相武山 妙法院のブログ

相武山 妙法院のブログです。

相武山 妙法院

  • HOME
  • 相武山 妙法院
  • お知らせ&行事案内
  • 道の心得
  • 法話会
  • 墓苑・永代供養墓
  • 自然に親しむ
  • 交通のご案内
  • ブログ
  • サイトマップ

045-442-7688

  • ご相談について

〒241-0806 横浜市旭区下川井町1590-1

相武山 妙法寺 ブログ

母を思う殊勝なこころ

先週の火曜日に横須賀市の女性から電話を頂きました。一昨年9月に亡くなったお母様の供養をして頂きたいという申し出のお電話です。親族の方から当山を紹介して頂いたということで、30歳代のご婦人がご主人と二人で土曜日にお参りに来られました。

「年忌でも命日でもないのですが、お母さんに供養をしたいと思い立ったので」ということでした。お母様のお塔婆を建立して法華経を読誦、唱題を申し上げて懇ろに追善ご回向をさせて頂きました。ご婦人は「おばあちゃんが法華経と日蓮大聖人の信仰をしていて、母と一緒に私も法華経も上げていました」ということで、お経も声に出して読誦され、ご主人もお経を眼で追って黙読しておられました。お題目は私の声に合わせてお二人ともお唱え頂き、とても有り難いことと思いました。

おばあちゃんやお母様の信仰心が時を経てご婦人の心に蘇ったようです。私も大変うれしく思いました。信仰を子どもや孫に伝えようと願っていても、中々思うようにはまいりませんが、信仰の大切さや供養の大切さ、家族の思いやりの大切さなどを、日頃から繰り返し語り、自分が実践しているとやがて時を得て花が咲くこととなるようです。ご婦人は「母も喜んでいるでしょうか」とお尋ねでしたが、仏さまのもとに居られるおばあちゃんやお母様もきっと喜ばれていることでしょう。有り難いことにこれからも参詣させて頂きますと仰って帰られました。

当山の檀信徒にはほとんどおられませんが、最近一般では、自分の親や家族が亡くなられても、葬儀を行うこともなく供養を捧げることもない、火葬にして終わりという素っ気ない事例を聞くことがあります。もちろん法事なども行うことはありません。
理屈の上からは、「宗教心や信仰心がないので葬儀や供養は行わない」というのも不思議なことではありませんが、人間的情緒を欠いているのではないかと残念に思います。
というのも仏教の教え以前に、動物と人間との大きな相違の一つに「死者を弔う」ということがあるからです。旧人類から新人類という数十万年の昔から、家族が亡くなるとその死を悲しんで葬るという遺跡が世界の各地にのこっています。古今東西の歴史をみても、死者を悼み葬儀を行って信ずる世界に旅立ってゆくことを願うのは、人としての振る舞いとなって伝わっています。

お母様を思って追善の供養を思い立ったご婦人の殊勝なこころにふれることができて、小雨で少し寒い土曜日の本堂にも暖かさが感じられました。

相武山 山主

2013年04月22日

かえるが鳴き始めました

当山周辺では1週間ほど前からカエルが鳴き始めました。はじめは本当にカエルの鳴き声かなと思うほどか細いものでしたが、しだいに元気な鳴き声になってきました。例年当山西側の田んぼに水が入り田植えが始まるとカエルの合唱が聞こえてくるのですが、今年は少し時期が早いように思えます。
墓苑の周囲にまで小さなカエルが出没しています。カエルは田んぼや畦(あぜ)、水路の土羽(どは)の土に潜(もぐ)って越冬(えっとう)し、春先、田に水が張られ、代(しろ)かきが行われる頃に出て来きます。カエルの種類についてはあまり良くわかりませんが、見かけるのはアマガエル、アオガエル、ツチガエル、トノサマガエル、そしてガマガエルといったところでしょうか。

カエルに負けず木々の芽吹きも新緑の季節の到来を知らせています。新緑といっても樹木の種類によってその色は異なり、皆同じではありません。じっくり見てみるといろいろな緑があることに気がつきます。そして若葉の芽吹き方も一様ではありませんから、自然の営みが人智をはるかに越えたもので、宇宙の運行と密接に関わりながら、あらゆる存在と深く連関しながら生きていることがわかります。しかし、コンクリートに囲まれ無機質な生活に慣れてしまうと、その不思議でおもしろい世界が見えなくなってしまうのは残念なことです。

ところで、14日の日曜日の朝、法話会の前に港北区の川脇さんが朝取りのタケノコを持参されましたので、早速御宝前にお供えさせて頂きました。川脇さんにはいつも植栽の管理など境内整備でお世話になっていますが、ご信心と奥様への追善を大切にしておられる川脇さん。その志から旬の初物を仏さまにお供えになられたものです。御本尊様もきっと笑顔でご覧になられたことでしょう。

法話会と言えば昨日、「今年も日曜法話会を開いていますか?」「今月の法話会はいつですか?」と、わざわざ訪ねてこられた方がいました。昨年2回か3回法話会に足を運ばれていた方です。今月は14日に開催し、来月は12日開催しますとお伝えすると、「また聞かせて頂きます」といってお帰りになりました。去る14日の法話会では「世相」のコメントが長くなってしまい、テーマの伝教大師最澄の「願文」を説明することができませんでした。来月の法話会では参加者の皆さんとじっくり学びたいと思っています。

また、来週の28日(日)には午前11時から、宗祖「立教開宗」のご報恩を申し上げ、当山所蔵曼荼羅御本尊の御蟲払(おむしばらい)法要を執り行います。法華信仰をなによりも大切に思い、その護持と伝承に心血を注がれた先達の志を共々に拝したいと存じます。ゴールデンウィークのはじめですが、より多くの方々のご参詣をお待ちしています。

相武山 山主

 

2013年04月19日

芽吹きのとき

冬の間葉を落としていた落葉樹が一斉に芽吹き始めました。やわらかな新緑はいのちの営みの証のように、活き活きとした生命力を感じさせます。元気の良いタンポポや春の野草からは、大地の躍動が私たちまで伝わって来るような気がします。

あちこちでピカピカの一年生(チョット古いですか)の姿を目にして、思わず笑みがこぼれてしまうのは私ばかりではないでしょう。頼りない歩き方から好奇心旺盛に道草を楽しむ姿、子ども同士でじゃれ合っての下校風景など、本当に可愛いな~と思います。親御さんと一緒に、事故のないよう心身共に成長してほしいと祈らずにはおられません。それぞれの一年生にエールを送りたい気持ちになる春です。

新年度を迎え、当山でも心新たに「宅御講(各家庭で仏法を学ぶ集い)」を有縁の方々と一緒に立ち上げて行きたいと検討しています。今までも随時各地の檀信徒宅において「宅御講」を開催してきましたが、これからはより多くの方々に仏縁を結んで頂き、少しでも仏の教えを学び伝える機会を設けたいと願ってのことです。
寺院では月例の行事や法会がさまざまに行われ、法話会などの企画もありますが、いろいろな事情でお寺に足を運ぶことが難しい方が居られるのも事実です。そこで、お寺の方から志のあるご家庭を訪ねて仏法を語る場を作って行きたいと考えています。
今までとは内容やかたちを変えて、参加人数の多少にかかわらず、仏道を永く伝えて行くための「現代に仏教を学び親しむ運動」を展開して行く礎にしたいと願っています。何ごとも努力なくして護り伝えられらるものはありません。仏道とて同様でありますから、仏道を大切に信仰される方々と手を携えて、少しでもその護持と伝承に努めて行きたいと存じます。来月から適宜開催してまいりますので、檀信徒の皆さまにご理解とご協力をお願いいたします。

来たる14日(日)の日曜法話会は3月に引き続いて「仏教は発願から」をテーマにお話をさせて頂きます。前回ご紹介した伝教大師最澄の「願文」を丁寧に拝読し、仏道修行者・仏法信仰者としての心得を共々に学びたいと思っています。さわやかな風が吹いて心地好い季節を迎えました。仏道の豊かな世界にふれてより良い人生の糧として頂ければ幸いです。

相武山 山主

2013年04月11日