視の立場をとり「あらゆる事物・事象は私たちと無縁なるものではないとの認識。眼前の事物事象を自分はどのように観るかが肝心。起こる事象はすべて学びの対象」と解説。その上で「糸魚川大火から1ケ月」、「阪神淡路大震災から22年」、「高齢者の定義」そして最後に「大関稀勢の里の初優勝」と4つの世相について私の所感を述べました。人災としての大火、天災としての大震災については、「人災や天災はいつ起きてもおかしくないのが現実。油断することなく日々の生活に注意をはらう。諸行は無常、地球も一つの生命体。災害を人生の学びの機会とすること」と私見を述べました。

続いての高齢者の定義では、高齢者の定義を65歳から75歳に引き上げる提案がなされたことについて、「老いを認め、老いの苦楽をわきまえ、最後まで朗らかに生きれるように努めよう」とお伝えしました。最後は私の興味と関心の一つである大相撲の話題から「大関稀勢の里の初優勝」。ハラハラ ドキドキ、あ~あ、というため息を多くのファンに吐かせながら、複雑な魅力を醸し出す稀勢の里、実力を高く評価されながらなかなか結果を残せずに苦労していましたが、遂に初優勝。私の複雑な心境と喜びを一方的に語らせて頂きました。

さて本題のテーマは「仏教 その教えと実践」ー仏教を理解し愉しむためにーでした。 仏教を理解するためには、「仏教の一般的イメージ(葬式法事や儀式行事、寺院や僧侶など)を払拭して正面から向き合うこと。仏教の基本的な考え方(宗派を越えて)と在り方を学ぶこと。仏教の開祖である釈尊の生涯とその根本思想を学ぶこと。仏教の経典成立と伝播、その受容と歴史を学ぶこと。仏教本来の目的を認識して日々の生活に活かすこと」をお伝えし、三法印、四法印、四諦、縁起、三学等について略述しました。「仏道は教えを学ぶことと修行の実践がその両輪」であることをお伝えした法話会でした。

来月は12日(日)午前11時から開催予定です。皆さまの参加ご聴聞をお待ちしています。

相武山 山主

2017年01月27日

実成院に参詣

1月19日(木)、兵庫県神崎郡市川町の実成院にお参りさせて頂いた。実成院は同県宍粟市山崎町に在る実相寺講中が、榎本裕道住職を中心に富士日興門流の教えの護持弘通を願い昨年11月に建立された寺院です。落慶法要は諸事情により同寺院の檀信徒と近隣僧侶が参詣して奉修されましたが、有縁の多数の僧侶が参詣を希望していたこともあり、19日に有縁僧侶を招いて「実成院落慶披露法要」が執り行われました。私もご招待を頂きましたので、前日の新大阪での運営会議に出席してお参りにうかがった次第です。

前夜は姫路に宿泊。翌朝JR播但線(ばんたんせん)で姫路から市川町に在る甘地へ向かいました。私は昭和51年4月から53年の3月までの2年間、兵庫県明石市の神通寺に在勤させて頂きましたが播但線に乗るのは初めてでした。姫路市は通称白鷺城と呼ばれる姫路城で有名ですが、人口約53万という大都市で兵庫県西部(播磨地方)の拠点都市となっています。その姫路から約30分ほど北に向かうと実成院のある市川町です。
数日前の雪がそこかしこに残る町並みを抜けて市川高校の側から実成院の境内に入りました。約1700坪の境内は市川町を眼下におさめる小高い丘の上に広がります。しばし、景観を楽しんでから木の香漂う本堂に入りました。

実成院の開基住職の榎本裕道師は宍粟市山崎町の実相寺住職として約40年ご奉公されてきた方です。住職として赴任間もなく富士日興門流の再興を願う正信覚醒運動が勃興。学会や阿部宗門からの激しい抵抗が予想されましたが、榎本師は師は迷うことなく運動に参画され、正信を訴えられて兵庫県西部を精力的に駆け巡り播州(ばんしゅう)に正信の礎を築かれました。
その後、法燈相続と妙法流布を願い弟子裕明房を育てられ、やがては自前の道場が必要であろうと考えて、寺院建立の大願を志されました。しかし、実相寺は山間部の小都市にあり、檀信徒も少なく教化と布教が難しいことは想像に難くありません。まして寺院の建立は相当の器量や力があってもなし難い大事業です。そのような中、榎本師は長期的計画を立て、一歩一歩着実にその目的に向かって30年間歩みを進めてきました。

7年ほど前にようやく良地を確保されましたが、昨年11月の落慶式を迎えるまで、榎本師と弟子の裕明房と檀信徒の皆さまの艱難辛苦については、時折榎本師からうかがっていました。新寺建設は仏道への信仰と情熱がなければ到底成し得ぬ浄業(じょうぎょう)です。播州の地に誰人からも干渉されずに正信を求める法華の道場が落成したのです。苦労に苦労を重ねた分だけ喜びも感激も大きいことでしょう。新寺院の開基住職となった榎本師は落成式で弟子の裕明房を住職として後事を委ね、祝儀にいっそうの華を添えました。檀信徒の方々の喜びはいかばかりであったでしょうか。

今回の披露法要でも裕明房が立派に導師を勤められ、参詣僧侶は皆一同に実成院の御本尊に御祝いの読経・唱題を申し上げ新寺落慶を祝福しました。仏道の功徳が積まれゆく姿を観ることは尊く有り難いことです。これからの寺運の御興隆と講中の発展を祈って実成院を後にしました。

相武山 山主

 

2017年01月26日

お経日と初御講

一般的に正月の門松の立っている期間を松の内といい、門松を取り払って松が明けたといいます。関東では7日前後、関西では15日前後となりますが地域によって違いがあるようです。 当山では例年7日に1月度のお経日を執り行い、その後、門松を取り払っています。お経日では参詣者と倶に仏祖三宝尊に勤行唱題申し上げ、当門流先師先達への御報恩、当山有縁檀信徒諸精霊への追善供養を懇ろに申し上げ、また、願い出のあったお塔婆を建立してご回向を申し上げました。法要後の法話では初参りに奉読申し上げた『重須殿女房御返事』の前段を拝読。御遺文にそって宗祖の御心をお伝えしました。

お経日には初参りに参詣できなかった方も参詣になり、法話の後には皆んなで温かい七草がゆを頂きながら談笑のひと時を愉しみました。今年も12月まで毎月1日にはお経日を執り行います。仏道は清々(すがすが)しい境地を必ずもたらしますので、月の初めに菩提寺に参詣して信行を深め、先師先達への御報恩と先祖有縁精霊の追善供養をお勤め頂きたいと思っています。

13日は日蓮大聖人の月例御報恩講でした。1月の御講は初めての御講ですので「初御講」と呼ばれています。三ケ日のお参りやお経日もありましたから参詣の方は僅かでしたが、仏祖三宝の御宝前に献膳を申し上げ、参詣の檀信徒と倶に懇ろに読経・唱題を申し上げました。

法要後の法話は妙風新聞の『御心を拝して』を手引きに、法華経のこころは「仏といい地獄というもすべては我が己心の中にあり」ということであることを解説。結びには毎月の「宗祖御講」を妙法院の皆んなで大切にして信行増進の機会として頂きたいとお伝えしました。

相武山 山主

 

2017年01月24日

初春は法華経の祈りから

新年、横浜のお正月は気持ちの良い青空が広がり、諸天も寿(ことほ)いでいるかのような穏やかな三ケ日でした。相武山妙法院では今年も檀信徒の皆さまと倶に法華本門の御本尊に祈りを捧げて初春のスタートを切りました。

1日の午前0時は恒例の元朝勤行会(がんちょうごんぎょうえ)。新年の時を刻み始めたその時から心を調えて勤行会を執り行いました。五座の勤行ですから時間は50分ほどにもなりますが、約40名ほどの檀信徒と倶に法華経を読誦、南無妙法蓮華経のお題目をお唱えして、新たな年への信行増進を皆で誓い、各自の誓願を御本尊様にお供え申し上げました。勤行の後には例年通り『重須殿御返事(おもすどのにょうぼうごへんじ)』を拝読し、参詣の皆さまに新年のご挨拶を申し上げました。その後、御宝前にお供えのお屠蘇を参詣者の方々に振る舞い、親しく新年の挨拶を交わしました。

1日の11時と14時、2日と3日の14時には初勤行会(はつごんぎょうえ)を執り行いました。のべ200名ほどの檀信徒が参詣され、それぞれ日蓮大聖人の門弟、法華経の信仰者として一年の誓願を御本尊様に申し上げました。また、勤行会以外の時間にも家族で自由にお参りされる方々が静かに年頭の祈りを捧げていました。

新年を迎えての初参りはとても新鮮です。旧年の遇不遇、幸不幸、喜怒哀楽の一切を大晦日にとどめて、心機一転、新たな誓願を立てて与えられた一年の歩みを始めるのです。私たちは仏弟子でありますから、そのスタートにあたって菩提寺に参詣し、心を込めて法華経を読誦、仏法のすべてを納めた南無妙法蓮華経のお題目の祈りを法華本門の御本尊に申し上げるのです。宗祖は「正月をもてなす人」は、源や基本を大切にする心を持つ人であり、そのような人は徳もまさり、他者からも敬愛されることになると仰せです。人生においては枝葉末節にこだわりとらわれて道を見失い、苦難を招く場合がよくありますから、物事の根や幹、源を見失うことのないように気をつけなければなりません。新たな年の正月を祝うということは、根や幹や源を敬う心にも通じる大切な人生の心得ではないかと思います。

私は毎年正月の初参りをとても愉しみにしています。それは「信仰は大切、仏教も学び修めたい」と思っていても、何かと生活が忙しくなかなかお寺にお参りできない方もお正月には参詣されるからです。数年ぶりという方もいれば、年に一度のお参りという方ともお会いできます。しばらく信仰と離れていた方が突然お参りになることもあって、久しぶりのお顔を拝見したり、短くても親しく近況を伺うだけで、とてもうれしくなります。

また、当山も開創已来36年。長くご縁を頂いている方々の微笑ましい移り変わりも見させて頂きます。壮健だったご夫妻がすっかり高齢者となって子どもやお孫さんとお参りするようになったり、幼子や小学生であった子どもたちが立派な社会人に成長していたり、さらに中学生や高校生だった青年が家庭を築き、夫婦で子どもやお孫さんと一緒にお参りされます。人生はけっして平坦ではありませんから、きっといろいろな出来事に遭遇していると思いますが、仏縁を大切にされての初参りを心からうれしく思うのです。

相武山の初春は今年も法華経の祈りからはじまりました。

相武山 山主

 

2017年01月24日