相武山 妙法院のブログ

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相武山 妙法寺 ブログ

虫の音に秋の訪れ

夏も盛りと当山周囲では色とりどりのアゲハチョウが乱舞していましたが、このところトンボがよく目にとまります。アゲハチョウが舞うすがたも、気持ちよくトンボが飛んでいるすがたも画像でお伝えしたいのですが、カメラワークの技量に乏しい身には叶いません。申し訳なく思います。それでも緑豊かな里山の下川井に蝶が舞い蜻蛉が遊ぶ姿をご想像ください。一服の清涼剤になること請け合いです。さまざまな生き物とふれあうことができれば、きっと自らも自然の一部であることに気がつくことでしょう。自然とふれあうことは間違いなく心を豊かにしてくれます。

この夏も当山を囲む追分と矢指の市民の森には林間コースの散歩道が設けられ、多くの方々が杉木立の緑陰とわたる涼風を愉しんでおられました。この涼風はエアコンの整備ができない当山の本堂にも吹いてくれますから実に感謝・感謝・感謝です。当山の南側に広がる追分市民の森のお花畑では先日からヒマワリも咲き始めました。このヒマワリは八重のヒマワリで、青空と杉林をバックに夏だよ~とさけんでいるかのようです。蝉時雨の中でヒマワリを楽しんでいても、夜には虫の音が少しずつ大きくなってきていますから、秋ももうそこまで来ているのでしょう。

13日は月例の宗祖ご報恩講、15日は戦没者の追善法要と月遅れのお盆の法要、17日はお盆明けでしたが、日曜法話会に引き続いて追善の法要を営みました。当山としては7月にお盆の法要を執り行っていますが、月遅れで営まれる方々も多く、この期間は朝早くから夕方までお参りの方が自由にお見えです。墓所を掃除され、香華をたむけ、読経とお題目の声が境内に流れ、お盆らしい風情です。普段特別に仏教や信仰を意識しない人でも、生と死という人生の命題を考えることがない人でも、我が国ではお盆にはお寺や墓所にお参りされる方が多いものです。墓所には家族、親族、友人の方々がお参りされていましたから、当然のことお顔やお名前を知らない方もおられますが、墓所が当山にあるからこそお参り頂き、本堂や三師塔にも手を合わせる姿は有り難いと存じています。三師塔や永代供養墓「久遠廟」にも終日お線香が供えられていました。また、当山では先祖や精霊の追善のためにはお塔婆を建立して供養するのを常としていますので、法要後にはそれぞれ建立されたお塔婆を墓所に持参されていました。

それぞれ法会の後の法話では日蓮大聖人の崇峻天皇御書『人身は受けがたし、爪の上の土。人身は持ちがたし、草の上の露。百二十まで持ちて名をくた(腐)して死せんよりは、生きて一日なりとも名をあげん事こそ大切なれ。中務三郎左衛門尉は主の御ためにも、仏法の御ためにも、世間の心ね(根)もよかりけりよかりけりと、鎌倉の人々の口にうたはれ給へ。穴賢穴賢。蔵の財よりも身の財すぐれたり。身の財より心の財第一なり。此の御文を御覧あらんよりは心の財をつませ給ふべし』を拝読。
御書を頂いた四条金吾殿は宗祖御在世の代表的なご信徒で、鎌倉での日蓮門下の中心であった方です。その四条殿に与えられた宗祖の教えは、「人生の貴重さとはかなさを知り、与えられた人生の尊さに思いをいたすこと。いたずらな日々を送ることなく、一日でも意義深く感動を覚えるような生き方を心がけよう。名を上げるとは功名ではなく、命の営みのすばらしさに気がつくような生き方のこと。社会のため、仏法のため、家族や地域のためにも貢献を惜しまず、その人柄を慕われるような生き方を求めて行こう。人生にとって経済力は大切であるが、その経済力よりも健康であることが大切、さらには経済力や健康よりも心の持ち方が大切。身は貧しくても心は豊かに、身は病んでも心は健やかに。仏道に縁を結んだ仏弟子は信行に励んで心の宝を積んで行こう」というものです。拝読すればするほど奥行きを感じる宗祖のお言葉であることをお伝えしました。

8月15日は終戦の日、当山では開創以来欠かすことなくこの日には「戦没者追善法要」を執り行ってきました。追善法要では前の大戦において、戦陣に散った方々ばかりでなく、戦時下のために命を失った民間の人々、さらには戦争に反対して命を失った人まで、国の内外をとうことなく、犠牲となれらたすべての方々への供養を申し上げました。法要後の法話では前述の崇峻天皇御書の教えに続いて、「この時期にこそ、戦争と平和、国家と個人、民主主義と人権、国と国との関係等々を皆んなでまじめに考えましょう」と申し上げました。

8月17日(日)は今年8回目の日曜法話会でした。お盆の休み開けでそれぞれにご都合もあったのでしょう、参加者はいつもより少なめでしたが、かなりの暑さのなか、皆さんとご一緒に学びの時を持ちました。初めて聴聞されたご婦人のお二人はお家がお隣同士で、誘い合わせてお出でになったということでした。主催者としてはいろいろな方が関心を持ってご参加頂くことは、大変有り難くモチベーションもあがりますので、感謝・感謝です。

今月のテーマは「終活に思う」ということで、今話題の「より良く人生の最後を迎えるための終活」に関してのお話をするつもりでしたが、世相として「69年目の終戦記念日を迎えて」を取り上げ、その解説と意見を述べていましたら、タイムオーバーとなってしまいました。レジュメに示した「①太平洋戦争に至る歴史を検証しよう。②国家と個人の関係をじっくりと考えよう。③戦後日本の歩みとすがたについて。④もし日本が戦争に負けなかったらと考えてみよう」の4点についてお話をしたのですが、事前知識の必要性と内容が奥深いため、ついつい長くなってしまいました。

参加者の皆さんにはじっくりとお聞き頂き有り難く思った次第です。来月はお話しできなかった「終活に思う」をテーマとして、9月21日(日)午前11時より法話会を開催いたします。

より多くの方々参加聴聞をお待ちしています。

相武山 山主

2014年08月24日

猛暑お見舞い申し上げます

暑中見舞いから残暑見舞いへと時候のことばが移りましたが、梅雨明けからかなり厳しい暑さが全国的に続いています。檀信徒並びに友の会の皆様もあまりの暑さにウンザリという状態ではないでしょうか。

猛暑お見舞い申し上げます。

その昔、30度を超えると異常な暑さと思っていましたが、近年は30度を超えるのは当たり前になり、気がつけば35度を超える猛暑日にも慣られされてきたような気がします。地球の温暖化がひたひたと現実となってきたのでしょうか。雲一つ無い青空から照りつける陽射しに、蝉の音が重なると暑さもひとしおです。境内や堂内の清掃、草取りや枝はらいの作務にもついつい「暑い暑い・・・」と愚癡が出て、作務がなかなかはかどりません。環境の変化一つに振り回される怠惰な己れにもあきれてしまいます。

当山では毎月一日にお経日(おきょうび)を執り行っています。一日(ついたち)参りともいわれるこのお経日は、十三日の宗祖御講と共に法華衆の大切な月例行事となっています。お経日は月の初めに菩提寺の御宝前に参詣して、前月の仏さまのご加護に感謝をささげ、来る月への誓願を立て、ご先祖有縁精霊への追善回向を申し上げる法会(ほうえ)です。信仰の篤い方はこの両日を自身の信仰の証として参詣に努められていますが、もちろん仕事や所用もありますから思うようにはまいりませんし、誰もが生身の存在ですから参詣しようと思ってもできない場合があるのも当然です。それでも当山では50代から80代の方々が、敬虔な信仰心に導かれて参詣を続けておられ、その信行の姿勢はまことに尊く、きっと仏祖三宝尊様の御照覧にあずかっていることでしょう。だれが見ていなくても仏さまはご覧になっているということであります。

「善行も悪行も御仏の知るところ」と信じることが仏道の基本。経典には「信は道の元(みなもと)功徳の母」と説かれていますが、邪(よこしま)な誘惑をはらって悪行を止め、勇気を出して善行に努めることは、御仏(みほとけ)の慈眼(じげん)を信ずることからはじまり、その意識を持続した者が仏道を成し遂げ、三世の安らぎを得られるというのは仏教の常談です。

しかし、現代はこの「信じる」ということが最も難しいことといえるかも知れません。というのも、古の人たちに比べれば現代に生きる私たちは、智慧はともかく知識は格段に広がり、情報も取得しやすくなり、根拠に乏しい自信にもかかわらず「わからないことはない」というような傲慢さも抱きがちです。また他方、いかがわしい信仰や、占いやまじないやカルト的なものも横行していますから、信ずることへのためらいが生じるのも当然。さらには、オレオレ詐欺や利欲のために平気で人を騙すような事件も多く、「まずは疑え」というような風潮があることも事実だからです。

なにごとにおいても考えもしないで無条件で信じるなどということはあり得ませんし、どのようなものでもその真偽を見極めることは大切なことです。ことにあたって慎重な姿勢は身を守る基本でもあります。そこをふまえつつ、人生は信ずることによって拓かれてゆくことを知ることが大切だと思うのです。「自分自身を、自らの人生を、明日を、家族を、友人を、人々の良心を、天地自然の運行を、来世を、そして御仏の存在とその教えを、・・・・・」。

ご縁によって結んだ御仏の道も信じなければ歩むことができません。また、信じる心を生涯かけて磨き上げ、豊かにして行くことが仏道の功徳でもあります。御仏とその教えを信ずることによって、「御仏からの誡(いまし)めと励まし」を享受(きょうじゅ)することもできます。信仰の道もけっして平坦ではありません。浅きから深きへ、低きから高きへと向かうにつれ、いろいろな迷いや問題が生じて、己れ自身の信仰の度合いが試されることもあります。宗祖が弟子檀越に「信の決定(けつじょう)」を求められたゆえんでもあります。

照りつける真夏の陽射しのなか、汗を流しながらお経日(一日参り)に参詣された皆様。法要後には回廊で皆さんとご一緒に冷茶とスイカを頂き、そのご信心に敬意を表しながら信じるということについて少し考えてみました。

相武山 山主

 

2014年08月09日

元気な声が響きました (下)

ランチタイムが終ると子供たちに待っていたのはスイカ割り。スイカは緑区の落合さんが丹精されたもので、御宝前にお供え頂いたものです。みごとなできばえのスイカなので割るのはちょっともったいないとも思いましたが、子供たちが楽しみ、その記憶の一端が夏の思い出として残ればそれも好いかなと思った次第です。昨年までと異なり、今年は目隠しをしませんでしたのであっさりとしたスイカ割りでしたが、それでも皆んなで歓声を上げていました。割った後は手づかみでしっかりと頂きました。

スイカ割りが終ると一息いれて小原さんの指導で「紙飛行機遊び」です。本堂で小原さんの手ほどきで紙飛行機を作り、ホワイトボードにかけられた標的めがけて紙飛行機を飛ばして遊びました。

子どもたちの遊びはさらに続きます。今度は受付前のスペースを利用してのボーリング。並べられたプラスチック製のボトルを軽いボールで倒します。ワイワイがやがやと皆んなの笑い声が響きました。ボーリングが終る頃には、興厳房が子供たちに冷たいアイスを配っていました。

最後は夏の作品作りです。今年の興厳房からのサポートは「風鈴つくり」でした。冷房の効いた客殿に場所を移して風鈴に絵を描いたり、シールを貼ったり、下げられた短冊に思いを書いたり、それぞれお母さんの助けを借りながら、思い思いの風鈴を作りました。わらべ会はこの風鈴作りで終了。
子供たちが風鈴を作っている間に、大人たちはテントの撤収、バーベキュー器具の片付け、洗い物、流しそうめんの機材などを片付けてくれました。何をするにも準備には手間と時間がかかり、片付けも面倒なものですが、準備と片付けがないイベントは一つもありませんから、準備や片付け自体をイベントの一部として愉しみ、皆んなで協力することのおもしろさを知ることが大切ではないかと思います。

午後2時45分、大人も子どもも全員本堂に集合。私から草取り作業とわらべ会への協力に対してお礼をのべ、これからも皆んなで声を掛け合い、わらべ会をより充実させて行こうとお伝えし、ご本尊様にお題目を三唱して解散となりました。

子供たちの声が境内に響くのは有り難いことです。宗祖日蓮大聖人も御開山日興上人もご覧になって、慈眼を細めて居られるのではないでしょうか。こらからもわらべ会を少しづつ広げて行きたいものです。また、皆んなで会話を交わしながらゆったりと頂く食事も愉しいものです。来月も8/31(日)に午前10時から境内清掃、11時から仏事作法の説明会、そして12時から暑気払い懇親会を開きますので、より多くの方々にお集まり頂きたいと思っています。

相武山 山主

 

2014年08月02日

元気な声が響きました (上)

去る7月22日、気象庁による関東地方の梅雨明けが宣言されてから一週間、30度を超す夏日や猛暑日が全国各地から報じられ、一部では死者や重症者まで出て危険な事態となっているようです。横浜でも連日の猛暑に、健康な人でも「暑くて暑くて辛い」という声が聞こえてきます。地球温暖化の影響でしょうか、今までの経験に油断することなく、暑さ対策に注意したいと思います。自ずから境内の草取りも陽の高いときにするのは避けて朝や夕方となり、作務の時間配分も異なってきます。

そのような中、27日の日曜日は雲一つ無い夏の青空が広がり格別の暑さとなりました。午前10時からは境内と駐車場の草取り作業が予定されており、9時半頃から川脇さん、阿部さんご一家、竹越さん、宇梶さん、新倉さんご兄弟、中澤さん、山村さん等が参集、11時のわらべ会開催の前まで、皆さん草取りに汗を流されました。この時季は遠慮なく雑草が伸びてきます。寺内の手だけでは整備が追いつきませんから、7月に続いて8月も草取りの予定を組ませて頂いた次第です。皆さんお休みの日に暑い中、本当にありがとうございました。

11時を過ぎた頃、6人の子どもたちが親御さんに手を引かれて集まってきました。案内が行き届いていないこともあり、お正月やお彼岸やお盆にお参りされるご縁ある子供たちの数からすると物足りない思いもしますが、仏縁を結ぶ大切な子供たちが集まってくれたのですから本当に有り難いことです。この日は半日子供たちの元気な声が境内に響いていて私もうれしく思いました。
興厳房が「わらべ会夏のつどい」の開催をつげるとはじめは私からの一言法話。「人は一人ひとり顔が違うように、好きな物が違うように、みんな違いがあるから、まず違いがあることを理解しよう。皆んなと同じように考えたり、行動しなければならないこともあるが、何でも同じでなければならないと考えるのはまちがい。それぞれの考えの違いを理解して自分の考えをのべることが大切。違いがあることを認め、自分の意見をのべる勇気をもとう。次に、はじめから上手にできることは少ないので、やってみたいことは失敗をおそれることなく、何でもチャレンジしてみよう。大人でも上手くいけばうぬぼれ、失敗したら落ち込むもの、皆んな失敗したり上手くいったりを繰り返しながら自分に自信をつけていっている。小さな失敗なんか気にしないで元気にガンバロー」とお話をしました。

法話の後は「練経(れんぎょう)」、法華経の方便品と寿量品自我偈の御経の練習です。始めに私が一節づつ読み上げ、その声に続いて子供たちが読み上げて行きます。お経も只自分の気分で読み上げれば良いというものではありません。ご本尊様にお供えされる御経なのですから、より良く読誦(どくじゅ)することが求められています。それぞれの仏教宗派や寺院によって読み方も違いますから、昔からお寺の勤行に参加して読み方やリズムを習得することが大切といわれています。私もその昔50年ほど前ですが、得度したばかりの頃、半年にわたって同期生と一緒に「練経」をして頂いた記憶があります。純興房や興厳房が得度した時にも一緒に練経をしました。子供たちはおぼつかない声でしたが、一生懸命にお経の文字を追いながら、私の読み方とリズムに合わせて約20分の練経を行いました。

その後は、興厳房の指導による「太鼓」の練習です。子供たちは音がなる物が大好きで、いつも太鼓の練習の時は目が輝いています。はじめは机の前で紙のバチを持って「右、左、右、左、右」とお題目の「妙・法・蓮・華・経」の五字に合わせて腕をふる練習です。五字のリズムがとれるようになったところで本物の太鼓に挑戦。お母さんの助けも借りて皆んなで楽しく太鼓からお題目のリズムをたたき出していました。ちなみにお寺でお題目をお唱えするときは、太鼓の音に合わせるのが基本です。太鼓をたたく者は先ず導師のお題目のリズムに合わせ、自らも心の中で(声に出しても良い)しっかりとお題目を唱えながら、一定のリズムで太鼓をたたかなければなりません。参列の僧俗はその太鼓の音に合わせて、日蓮大聖人ご証得のお題目をお唱えするのです。

練経と太鼓の練習が終るともうお昼です。前日までに興厳房が「流しそうめん」と「バーベキューセット」を用意していましたので、草取り作業を終えた方々が子供たちのために昼食の準備をしてくれました。本堂正面のテントの中では流しそうめん、寂静庵横の桜の木の下ではバーベキューコーナーです。夏の青空が広がり照りつける陽射しは痛いほどでしたが、テントや桜の木の下に入ると緑の森からの涼風が吹き抜けていました。夏らしい趣向のランチタイムを、子供たちはもちろん大人も皆んな一緒に楽しんでいました。

(つづく)

相武山 山主

2014年08月01日