相武山 妙法院のブログ

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相武山 妙法寺 ブログ

伊豆のご難会

10日ほど前から当山南西の田んぼで田おこしが始まりました。田おこしの前からカエルの声が聞こえ始めましたが、昨年より少し遅いような感じです。これから田んぼに水が引かれると蛙の声がいっそう賑やかになってゆきます。
さわやかな五月の風がわたる今日この頃、新緑に抱かれたような里山の風情を楽しみに多くの方が当山周辺の市民の森を散策しています。時折当山にもお入りになり、本堂の前や三師塔の前で手を合わせていらっしゃる方もおります。その姿からはあらゆる人々に信仰心が具わっていることがわかります。

11日(日)はご案内のとおり今年5回目の日曜法話会でした。4月の法話会のテーマ「釈尊という人」の続編です。はじめにいつものように法話会開催の趣旨をお伝えし、その後の今月の世相は「韓国フェリー セウォル号海難事故」について。
犠牲者300人以上となった韓国の海難事故について、まず事故原因については①進路の変更ポイントで急な方向転換(未だ原因究明中、未熟な操船と船長の無責任さ)。②不適切な改造と過積載の常態化(船会社と関係者の責任)。③海難事故への訓練がなされていない(加害者である海運会社と旅行を計画した学校関係者)。④犠牲者の判断の誤り(高校生を責めることはできないが、的確な事態認識が必要だった。自らが自らを護る、受けて良い指示、護って良いルールか否か)。の4点を上げて完全な人災と指摘しました。
その上で、船長と操船者及び乗組員の責任(避難指示も出さずに避難)、事故への油断(安全は危険を認識してこそ確保される)を考え、学ばなければならないこととして、①いつ何が起きても不思議ではない世界に生きている。②非常事態には非常事態なりの対応が必要。③他者に判断を委ねるのではなく、自らを信じて生きるのが人生。と意見を述べさせて頂きました。

法話のテーマ「続。釈尊という人」のサブタイトルは(釈尊の人生とその求めたもの)でした。釈尊の人生を学ぶのは、○仏教を正しく知るため。○覚者としての仏陀ではなく人間釈尊を知る(史実と伝説の相違)。○釈尊を敬うことはその求めた道を敬うことであることをお伝えしました。
簡略に先月のおさらいをした後、ガヤーでの「降魔成道とその内容について」のお話は「悪魔の武器」についてです。人間の恐れるもの、欲しいもの、喜ぶもの、悲しむもの、嫌がるもの、ありとあらゆる手段を講じて悪魔は釈尊の成道を妨げようとしましたが、釈尊はそれらのすべてを降して成道をとげました。その後の伝道と救済についても、広いインドとその時代を思い浮かべながら、クシーナガルでの入涅槃までを説明させて頂きました。最後に釈尊の求めたものは、「解脱であり涅槃の寂静、永遠普遍の真理であり真の安らぎの境地、迷惑する人々を救い倶に安心を得る」であることをお伝えし法話会を終了。
次回は6月22日(日)午前11時からの開催です。

同日、午後1時からは伊豆御流罪法難会を執り行いました。法話会に参加聴聞された檀信徒の方々が昼食を摂られ引き続いて法会に臨まれました。皆さん五月の好季に半日、行学に励まれたことになります。自らの時間を何に用いるかは、その人の価値観が表れるものですから、参詣の皆さんの信仰心に深く敬意を表するしだいです。

伊豆の御難会は弘長元年5月12日、時の為政者から罪科に問われた宗祖が、鎌倉から伊豆に流罪となられた法難を報恩謝徳申し上げる法会です。この法難は法華経の宗旨を弘通した事により、宗祖が初めて公的に罪科を問われた法難です。
参詣者の皆さんと倶に読経・唱題を申し上げ、その後、船守彌三郎御書を拝読しての法話。伊豆御難会についての解説とその意義についてお話をしました。
その後の世話人会まで出席頂いた皆さん、本当にご苦労様でした。

相武山 山主

2014年05月22日

わたしのお寺&ゆかりのお寺

初夏を迎え、当山墓苑のレッドロビンの葉がわりに見られるように、常緑樹も葉代わりの時季となりました。枯れ葉の色ではありませんが、絶え間なく緑の葉が舞い落ちます。秋の落葉と同様今の時季は落ち葉との闘いとなります。
何ごとにも表と裏、正と負、プラスとマイナスがありますから、緑の豊かさと自然の営みを愛でる悦びの裏には、緑との調和を考えたり剪定や清掃という作業がまっています。狭い境内よりは広い境内の方がゆったりとして有り難いのですが、広ければそれだけ掃除と管理に時間がかかるということになります。
当たり前のことですが、いいとこ取りで行きたいと思ってもそうは問屋が卸さないということです。楽しむためには苦労があり、権利のためには義務があるということでしょうか。この道理はあらゆる場面に及びますから、ここを理解できるだけでもより良く生きるための知恵を頂いたということができるでしょう。

さて、ゴールデンウイークの最中5/5(月)の午前中に境内の草取り清掃を行いました。例年、年末はもちろん初夏から秋にかけて何回か声をかけあい、講中みんなで取り組んでいる清掃作業です。いつも、当山を「わたしのお寺」と思って頂ける方々に、自主的に参加できる時間だけの作業をお願いしています。今回レッドロビンの剪定だけは2週間ほど前に私と興厳房で行いましたが、温かさに境内地一面雑草は遠慮なく生えてきていますので、草取りが主たる作業となりました。
当日は私も草取り&剪定に参加するつもりでしたが、5月1日の朝、徳島県広徳寺の住職を務めておられた磯崎文城師が逝去され、その葬儀に参列するために不在でした。声かけ人の新倉講頭さんも都合で参加できず、ご協力頂いた方々には失礼をいたしましたが、興厳房がよく準備をしてくれたようで、皆さんのご協力のもと、境内はもちろん荒れていた駐車場の方まですっきりと清掃頂きました。混乱なく無事に作業が行われたことに御礼を申し上げます。

当山は社会に開かれた寺院をめざしていますから、現在は仏事の相談や人生の相談、終活やお墓や永代供養墓など、いろいろな方が散歩がてらにお出でになります。荒れていたり汚れていたりしては興ざめですから、これからも境内の管理と清掃には留意して行きたいと思っています。「妙法院はわたしのお寺」との意識をお持ちの檀信徒の方々には、これからもご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
なお、ご協力頂いた方々は、新倉さん兄弟、熊木さん、川脇さん、阿部さん、落合さん夫妻、中澤さん親子、久保さん、阿部さん、和田さん、芦川さん家族、白濱さん、奥田さん、 辻本さん、高橋さん、金澤さん親子、小田さん22名でした。
ありがとうございました。

相武山 山主

2014年05月10日

初夏の風にふかれて

さわやかな初夏の風が吹き抜ける4月27日。当山では立宗会並びにお虫払法要を執り行いました。立宗会(りっしゅうえ)は建長5年4月28日、日蓮大聖人の立教開宗(りっきょうかいしゅう)をご報恩申し上げる法要です。また、お虫払法要は当山に所蔵している曼荼羅本尊(まんだらほんぞん)並びに宗開両祖の御影画(みえいが)の虫干しとお風入れを行う法要です。例年この時季に併せて執り行っています。さらに今年は昼食をはさんで午後0時40分から「チターの演奏会」が開かれました。

年中行事などの大事な法要を迎えるときには、いつも事前に掃除や準備はしているのですが、当然、当日の掃除や準備もありますので、法要の前はだいたいバタバタしながら法要に臨むことになります。その間、突然の電話が入ったり、参詣の方からの近況報告を伺ったり、質問や相談などの声もかけられますが、法要の前にはあまり精神的にも余裕がなく、失礼な点があるかもしれませんがどうぞご容赦ください。

法要には約50名ほどの檀信徒の方々とチター教会の内藤先生や関係者の方も参列されましたので、開式の前には私から法要の流れと意味を簡単に説明いたしました。お寺に馴染みのない方や初信の方々には、献膳や読経、唱題など、法要や儀式についての意味がわからないことが多いと考えてのことです。意味がわからなくても法要に参列される功徳は尊いものですが、意味がわかれば参列の喜びもさらに増すことになるでしょう。

曼荼羅本尊と御影様は2日前からお風入れと虫払のために御宝前にご奉掲申し上げました。はじめに仏祖三宝尊にご報恩の献膳を申し上げ、続いて参詣者と倶に法華経を読誦。読経後お題目が唱えられる中、参詣者はご宝前に進んでご霊宝を内拝されました。御曼荼羅は約180年前をはじめ江戸末期から明治のものであり、かつて御安置されていたときの情況が良くなかったこともあり、かなり傷んではいますが、先達が大切にされた法華信仰がよく伝わってまいります。

私たちが現代に日蓮大聖人・日興上人の教えに巡り会うことができたのも、古の先師先達の護持伝法の篤い信心があったことによります。当たり前のことですが、あらゆるものの存在は、護り伝える人がいることによって存在しています。したがって未来に法華経や宗祖の教えが流れかよい、人々の心を潤すことができるか否かは、現代に教えを継承する私たちの努力にかかっているといっても過言ではありません。法会を執り行いながら思いを新たにした次第です。法要は「立宗会の意義と御虫払会のいわれについて」お話を申し上げ終了。

しばし休憩。この間に参詣者の皆さんは昼食を摂られ、午後0時40分より日本チター教会会長の内藤先生によるチターの演奏会が開催されました。チターはヨーロッパのドイツ語圏で親しまれている弦楽器ですが、我が国ではあまりポピュラーな楽器ではありません。内藤先生とのご縁は川崎市の芦川さんがチターを習っていたことによります。芦川さんのご紹介で平成23年春にも御虫払会の折りに演奏して頂きました。


3年ぶりの演奏会でしたが、初めに先生は幼い頃からのご自身と音楽とのふれあい、そしてチターとの出会いから習得の歩みなど気軽にお話されました。、チターといえば「第三の男」が有名なのですが、その後の演奏ではクラシックから美空ひばりの「津軽のふるさと」まで、すばらしい演奏を楽しませて頂きました。最後には芦川さんと一緒にエーデルワイスを演奏され、結びに先生の演奏にのって皆んなで「ふるさと」を歌い閉会となりました。本当に楽しい時間を過ごさせて頂き内藤先生に御礼を申し上げたいと思います。

演奏会閉会後には奉掲申し上げていた曼荼羅本尊のご奉納。法華経の自我偈を読誦し、唱題の裡(うち)に奉納させて頂きました。今年も参詣の皆さま方のご信心に支えられ、初夏の風にふかれて立宗会と御虫払会を厳かに奉修でき、心より感謝いたしております。

相武山 山主

2014年05月09日